平大臣記者会見(令和7年3月4日)
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平デジタル大臣記者会見要旨
(令和7年3月4日(火) 8時40分から8時46分まで 於:参議院・本会議場中庭側)
1. 発言要旨
3月6日(木)に「法令」×「デジタル」ハッカソンを開催します。
行政サービスの担い手不足が加速する中、これを解決するための鍵となるAIなどの新技術は急速に進展しています。
他方で、新技術を活用するためには、官民が協働して画期的なアイデア・サービスを創出する場や、コミュニティを作る必要がございます。
そこで、私のイニシアチブにより、「アイデアソン・ハッカソン」シリーズとして、昨年11月に第1弾、本年1月には第2弾を宇和島で実施してまいりました。
今回は、第3弾として開催する「法令」×「デジタル」ハッカソンは、行政特有の業務である法令を作る業務を効率化させるためのツールや、法令データを活用した新しいビジネスの種となるツールを開発するものであります。
AIエンジニアの安野さんや、株式会社Legalscapeの八木田さん、若手国家公務員の審査を経て優秀な作品を表彰することを予定しております。
さらに、春以降、第4弾として、「行政事業レビューAIアイデアソン・ハッカソン」も企画をしています。
これらのアイデアソン・ハッカソンを通じて、行政の業務効率化、より質の高いサービス・政策の実現、官民のイノベーション創出を進めていきたいと思いますので、メディアの方々には是非現場を取材いただきたいと思います。
私もレクで説明を受けましたが、画期的ですね。これから法律をつくる、もしくはリーガル分野では、こういったデジタルAIの活用は格段に進んでいくんだろうと思いますので、是非取材をよろしくお願いいたします。
2. 質疑応答
(問)こども家庭庁で、虐待を受けた子供を児童相談所が一時保護する際の判断に活用するためにAIが開発されていましたが、精度に疑義があるということで、一旦導入が見送られたとの報道がありましたが、この件について、こども家庭庁でのこのAI活用はデジタル庁にも情報共有がされていたのか、また、改めて行政で生成AIを含むAI活用を適切に進めていく上で、課題となっている点や、特にこういった領域での活用が望ましいなど方針があれば改めて教えてください。
(答)まず、デジタル庁の設置法の規定に基づいて、本システムの目的・概要・活用場面等については、デジタル庁としても把握をしておりました。ただ、報道にありますリリース延期の経緯等の詳細については、まだ把握しておりませんので、事務方からこども家庭庁に事実関係について確認をしているところです。なお、本件については、機械的に情報をAIに読ませればよいというものではなく、虐待に関する機微な情報をAIにどのようにインプットさせるかという点が重要になると考えられます。まずは、こども家庭庁が主導的に検討していくべきものだと考えておりますが、その上でデジタル庁としてもAIの利活用に係る技術的な助言を必要に応じて実施していきたいと思っております。実際に我々としては、前も申し上げましたが、闇バイトの募集のSNSの怪しい書き込みを抽出するというところで、AIが劇的な効果を上げています。一方で、複雑な案件については、どういう情報をインプットさせるかで出てくるスコアが違いますし、またAIに対する正しい認識を持っていないままに、そのソフトを自治体に提供するとAIが出したスコアだからということで、過度にそのスコアに依存してしまうということも懸念されるところだと思います。私自身は、AIも今加速度的に、指数関数的に進化をしているので、学習させればどんどん進化をしていくと思いますが、どこまでAIのスコアを信用するのか、最後決めるのはヒューマン・イン・ザ・ループ、人間が決めることですので、そういったアナログのAIの活用の仕方も含めて、しっかりと行政、また国のみならず自治体の現場で使うというときは、そういうことも含めてガイドラインなどを作って周知徹底をする必要があると思います。
(問)第4弾の行政事業レビューAIアイデアソン、ハッカソンについて、春の行政事業レビューに先立って行われるものかと思いますが、これによって、春の行政事業レビューにどういった効果があるとかお伺いできますか。
(答)行政事業レビューは、レビューシートが確か5,000を超える数があります。データとしては非常に良質なデータですが、それを検索したり、またそれを活用するには、それなりの専門性が必要とされますが、AIに事前に読ませることによって、例えばどういう課題があるかとか、AIとの対話で問題抽出をできる可能性もあるので、まずは、これは「行政事業レビュー」という良質なデータの塊とAIを掛け合わせると、どういうソリューションが考えられるかというハッカソンをやります。それが活用できれば、また秋のレビューにも使うことになると思いますし、そういったアイデアをベースに、どういうプロトタイプが考えられるかというイベントになります。
(問)出てきた効果が使えるのは、春ではなく秋が念頭にあるということですか。
(答)どういうのが出てくるかまだ分かりません。ただ一方で、いろいろなアイデアの中でいろいろな活用の仕方がありますよね。例えば国会の議論がさらに精緻に進化するとか、行革がまさにEBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)が、精度が高くなるとか、いろいろな可能性はあるのだろうと想像しています。
(以上)