デジタル庁コンプライアンス委員会(第4回)
デジタル庁は、我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現を目的とするデジタル社会の形成の司令塔となります。デジタル庁に対する国民の期待は非常に大きく、デジタル庁は極めて重い職責を負っています。
デジタル庁がその職責を全うし、国民の期待に応えていくためには、デジタル庁で働く全ての者が、その有する専門的な知識又は技能を存分に発揮しながら、創造的かつ自律的に行動していくことが求められます。他方で、デジタル庁において、職務に関連して違法又は不適切な事務処理が行われるなど、国民の期待を裏切ったり、国民の疑念を招いたりすることは、絶対にあってはなりません。
そこで、デジタル庁には、外部の弁護士、公認会計士等からなるコンプライアンス委員会が設置されており、随時又は定期的に会議が開かれています。
本日の会議では、誓約書の提出状況、今年度の研修の実施計画等について、活発な議論や意見交換が行われました。
本日の議論等の結果については、デジタル庁における各種規範やルール等の策定にしっかりと反映させてまいります。
概要
- 日時:令和4年(2022年)7月22日(金)13時00分から14時30分まで
- 場所:デジタル庁共用中会議室
委員会構成員
(五十音順、敬称略)
構成員
- 名取俊也(ITN法律事務所 弁護士 パートナー):委員長
- 遠藤紘一(デジタル庁参与)
- 梶川融(太陽有限責任監査法人 代表社員 会長)
- 國領二郎(慶応義塾大学総合政策学部 教授)
- 芝昭彦(芝・田中経営法律事務所 弁護士)
- 藤森恵子(ASIMOV ROBOTICS株式会社 代表取締役/公認会計士)
資料
関連政策
議事要旨
議事次第
- コンプライアンスに係る各種取組の推進状況について
- 令和4年度中の職員のコンプライアンス研修の実施計画について
- その他
議事概要
各議事について、事務局から内容の説明がされた後、議論が行われた。主な意見等は以下のとおり。
コンプライアンスに係る各種取組の推進状況について
- 適用除外を始めとした入札制限のルールにより、必要な情報収集や情報交換は妨げられるとか、やりにくさがあるとか、そこがバリアになって必要な仕事ができないということがないようにすべき。これまでのところ、そのような実態は把握されていないということだが、引き続き、状況を注視しておいてもらいたい。
- 入札制限のルールに係る判断に迷うような事例については、積み上げと、気軽に相談できる相談窓口の周知が大切なので、よろしくお願いしたい。
- 良いプロジェクトを完成させる観点からいうと、スタートの時点で入札制限のルールが守られているかどうかだけではなく、仕様が不十分であったとか、プロジェクトの目的が果たせていなかったといったようなことが起きていないかということを、事後的にきちんとチェックしていくことが大切だと思う。
- 入札制限のルールは、昨年のデジタル庁発足時にかなり議論をして導入されたわけであるが、本日の各委員からの発言にあったとおり、これがあることにより、民間の有益な知見が反映されなくなるとか、民間企業からデジタル庁に人が来なくなるといった弊害も懸念されるところ。引き続き、運用の実態について注意深く見ていく必要がある。
- 内部通報制度の実効性の確保はコンプライアンスの観点で極めて重要である。通報することで不利益を受けることはないといった点や具体的な通報先、通報手段等について、職員への周知徹底に改めて配意してもらいたい。
- 組織の自浄作用を機能させるためにも、内部通報に係る取組を進めてもらいたい。
令和4年度中の職員のコンプライアンス研修の実施計画について
- オンライン研修に関し、実際に何人の職員が視聴等したのかを把握できるようにした上で、次回以降の研修計画に反映させていくべき。
- 研修の内容については、これまで役所で働いてこなかった民間企業出身の職員に特に受けてもらいたいものであると思われるので、民間出身の職員がどの程度受講しているのかを把握して次回以降に活かしてほしい。
- 民間企業の方との情報交換が必要となることもあると思うが、会食を行う場合には費用負担の点に十分留意した上で、適切に行ってもらいたい。
その他
(事務局より、デジタル庁発足から10か月余りの組織作りの歩みと課題、それを踏まえた改革の取組等について紹介)
- 年度末にかなりの数の職員が離職したとの報道があったと思うが、事実としては契約満了前に離職した職員は2名であったとのことで、少しほっとした。広報や報道対応等は、適切、的確に行っていくべきだと思う。
- デジタル庁のバリュー等を実践している個人を表彰する取組は、コンプライアンスの観点からも効果が期待できる良い取組であると思う。
- コンプライアンスを徹底するためにも、アジャイル開発などに適合した調達の在り方を検討すべきではないか。
- 昨年の組織サーベイの結果は必ずしも良くなかったようであるが、そこで浮かび上がってきた課題を踏まえ、政務を含む全職員参加型のオンラインミーティングの開催や、上司と部下との1対1での対話の定期的な実施など、様々な取組を進めている点は評価したいので、引き続き、頑張ってもらいたい。
以上