平大臣記者会見(令和6年11月15日)
平デジタル大臣記者会見要旨
(令和6年11月15日(金)10時31分から10時42分まで 於:オンライン)
1. 発言要旨
冒頭発言なし
2. 質疑応答
(問)マイナ保険証に関して、なりすまし受診防止の観点でお尋ねします。資格確認書は、マイナ保険証を使えない人などに必要な一方で、ICチップも顔写真もありません。資格確認書の不正防止の必要性というところで、大臣としてはどうあるべきか、いずれ資格確認書も廃止した方がいいとお考えでしょうか。
(答)ご指摘のとおり、資格確認書には写真もICチップも入っていないということで、なりすましのリスクは高いと思います。政策のバランスだと思います。なりすまし防止の観点からは、マイナ保険証に一本化するのが望ましいと思いますが、一方で不安の声もありますので、まずはできるだけ政府の方針としてはマイナ保険証を使ってほしい。そちらの方にぜひ行ける人は行ってくださいという基本方針は変わりません。ただ、不安の声もあるので、資格確認書も使いながら、あとは状況をみながら判断だと思っています。
(問)不正を無くしていくという観点で言うと、マイナンバーカードの一本化ではなく、保険証用のカードを別に用意して、顔写真などを付けた方がいいと指摘されている専門家もいます。バランスというのもよく分かりますが、大臣としては不正を無くしたいのか、減らしていくことを考えているのかお答えいただけますか。
(答)究極的には無くしたいと思っていますが、現実とのバランスというのがあると思います。既にマイナンバーカードというものがありますので、マイナンバーカードと同じスペックの保険証を、ICチップと顔写真を入れて二本走らせるというのは、それは行政改革の観点からも二重投資になるだろうと思います。
(問)昨今ビットコインが過去最高値を更新していますが、そうした観点で今のビットコインは総合課税になっていると思いますが、こちらを分離課税にしていくという議論はありますか。
(答)これはトランプ政権になって、確かトランプ候補時代に暗号資産に関しては親和的なご発言が多かったといった背景があるのかもしれません。その辺の分析もしっかりはしていませんが、そんな中で、総合課税なのか、分離課税なのかどうするのか。今は雑所得ということで、税率最高55%ということです。一部からは、分離課税にして、いわゆる証券並みの20%にすべきだという業界からのご意見もいただいているところでありますが、これは専ら金融庁所管の話でございますので、デジタル大臣の立場でビットコインや暗号資産のキャピタルゲイン課税についてこうあるべきだという発言はできませんので、ご容赦いただきたいと思います。
(問)保険証廃止の理由について、大臣は不正の穴を塞がなくてはならないという発言を何度かされていると思いますが、先程のように、バランスをもって進めていくのであれば、保険証を無理に廃止するという必要性がどこまであるのかという疑問がありますが、改めて見解をお願いします。
(答)不正の穴は塞がなければいけないというのは、繰り返し申し上げておりますが、データ連携によって、医療の発展や、個々人に対する適切な医療の提供など、そういったこともできるわけであります。ですから、政府としてはできるだけデジタル化にもっていきたいという思いがあります。実際に使っていただければ、やはり便利だとか、あとはいわゆる端末との接続も慣れの問題もありますので、実際やっていただいて、その上で最終的な判断をしていくんだと思います。世界全体を見ても、このデジタル化の流れは各国進んでいるところでもありますし、また、これから人口減少の中で公共的なサービスを維持するためにもデジタル化は必須ですから、その基本方針は変わらないということでご理解をいただきたいと思います。
(問)マイナ保険証について、現状、マイナンバーカード機能のモバイル搭載ということですが、読み取り機の方はモバイルへの対応が未定となっています。いわゆる読み取り機にオプションを付ける、付けないという話はありますが、多分今後モバイル対応がないと、やはり普及のもう一段階は厳しい部分があると思いますので、この辺の見通しについてや、資格確認書についてどれくらいの移行期間をみているのかコメントをお願いします。
(答)今はマイナンバーカードにしか対応していませんが、これからスマートフォンが当たり前の時代が来るので、それに当然対応は必須だと思っています。一方で、今マイナンバーカードにフォーカスした端末を配っているものですから、これを一律に変えるというのにはそれなりに時間がかかると思いますので、今いろいろ検討しているところです。アタッチメントを付けて対応するとか、今様々な対応で、スマートフォンに移管したはいいが、病院で使えないという批判が出てこないように、我々としても今あらゆるオプションを検討しているところです。
(問)時期的なものはまだ見えてないという感じですか。
(答)今、大臣として、この場で明確にお答えするところまではきていないということです。ただ、議論は進めています。
(問)資格確認書は、最大5年更新ということだと思いますが、これをそのまま続けていくのか、まだ政府の方針は出てないと思いますが、大臣個人のお考えを教えていただけますでしょうか。
(答)政府の方針は出ていませんし、状況を見ながらだと思います。国鉄の時代に切符を切っていたのから、いわゆるSuicaの世界になっていたとか、高速道路もアナログの料金所からETCになってきた。そうすると、政府がこれをやってくださいとお願いしなくても、自然にそちらにシフトしてくるというのはよくあることですので、まずはマイナ保険証をできるだけ作ってくださいと。そういう方がいればいるほど、アナログの世界に留まっている方にも裨益しますので、そういうお願いをしていく。不安な方は資格確認書でやってくださいということで、あとは社会の状況の変化を見ながら。また、申し上げましたが、労働力、供給力は指数関数的に落ちていくことがだいたい分かっていますので、それでもいわゆる公的サービスをどう維持をするのかといったところは、デジタル化やAIの実装なども不可欠ですから、それとの見合いを見ながら、状況を見ながら判断をしていくことになろうと思います。
(問)ETCの関係でいうと、ETCもなかなか現金レーンをなくすと言いつつ、まだ残っている状況ですが、マイナ保険証においても、できるだけデジタル化は促すが、最終的にそちらも残さなければならないとみていますか。
(答)UI/UXが進化して違和感がなくなるということもあると思います。ですから、今デジタルというと、デジタルが苦手な人は例えば、アドレスを入れなければいけない、IDを入れて暗証番号を入れなければいけないなど、いろいろなその思いがあって、少し怖い、面倒くさいというのがあるんだと思いますが、UI/UXで顔認証というのもその一つだと思いますし、これから言語でのインターフェースもどんどんできてくると思いますので、それも含めて社会がどう変わっていくかということだと思っています。
(以上)