データ戦略推進ワーキンググループ(第2回)
概要
- 日時:令和3年(2021年)12月2日(木)10時00分から11時30分まで
- 場所:オンライン
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- 包括的データ戦略の検討の方向性
- データ取扱いルール実装の検討状況
- 準公共・相互連携分野および分野間連携基盤の検討状況
- 意見交換
- 閉会
資料
- 議事次第(PDF/56KB)
- 資料1:包括的データ戦略の検討の方向性(PDF/3,887KB)
- 資料2:プラットフォーム(PF)におけるデータ取扱いルールの実装ガイダンスver1.0(案)のご報告(PDF/1,298KB)
- 資料3:準公共・相互連携分野および分野間連携基盤の検討状況(PDF/3,645KB)
- 議事概要(PDF/316KB)
参考資料
関連政策
議事概要
日時
令和3年(2021年)2月2日(木)10時00分から11時30分まで
場所
オンライン会議
出席者
- 牧島かれん(デジタル大臣)
- 小林史明(デジタル副大臣)
- 山田太郎(デジタル大臣政務官)
- 赤石浩一(デジタル審議官(主査代理))
- 砂金信一郎(LINE株式会社執行役員AIカンパニーカンパニーCEO)
- 遠藤信博(一般社団法人日本経済団体連合会サイバーセキュリティ委員長
/日本電気株式会社取締役会長)※欠席 - 太田直樹(株式会社New Stories代表取締役)
- 越塚登(東京大学大学院教授)
- 後藤厚宏(情報セキュリティ大学院大学学長)
- 佐藤創一(一般社団法人新経済連盟政策部長)
- 下山紗代子(一般社団法人リンクデータ代表理事/インフォ・ラウンジ株式会社取締役)
- 庄司昌彦(武蔵大学教授)
- 手塚悟(慶應義塾大学教授)
- 村井純(慶應義塾大学教授)※欠席
- 渡部俊也(東京大学未来ビジョン研究センター教授)
- 江崎浩(デジタル庁CA)※欠席
- 藤本真樹(デジタル庁CTO)
- 平本健二(デジタル庁データ戦略統括)
- 楠正憲(デジタル庁統括官(デジタル社会共通機能担当))
- 村上敬亮(デジタル庁統括官(国民向けサービス担当))※欠席
- 成田達治(内閣官房デジタル市場競争本部事務局次長)
- 根本朋生(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長参事官(社会システム基盤担当))※代理出席
- 田中茂明(内閣府知的財産戦略推進事務局長)
- 佐脇紀代志(個人情報保護委員会事務局審議官)
- 大村真一(総務省情報流通行政局情報通信政策課長)※代理出席
- 坂本秀敬(文部科学省大臣官房政策課サイバーセキュリティ・情報化推進室長)※代理出席
- 野原諭(経済産業省商務情報政策局長)
議事概要
冒頭、政務三役より、開会にあたって以下の挨拶があった。
- 牧島デジタル大臣:デジタル改革、規制改革・行政改革を一体的に実行して、今日の我が国のふさわしい国、そして地方制度の在り方、システムの構造変革を進めて、国民や地域に寄り添うとともに、個人や事業者がその能力を最大限発揮できる社会をつくっていく。このためには、データが信頼性を持って流通する環境整備があること、データが分野を超えて連携して価値を生み出す仕組みの整備があること、社会の基盤となるデータベースの整備が行われていること、以上3点のデータの視点が不可欠。
前回の議論にて、ユースケースを意識して、ユーザー目線でKPIや時間軸をしっかり設定して進めていくようにと御意見をいただいており、これらを引き続き念頭に置きながら議論を深めていきたい。今回の議論は、12月中下旬目途に策定予定の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」にも反映し、データ戦略を着実に推進する。
- 小林デジタル副大臣:デジタル庁の最初の役割というのは、行政分野を中心に、この国全体にデータを流通させる新しいインフラを作ることであり、そのインフラを誰に使っていただけるのかということをイメージしながら今後具体化を図っていくことがポイントである。
- 山田デジタル大臣政務官:トラストサービスについて、DFFTの流れの中で、欧米型を選ぶのか日本独自のものにするのか、具体的な立ち位置を決めていく必要がある。また、電子署名等を含めて、いわゆる権限認証というものがどうあるべきかということを、DFFT、ウィズトラストでご議論いただきたい。
1. 包括的データ戦略の検討の方向性
資料1に基づき事務局より、包括的データ戦略の検討の方向性について説明があり、構成員より主に以下の発言があった(欠席した村井構成員、遠藤構成員のご意見について参考資料2及び参考資料3に基づき代読)。
- トラストやプラットフォームなど、様々いま考えているものを、いかに実装していくかというところまで考えておく必要がある。
- プラットフォーム整備にあたって期待効果と実現度というものがあるが、大きなTo Beの図を描くのか、個別具体的なケースを点検するのか、ハイブリッドで検討を行っていくのか、最適なアプローチ方法を整理しなければならない。
- 時間とユーザー視点の両方の観点を逆算して整理していることは良いが、KPIやユーザー設定の仕方がまだ粗く、もう少し詳細化していくことができれば非常に実行力のあるプランになる。
- ゴールへどれほど近づいているかということをKGIで測り、個別の施策のパフォーマンスを測るためにKPIを使うというような区別が必要である。
- 評価指標について、国民目線、国民の受益価値での指標は最も重要であり、また、ある種中間変数かもしれないが、バックエンド部分のインフラ面での指標も同時に重要である。
- ベース・レジストリが整備されていくと、自動的に負荷なく最新のデータを取得できるという世界になるため、統計データの自動生成のようなことを考えられないか。
- ベース・レジストリにおいて、個人情報保護法など法的に問題になることがないかということを検討する必要がある。また、目指すべき姿との関係で見たときに、今あるデータで粒度として足りているかという面にも留意すべきである。
- 事業者のベース・レジストリについて、危機対応や手続きの効率化ということだけではなく、日頃の企業におけるビジネスにおいても必要なものであるため、オープンデータとして整備していただく必要がある。
- 事業者と土地に関するデータについては、民間側でも多大なコストをかけて名寄せやクレンジングをしている領域であり、ベース・レジストリの整備をこの領域から着手するというのは非常にわかりやすくてよい。いつ頃整備されるかということが工程表・ロードマップとして示されるとインパクトがある。
- トラストについて、人のトラストをどう考えるかということや、海外でのICAM(Identity, Credential, and Access Management)の議論など、関連する動きとの関係を確認すべきである。
- トラストについて、EUや米国の大きなアーキテクチャの考え方が色濃く出てきている。クラウド・バイ・デフォルトから入るという考え方はあるが、転々流通するデータはクラウドだけでは実現できない部分もあり、データの完全性、真正性、なりすましといったものがセットで動くため、どのようなアーキテクチャで分野を考えていくかという観点が必要である。
- トラストを分野で分けるとデジタル安全保障とデジタル社会保障という大きな分類があり、それぞれ概念、アーキテクチャの整理が必要となるが、そこで具体的なPoCに相当するような実証を行う際には、トラストだけでなく他の取組と一体となって具体的にトラストを適用させて実装を試みるということが必要である。
- トラストは、民間の立場からすると、訴訟においての安定性と、海外との契約等を行う際に相互に使用できるということが満たされていることが重要である。また、クラウド型の電子署名サービス等が排除されないようにするということも重要。
- データ品質について、ガイドブックとツールをどのように運用していくかを決める必要がある。特にベース・レジストリに指定されたものについて品質を測って改善を求めていく必要があるが、内部でしか評価できないものもあるため、公開を求めるなり強制力を持って進める必要もある。
- デジタルは行政の効率化だけではなくて、ウェルビーイングやサステナビリティにつながっており、例えば農水省のスマート農業や環境省の循環共生型都市のような動きを地方から実務的に動かしていくなどして、明確に示していくのが良い。
- データの機械判読性を意識することは重要だが、権利的に問題がないかということを、2021年から2025年くらいの時間軸で整理すべきである。
- ユースケースは単にニーズ調査を行うのではなく、自分事として考えられる方々がきちんと意見交換できるラウンドテーブルのような場を設定し、データを使う人と出す人が対話しながらアウトプットを継続的に出していくことが有効と考えられる。
- 災害やパンデミックのデータは既に必要であることが顕在化しており、台帳のデジタル化や官民でのデータ共有などといったことを進めていく必要がある。
2. データ取扱いルール実装の検討状況
資料2に基づき渡部構成員より、データ取扱いルール実装の検討状況について説明があり、構成員より主に以下の発言があった。
- ガイドラインは様々な業界に多数存在しているが、ここでのガイダンスはそれらと整合できるような構造にすべきであり、それを整理していくプロセスが必要である。
- 組織におけるデータ取扱いのガバナンスが課題であり、各分野に存在するガイダンスとの相互関係や位置関係、役割分担といったことを一目で確認できるようなダッシュボードのようなものがあると良い。
- データ取扱いルールについては、実装やアーキテクチャの側とよく連携していかなければ意味がないものになってしまうため、そういった連携が図れるような体制を整えていくことが重要である。
3. 準公共・相互連携分野および分野間連携基盤の検討状況
資料3に基づき越塚構成員より、準公共・相互連携分野および分野間連携基盤の検討状況について説明があり、構成員より主に以下の発言があった。
- 今はサブワーキンググループ等でそれぞれが分かれて検討を進めているが、実装を進める上では、トラスト、ルール、準公共、分野間連携、といったものが連携して、一体化していくことが必要である。
閉会にあたり、赤石デジタル審議官、政務三役より以下の挨拶があった。
- 赤石デジタル審議官:中国や欧州などでもデータ利活用の動きが活発化するなか、いよいよ日本でも本格的にこのデータ戦略の議論を実装すべき段階に入っている。ユースケースの検討について産業界にも働きかけて世界並みのコンソーシアムを作っていったり、EBPMの議論の中で公的なデータの整理を進めていったりなど、関係者を巻き込んで海外に負けない流通データ大国を作っていきたい。
- 山田デジタル大臣政務官:もう議論のための議論というフェーズではなく、ビッグピクチャーに加えて具体化するということをより加速化して進めていく必要がある。
- 小林デジタル副大臣:具体化のアクションについては、アイデアソンやハッカソンといったことを行い、参加者の皆さんから知恵をいただくことで、東京都のような様々な取組が出てきたり、新しい仲間も増えてきたりという良い循環を作れると思う。
- 牧島デジタル大臣:DFFTについてチームが立ち上がったが、今日の議論を伺いながら、民間や有識者の皆様方からのお力も必要だということを感じている。また、準公共分野の「こども、教育、防災」については進んできているものの、「医療、健康」については関係者も多く、また、皆様の関心も高い分野であるため、国民目線で考えるということをしっかりと伝えていきたいと思う。
以上