古川大臣記者会見(令和8年10月20日)

古川デジタル大臣記者会見要旨

(令和8年10月20日(火) 9時20分から9時35分まで 於:デジタル庁20階会見室及びオンライン)

1. 発言要旨

宇宙政策担当大臣として御報告いたします。本日、H3ロケット10号機による火星衛星探査機、MMXの打上げが成功いたしました。
まずは、打上げに向けてこれまで準備を進めてこられた、JAXAや関係企業、地元などの関係する皆様方に、心から敬意を表します。おめでとうございます。
今回打ち上げられたMMXは、火星の衛星であるフォボスの観測や試料採取を行いまして、世界初となります火星圏からのサンプルリターンを目指します。火星衛星の起源を明らかにすることで科学的知見を深めるだけではなく、世界に先駆け火星圏への往還技術を獲得することで、我が国の宇宙産業の競争力の強化にも資するものと考えております。
また今回、我が国の基幹ロケットであるH3ロケットが重要な探査機の打上げを成功させたことは、H3ロケットの打上げ実績を着実に積み重ね、その信頼性を高める上でも重要な意味を持ちます。今後も国内外の多様な打上げ需要に対し、H3ロケットの活用が更に促進されることで、我が国の宇宙産業の一層の発展につながることを期待しております。

本日の閣議におきまして、「AI・デジタル改革推進会議」の開催について、決定をいたしました。
この会議は、急激な人口減少に対応しながら、我が国の経済成長の実現や公共サービスの維持・強化を図るため、AIによるリスクの最小化を前提としつつ、AI・デジタルの徹底活用による社会変革を推進することを目的として開催するものです。
会議は、木原内閣官房長官と私を共同議長とし、赤澤大臣、中司大臣をはじめとする関係閣僚に加えて、AI・デジタル改革、規制改革等に関する有識者の方々を構成員として開催をいたします。
第1回は10月中を目指して、現在、関係府省庁と調整を進めているところでございます。
この会議を中心として、AIを前提とした規制・制度や運用ルールの整備を行うなど、AX社会実装を政府横断的に推進し、AX・DXの恩恵が行き渡る社会の構築を実現してまいりたいと考えております。
会議の詳細につきましては、事務方にお問い合わせください。

マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載についてお知らせを申し上げます。
今月2日の会見でお知らせしました「Android端末へのマイナンバーカード機能の搭載」につきまして、予定どおり、本日20日にリリースいたしましたので、お知らせを申し上げます。
Android端末をお持ちの方は、既に「電子証明書機能」を御利用いただいている方も含め、マイナアプリから手続を行っていただくことで、本日から、新たに「属性証明機能」の搭載が可能となります。これにより、官民の各種対面サービスにおいて、各種会員登録等を行う際の本人確認、酒・たばこ販売等における年齢確認、住民割引等を受ける際の住所確認等を簡単かつ確実に受けられるようになります。なお、こうした確認を各種サービスで行うためには、サービス提供側での読取り対応が必要となりますが、デジタル庁が提供いたします「マイナンバーカード対面確認アプリ」を無償でダウンロードすることで、実物のカードやiPhoneを含め読取り対応ができますので、サービスを提供する事業者の皆様におかれましては、どうぞ御活用いただきたいと存じます。
また、今後は、対面の確認だけではなくて、各種民間サービス等をオンラインで申し込む際にも本人確認等に御利用いただけるようになるなど、利用場面が順次広がっていく予定でございます。
本日、デジタル庁のウェブサイトで公開する「Androidのマイナンバーカード」サービス紹介サイトでは、利用開始方法や、利用できる場所と利用方法、対応端末に関する情報を掲載しますので、是非、御覧いただきたいと存じます。
Android端末へのマイナンバーカード機能の搭載によって、実物のカードを持ち歩くことが不要になるほか、これまで必要であった暗証番号の入力に代えて、生体認証を利用できるようになるなど、利便性が格段に向上いたします。Android端末の対応端末を御利用されている国民の皆様におかれましては、是非、御搭載いただき、本機能を御活用いただければと存じます。

ガバメントAI源内に関する2件の取組を発表いたします。本日、デジタル庁としてプレスリリースを行います。
政府の業務には、複数の工程を組み合わせて進める作業や、大量の資料に基づく高度な調査・分析など、複雑で専門性の高いものが多くあります。こうした業務にAIを活用して省力化や質の向上を図るためには、特定の業務を自律的に遂行する「AIエージェント」を利用できる環境の整備が必要です。
このため、デジタル庁では、政府職員約18万人に展開中のガバメントAI源内において、2種類のAIエージェント利用環境を提供することといたしました。
まず、本日から、自然言語による対話で複数のタスクをAIが自律的に実行できる「エージェントチャット」機能を、各府省庁に順次導入いたします。そして、本年12月頃までには、より高度なエージェント機能として、職員個人が、専門知識がなくてもAIのアプリケーションを開発できる環境、源内工房と呼んでおりますが、この導入を目指します。
なお、当庁の調査によれば、政府機関において先進的なAIエージェント利用環境を18万人規模で導入する取組は世界初となります。
次に、AIエージェントは、AIが自律的に判断と行動を繰り返すことから、その導入と利用に当たりましては、これまで以上にセキュリティの確保が求められます。このため、デジタル庁では、政府職員がAIエージェントを安全かつ適切に利用するためのルールとして、「ガバメントAI 源内ガバナンス・セキュリティ・セーフティに関する基準」、通称「源内基準」を策定いたしましたので、本日20日に公表をいたします。
源内基準は、AIの安全性に関する評価手法や基準の検討・推進を行う「AIセーフティ・インスティテュート」、AISIと呼んでいますが、この協力を得て策定したものであります。AIエージェントの導入をこれから検討する地方自治体や民間事業者の皆様が、自組織のAIガバナンスを考えるに当たっても、広く参考になるものと考えております。
「AIエージェント利用環境」及び「源内基準」の詳細につきましては、事務方にお問い合わせください。

コンテンツ戦略担当大臣として御報告を申し上げます。
このたび、「一元的なコンテンツ産業支援法人の設立検討タスクフォース」を設置しまして、第1回会合を10月22日に開催いたします。
本タスクフォースは、日本成長戦略及び戦略17分野における「主要な製品・技術等のコンテンツ官民投資ロードマップ」に基づき、予算配分の全体最適化や予算執行の一元化、官民の叡智の結集に向けて、一気通貫の新たな支援体制として新法人の在り方を検討することを目的としております。
支援体制の構築につきましては、総理から指示をいただいているところであり、効果的な政策実行に向けて新法人を具体化すべく、内閣府を中心に関係省庁と連携して取り組んでまいります。

2. 質疑応答

(問)冒頭で御発言がありました、源内のAIエージェントの利用環境の導入についてお伺いできればと思います。今回、これは政府職員を対象にということでしたけれども、今後、来年の2月頃を目途に他の自治体ですとか、あと民間の事業者にも公開する予定だと伺っています。民間では既にAIエージェントを活用するような動きも広がってきていると思いますけれども、政府が開発したAIエージェントの利用環境を民間企業などに広げていくことは、どういった意義があるとお考えか教えてください。

(答)もともと源内は、政府が安全性を第一に考えながら国内で構築してきたものですので、今回、AIエージェントを入れる上でも、やはり安全性というものをかなり考慮しております。先程申し上げました源内工房、そちらもかなり高度なAIエージェントになりますので、安全性をどう考えていくか、この上で慎重な取扱いをしております。先程申し上げました源内基準、ガバメントAI源内ガバナンス・セキュリティ・セーフティに関する基準と、AIエージェントを使うことによってリスクも若干上がってくるところがございますので、これを安全に信頼できる環境で使っていくためには、政府がまず率先してこれに取り組み、広げていくことには意義があると考えております。

(問)コンテンツ産業支援法人の設立検討ということでお伺いします。これまでクールジャパン機構だったり経産省がコンテンツ系を主導してきたと思うのですけど、役割分担というかすみ分けというのを大まかにどう考えているか。

(答)クールジャパン機構については経産省がおやりになるということで、所管外なので経産省に聞いていただきたいと思っています。今、経産省において、これから総括に向けて整理をしていると承知しています。新たにできる法人、支援体制につきましては、これは官民ファンドではなくて、支援に特化した体制でございまして、そのために、まずは一元的に、例えば個社では取り組みにくい海賊版対策ですとか、重点国への売込みのサービス提供、こういうことを考えております。また、今まで支援が総務省、経産省、文科省と分かれておりましたので、それを一元的に最適化して、なるべく効果を上げられるように、そういう体制にしていくと。クールジャパンは食もやっていましたし、その他いろいろなものを扱っておりましたけれども、今回はコンテンツに限るということでございまして、全く違うものと御理解いただければと思っています。

(問)冒頭発言にもございましたけれども、MMXに関しまして、打上げを御確認になられての御感想、それから、国として大型の科学探査ミッションに取り組む意義をどうお考えでしょうか。最後に、H3ロケットは10号機の節目を迎えましたが、民間移行に関しての御見解をお願いします。

(答)H3ロケットは打上げ成功いたしまして、これ大変に喜ばしいことだと考えております。火星のサンプルリターンというのは世界初の取組でございますから、今、宇宙産業、様々国際競争が厳しい中で、我が国の競争力の確保という意味では非常に意義が大きいものと考えております。御覧のように、宇宙というのは日常生活にも、産業にも、そして防衛にも、安全保障にも、インフラでございますから、そこでしっかり宇宙産業のこれからの発展にも、こうした実績が、H3ロケットの信頼性を増すことが、非常に重要だと思っております。民間移行につきましては、JAXAと民間事業者の皆様がこれから検討をしていくというように承知をしております。

(問)相次ぐ企業へのサイバー攻撃についてお伺いします。民間のサイバーセキュリティ機関などがAIを使った痕跡を確認したとの分析結果も出しています。政府の調査ではAIを使っているかを含めて攻撃の背景として何か分かったことはありますでしょうか。また、企業に対する注意喚起以上の新たな対策について、大臣どのようにお考えでしょうか。

(答)民間のサイバーセキュリティ機関の報告書等において、攻撃者がAIを利用してサイバー攻撃を実施していたとの痕跡を確認したと発表したことは承知しております。国家サイバー統括室としても、関係省庁等からの情報収集に加えて、被害企業からの直接のヒアリングを行っているほか、攻撃へのAIの利用を示す専門機関の分析結果も踏まえまして、AIの悪用可能性や具体的な利用の状況、それぞれの事案の背景や、それから相互の関連性などについて詳細な分析を今進めているところでございます。政府では、サイバー攻撃の手法とか脆弱性に関する情報の集約分析を通じて得られた結果を活用いたしまして、引き続き注意喚起を行うとともに、企業が具体的な対策を講じられるように専門機関と連携をして必要な情報提供を行い、被害の未然防止、拡大防止に取り組んでいきたいと考えております。

(以上)