平大臣記者会見(令和7年1月31日)
平デジタル大臣記者会見要旨
(令和7年1月31日(金)8時32分から8時40分まで 於:参議院・本会議場中庭側)
1. 発言要旨
サイバー安全保障担当大臣として、2月1日(土)から始まるサイバーセキュリティ月間についてお知らせします。
3月18日(火)までの期間中、「家庭や職場で話し合い、見直したいセキュリティ対策」をテーマに、産学官民において集中的に普及啓発活動を行うこととしており、全国で約170件のイベントが開催されます。政府においても、インターネットを通じた普及啓発、中小企業向けセミナーの開催、政府職員がサイバーセキュリティに関する技術や能力を競う競技会であるNISC-CTF(ニスク-シーティーエフ)の開催などを行います。
サイバー攻撃は深刻化しており、企業を狙うランサムウェア攻撃も勢いを増し、被害も大きくなっています。昨今の被害の約半数は中小企業であり、規模を問わず対策が必須となっています。
この月間を機に、国民の皆様一人一人が、不審なリンクは開かない、OSやソフトウェアは常に最新にアップデートするなどの基本的な対策を再確認するなど、サイバーセキュリティを改めて意識し、少しでも関心を持っていただきたいと思っております。
明日2月1日(土)から2日(日)まで、沖縄県名護市の視察を予定しております。
沖縄県名護市では、デジタル技術を活用した官民連携での地域課題・社会課題の解決のため「スマートシティ名護モデル」の取組を進められていると聞いています。
本日(1月31日)から開催される「TSUNAGU City 2025 in NAGO」では、デジタルを活用した先進的な取組の紹介等が行われる予定であり、私も明日出席し、基調講演を行ってまいります。
詳細は内閣官房デジタル行財政改革会議事務局にお問い合わせください。
2. 質疑応答
(問)自治体のシステム標準化に関して、中核市市長会から移行後の運用経費が平均で移行前の2.3倍になるとの試算が示され、運用経費に関しても国の責任で財政措置するよう緊急要望がありました。 また、先週末には総務省の経済措置の通知の中で、移行経費の増加分も地財措置を行うという通知もありましたが、要望への対応と、自治体負担を減らすためにデジタル庁は今後どのように動いていくのかお考えをお聞かせください。
(答)一昨日(1月29日)、中核市市長会の木幡会長、中野副会長が、標準化・ガバクラ移行後のシステム運用経費の増加に対して、適切に財政措置を行う旨の緊急要望のために来訪され、事務方にて対応してもらいました。今後の運用経費が増加する要因は、自治体の現行システムの利用形態や移行後のシステムの状況など、様々な要因が考えられるため、まずは、事業者の見積り内容をしっかりと精査いただく必要があると考えております。その上で、デジタル庁としても、何回かご説明させていただいておりますが、標準化・ガバクラ移行後の運用経費等が抑制できるように、事業者に対して見積内容を自治体に丁寧に説明することを要請しました。また、依頼があった自治体への見積精査支援、そしてクラウド利用料の大口割引等の提供、クラウド最適化支援などの取組により、自治体を最大限支援しているところであります。特に見積精査支援は、依頼を受けたところはそれなりの効果を発揮しています。首長さんには毎回このサービスを案内するのですが、その場でなるほどと言ってお帰りになるのですが、実際に依頼があまり来ていませんので、是非ご活用いただきたいと思っております。その上で、自治体の情報システムの運用経費については、自治体が現行システムで負担する運用経費に相当するものであることなどを踏まえ、各自治体が負担することが基本となりますが、今お話しがあったとおり、ガバメントクラウドの利用料等については、当庁で把握している見込み等を踏まえ、所要の地方交付税措置が講じられることとなっております。
(問)サイバー安全保障についてお伺いします。 大臣はご自身のSNSの中で、サイバー安全保障分野に関して英国の独立機関を率いているブライアン・レブソン氏と面会されたことを明らかにしていました。 どのようなやり取りがあったか、また、能動的サイバー防御の制度を監督する独立機関について何か参考になったことがあればお聞かせください。
(答)1月27日(月)の午後、訪日中のレブソン英国調査権限コミッショナーとお会いしました。レブソン氏とは英国調査権限コミッショナー事務局の制度や取組を中心に意見交換を行いました。さらには、激変するサイバーセキュリティに関する世界の環境変化についても意見交換をしたところでございます。英国の取組なども我々は参考にさせていただきながら、今の法案の作成に取り組んでいるところでございます。詳しいやりとりについては、先方との関係上差し控えさせていただきます。
(問)昨日(1月30日)の自民党合同会議で能動的サイバー防御法案が概ね了承されましたが、 改めて、通信の秘密を守る点についてお考えをお聞かせください。
(答)我が国のサイバー対応能力の向上は、ますます急を要する課題であると認識しております。国、重要インフラ等に対するサイバー攻撃を排除するため、能動的サイバー防御の実施を可能とするための法案を今国会に提出する予定となっております。 能動的サイバー防御における、分析する情報の範囲に関しては、昨年11月の有識者会議からいただいた提言において、重大サイバー攻撃対策のために個人のコミュニケーションの本質的内容は特に分析する必要はない、メールの中身を逐一見るようなことは、重大サイバー攻撃対策としては適当ではない、との考え方が示されており、国が通話やメールの内容を見ることはありません。憲法上の通信の秘密との整合性に関心があると思っておりますので、こういった実際に見る情報というのは機械的情報に限ることや、さらにはこういった一連のプロセス、手続、全体を独立した委員会がモニタリングして必要な措置を行うということで、英国の例も参考にしながら、しっかりと独立が担保された機関でしっかり監視し、国民の皆さんからの不安をしっかり払拭できる仕組みを作ってまいりたいと考えております。
(以上)