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デジタル関係制度改革検討会 テクノロジーベースの規制改革推進委員会(第2回)

概要

  • 日時:令和6年(2024年)5月24日(金)13時00分から15時00分まで
  • 場所:オンライン開催
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. 事務局からの説明
        • 構成員の変更について
      2. 事務局からの説明
        • 「テクノロジーベースの規制改革」の進捗及び当面の進め方
      3. 意見交換
    3. 閉会

資料

議事録等

開催日時

令和6年(2024年)5月24日(金)13時00分から15時00分まで

場所

オンライン開催

出席構成員

座長

江崎浩(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授)

構成員

  • 岡田有策(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授)
  • 小川恵子(EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 バンキングキャピタルマーケットリーダー レグテックリーダー パートナー 公認会計士)
  • 荻野司(一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会 代表理事)
  • 加藤真平(東京大学大学院情報理工学系研究科 特任准教授)
  • 川原圭博(東京大学大学院工学系研究科 教授)
  • 川端由美(ジャーナリスト 戦略イノベーション・スペシャリスト)
  • 島田太郎(株式会社東芝 代表執行役社長 CEO)
  • 鈴木真二(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールド 所長 東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授)
  • 豊田啓介(東京大学生産技術研究所 特任教授)
  • 中村修(慶應義塾大学環境情報学部 教授)
  • 平本健二(独立行政法人情報処理推進機構 デジタル基盤センター センター長)

議事録

須賀参事官: それでは、時間となりましたので、第2回「テクノロジーベースの規制改革推進委員会」を開会いたします。

今回も構成員の皆様にはオンラインでご参加いただいております。後半にまとめて意見交換の時間を設けておりますが、これまで同様にWebexのチャットも活用しまして、説明の最中などでも随時出席者の皆様からのご質問、ご意見を承っておりますので、遠慮なくご投稿ください。

また、今年度におきましても、この委員会の座長は引き続き東京大学大学院情報理工学系研究科教授の江崎先生にお願いをいたします。

では、これ以降の議事進行につきまして、江崎座長、よろしくお願いいたします。

江崎座長: どうもありがとうございます。今年度も引き続き座長を仰せつかりました、江崎でございます。どうぞよろしくお願いします。

また、皆様方には大変お忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。厚くご礼申し上げます。

本日の議事は、次第のとおりでございます。まず、本委員会の構成員の変更について、事務局からご報告をお願いします。須賀さん、お願いします。

須賀参事官: 資料1に本委員会の構成員、オブザーバーのリストを表示しております。お申出によりまして、早稲田大学の遠藤教授、それから東大の染谷教授は昨年度限りでご退任となりました。

ご報告は以上でございます。

江崎座長: ありがとうございます。

また、本日は事務局からテクノロジーベースの規制改革の進捗及び当面の進め方についてのご説明をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

須賀参事官: ありがとうございます。

今年度初めての委員会でございまして、昨年度中に実施したことを全て包括するような内容にしておりますので、資料が若干大部になっておりますが、なるべくコンパクトにご説明させていただければと思いますので、お付き合いください。

画面に資料2を共有させていただきながらご説明いたします。委員会の開催趣旨や検討事項は引き続きという形で割愛させていただき、テクノロジーベースの規制改革の全体像ということで、そもそものところを若干振り返りまして、なぜこんなことをデジ庁がやり始めたかと言いますと、規制を1万条項見直すために各規制所管府省庁に見直しのための工程表をお作りいただく中で、まずそもそも使える技術があるのかどうかを探すのが大変だ、技術の探索が大変だというご指摘がありました。それから、技術が仮にあると言われても、いきなりそれを使っていいですよと規制を変えるのは難しく、特に安全規制などは事前に性能の検証が必要で、これを個別に実施するのはすごくコストがかかるというご相談がありました。こうしたことから、デジタル庁でなるべくその辺りの知見をまとめて引き受けることができればということで、テクノロジーマップ、技術カタログ、そして技術の検証の事業を取りまとめるという作業をやってきたという経緯でございます。

次のページに、もともとデジタル臨調の下に作業部会として立ち上げて、その下にテクノロジーベースの規制改革推進委員会というものを設置し、6回のご議論にお付き合いいただきました。その後、デジタル臨調がデジタル関係制度改革検討会というデジタル庁の中の恒久的な検討会として改組されましたことに伴いまして、このテクノロジーベースの規制改革推進委員会もその下にそのまま移動して、今回2回目の開催となっております。

1から5にお示しした順番に簡単に進捗のご報告をさせていただきます。5ページまで飛びまして、まず技術検証でございます。32の技術検証を企業の皆様と一緒にやってきて、それから、各省も経産省、国交省、内閣府、大分県、環境省、農水省、総務省と多岐にわたる方々と連携のうえで、技術検証事業を実施してまいりました。その成果が取りまとめられていますので、次のページから少し文字が細かくなりますが、かいつまんでご報告させていただきます。真ん中の「実証の結果概要」というところが結果の記述になっておりますので、ご関心を持っていただける項目があれば、後で読んでいただければと思います。

私からは、上から3つ目の日本建築設備・昇降機センターさんの事例をまずはご紹介したいと思います。これは検査員が目視で実施している遊園地の観覧車やジェットコースターの定期検査においてドローンなどを活用できないかという実証であり、結果として人の検査と同等以上の検査精度を確保できるということを極めて精緻に検証しました。さらに、検査員が高い所に上ったり、挟まれたりということで危険を伴う検査でありますので、そのリスクの大幅な軽減というものも見込まれます。特に足場を組んで高所作業車でも届かないような所まで上らなければいけないような場合などに非常にドローンの検査が効率的であるということも確認されたという事例でございます。

それから、同じページの一番下のNTTデータさんの事例もご紹介します。これは災害が起きて住宅に被害が出た時に、その被害認定をするための調査を実地で実施することが義務付けられているわけですが、今回は水害を対象として空撮の画像などを用いて浸水範囲を推定・特定しまして、この認定に関わる浸水深も含めて判定の効率化・迅速化ができないか、という検証を行い、実際に可能であるという結論が出たものであります。それぞれの自治体がこういったシステムを使いこなせるようにするのにはなかなかハードルがあり、そこが課題であるとされていますが、例えば明らかに床上1.8メーター以上の浸水があり、2階まで浸水していると想定できるようなところは、地区全体を一括で全壊の判定とするということも可能であるという検証結果を得ました。

次のページに参ります。日本建築設備・昇降機センターさんの2つ目の検証の事例でございまして、こちらはその名のとおりエレベーター、昇降機の定期検査に保守点検ツールを使って、検査員が目視で点検をするのと同等の精度でブレーキやスイッチの作動状況の確認などが可能かという検証を行い、一般的に入手可能な汎用品を活用することで評価の観点を全て満たすという確認をしております。さらに、検査員がエレベーターの中に入って点検を行うと危険性も高いことから、このツールを使ったほうが検査の安全性が向上するということが確認されています。

この日本建築設備・昇降機センターさんの報告書では、結果を踏まえて具体的な規制の改正案まで出されており、意義の大きい事例と考えております。

その次が理研計器さんの事例です。これもガス事業者が1日1回測定をしなければいけないとされている、どういうガスが今ここにあるのかというガスの特性の判断に関して、常時監視によって精度高く判定できるのではないかという検証をしていただきました。精度が十分であること、かつ長期にわたってその精度を維持でき、効率的に判定ができるということが確認されたという事例でございます。

それから、同じページの下から2つ目のモルフォAIソリューションズさんの事例もご紹介します。これは大分県との連携のもと実施をした検証でございますが、大分県の企業局の発電所職員の方々が水力発電所を巡視し行っているアナログ計器の読み取り作業に関して、この計器の中の数字を遠隔で読み取り、誤差・エラーの有無を確認した検証です。この誤差・エラー率が非常に低く、人による現行の確認作業と同等の精度でできることが確認されましたが、暗所だとエラーが生じやすく、照明の装置の工夫、あるいは読み取る側で明るさの変化に応じた設定をするなどの対応が必要であり、これを課題として抽出しています。

続きまして、次のページですが、一番上のNTT e-Drone Technologyさんの事例は、南極の観測をするのに目視での実地調査を行う規制に対して、ドローンでの代替可能性のため、主にマイナス40度ぐらいの寒冷地でドローンが正常に飛行するかの検証として、南極の環境を再現した人工気象室でも実験を行い、さらに北海道の積雪のある環境でも実証しています。この結果、南極での動作は問題がないという判断がなされておりまして、さらに人による調査よりも効率的である。さらに、ドローンで飛ばしておくと、その後、データを使って3Dモデル化や俯瞰の画像が撮れるといった付加価値もありましたというご報告をいただいております。

それから、その次が今回、実証事業に参加された企業が連名で5社いるという特徴的な事例で、これも大分県との連携で実施したものですが、これは特別保護樹木という木を指定するときに、現行は指定のための情報把握のために実際にその木を見に行くという実地調査を行っているところ、ドローンなどで必要な情報を取得できるかという検証をしています。地上から計測を行うしかなかった従来手法と比べて精度が向上するとみられる項目もある一方、樹木の種類を自動判定には学習データの不足も指摘されており、データの充実が課題とされています。加えて、木が傾いてくるというのが管理上の問題なわけですけれども、傾きを常時監視する場合の課題は通信の障害との特定もされています。

それから、一番下のKDDIスマートドローンさんの事例でございますけれども、この検証は、対象となる法令を3種類、今、ご説明した大分県の樹木の認定と、自然環境保全法と自然公園法という別々の規制に対して共通のソリューションで対応ができないかという大変意欲的な検証です。

寒冷地や冠雪、通信環境の悪さといった厳しい環境、それから複雑な地形などでも動物の生息状況や国立公園などの利用状況、駐車場の車の台数の計測、それから鳥の数の測定など、色々な調査・確認が規制で求められている中で、いずれも必要な情報が概ね取得ができたと報告されています。今後の課題として挙げられたのは通信の安定性と電源の確保、それからドローンを使用する際の、鳥の忌避行動というのが確認されたということでありまして、この辺りが課題なので解決していきたいという報告がありました。

次のページの上から3つ目のFairyDevicesさんの報告を共有しますが、これは首かけ型のウェアラブルデバイスを使い、遠隔で立入検査の業務を一般に代替できないかということを検証したものになります。現場を訪問する検査員が今は2名プラスアルファで実施しているところ、最終的には1名、0名と検査に必要な人数を減らしていけそうだということが分かりました。それから、最も希少な資源である熟練者が現場に移動するというコストを最小化することも確認できましたということ、さらに動画を撮っておけるということで、常に撮りに行くのと見るのを同時にやらなくても非同期で現場の作業確認ができるということもメリットとされています。

このように、他の事例も含めて検証の報告書は非常に力作揃いでございまして、大変興味深いものですから、参考資料として各事業の報告書の概要をまとめたスライドをお示ししておりますので、ぜひご覧いただければと思います。

13ページまで飛びますけれども、全体を踏まえまして、幾つかインサイトがありますということでご紹介します。まずこの類型の対応として技術を実証しましょうと言ってご提案をいただいたものの、その他の類型にも横展開できそうだねというかなり幅広い展開の可能性が確認できたものがありました。それから、規制の中に必ずしもどのぐらいの精度を達成してくださいと書かれていないものも含めて、人がやるときの精度と比較した緻密な議論をしていくことができ、特にドローンが目視の難しい高所などで非常に効果的ということも含め、技術の有用性が確認されたのは大変意義がありました。さらに、幾つか申し上げましたが、検査員の方が現場で危険性のある場所での作業を強いられることが結構多いものですから、そこの安全性の向上という面も大きなメリットとして挙げられます。最後に、様々な意味での作業時間やコストの削減という効果が見られる場合もございました。

他方で、その下に課題や留意点と書いていますが、逆に現時点では運用コストが上がってしまうという場合も見られました。例えばドローンも操作するのに今、2人要りますので、現地に行くのが1人でやっているような検査は単純にマンパワーが2倍必要となり、そうした課題は今後の技術の成熟に従って対応されることが期待されます。また、例えば防爆仕様のドローンの製品化がされておらず、防爆が必要なエリアでの利用はできないといった、今後こういう機能が欲しいねというのもいくつか確認されました。それから、ドローンの事例が非常に多かったのですが、飛行許可や承認手続といった従来の手法にはない新たなステップがありますので、ここに追加オペレーションが発生するというのも課題です。それから、AIでの自動判定をすすめようとすると十分な学習データの確保が課題で、これは規制が縦割りになっていると学習データの収集も分断されますので、大くくり化をしてみんなで学習データを共有していくということに意味があるのかなと思いました。

以上を踏まえまして、次のページからはさっと流して見ていただければと思いますが、それぞれの事業で確認をしたテクノロジーが具体的にテクノロジーマップ上どこに当たるものだったのかということを技術検証の類型・事業ごとにそれぞれマッピングしたものです。つまり、技術検証事業とテクノロジーマップを重ね合わせるという作業をしております。18ページまでそれが続いておりまして、19~20ページで今回の技術検証によって新たにここはこの技術でカバーできそうだと確認されたものをマップ全体の中に赤枠で示しております。今、2枚目をお見せしていますが、どちらもテクノロジーマップのパターンの1と2の違いで内容は同じでございますが、この赤枠の部分は今までは白抜きの技術対応が書かれていませんでしたが、今回、新たにカバー範囲として書かせていただいたもの、それから、黄色は新規に技術として追加をしたもの、投影資料ではほぼ読めなくなっていると思いますが、公表しているウェブサイト上ではしっかりと見ていただけるようになっております。

21ページが、もともと我々が大変気にしていた、公募に対してご提案いただけなかった条項というのが8.9%ほど全体の中でございました。これの原因究明も引き続きいろいろな方に相当ヒアリング、アンケートなどをしまして、何が悪かったのでしょうかということをいろいろ検証してみました。今まで仮説として持っていたことが補強されたという程度で、あまり新しい追加の観点というのは見つからず、今までもご報告しましたものと同様、ご提案がなかったからといって技術がないということではなく、技術が一定程度見つかるものは確かにございました。他方で、ヒアリングをしてみますと、技術はあるのだけれどもネックはそこではなくて、そもそもそういう業務の需要が低く、事業としてビジネス展開の可能性まで考慮すると、費用対効果が見込めないということでご応募されなかったという事案が結構ございました。

それから、もう一つが我々の反省というか、ここはまさにデジタル臨調的な概念で進めるべきだと思いますけれども、必要となる性能基準が十分具体的でなかったというのは確かに一因でした。したがって、自社の技術が技術検証事業で活用可能かどうかの判断が難しいという声もございました。

それから、もう一つ下も我々の反省ですけれども、公募期間が短過ぎるとか、急過ぎるということで、技術の有無などではなくて普通に工数等の関係でご応募がいただけなかったものも幾つかございます。そして、その次が本質的ですが、仕様書上で求めている水準を満たすような技術がまだないということももちろんございます。

以上のように、単一なこういう理由だったというインサイトは抽出できなかったことと、それから規制を所管する側は技術が欲しいと思っているけれども、技術をお持ちの側が見つかっていないということが結構広範囲にあるのであれば、そういった技術代替のニーズがある領域だけのテクノロジーマップというのを作るのも一案かなという議論も出ていましたが、マップを作るほどの量でそういった分野がまだ見つかっていないということで、一旦こちらのテクノロジーマップの分岐版みたいなものの作成というのは見合わせたいなと現時点では思っております。

次のページからが、カタログのお話になります。24ページに全体のカタログの公募の結果、類型をまとめております。これは今までご説明したとおりで、テクノロジーマップの縦軸をほぼカバーする形で、技術検証を伴わずにいきなりテクノロジーを使っていただけるような類型については公募してきたということで、25ページがご応募を実際にいただいてカタログに掲載するに至った件数のまとめでございまして、177件が現時点でデジタル庁のホームページにカタログとして掲載をされております。その中でスタートアップ企業が約半数、今、82件で46%ですが、そのぐらいの数はスタートアップのサービス、製品が占めているということになります。

次のページですが、類型の②まではこれまでも縷々説明してきましたので、③から⑦までの公募結果を具体的にそれぞれまとめておりますけれども、まず類型の③と⑤が突出してご応募が多かったのですが、③も現在、40件以上がカタログに掲載されておりまして、ドローンが大変多くなっております。狙いどおりであったということです。

さらに、ドローンで広域の状況の把握をするときに、データを取得するだけではなくてさらにAIを活用して分析をする、判断をするというところまで機能としては多く見られたということでありました。他方で、脆弱性検査をしていらっしゃらないサービスが結構多いという感想を全体として持っておりまして、この広域把握についても国内外で通用しているガイドラインに準拠したもの、というよりは独自の基準で脆弱性検査していますとおっしゃる方が多かったということでございます。

それから、右側の実地の調査でございますが、もちろん応募も色々いただいたのですけれども、主にコミュニケーションや情報共有のプラットフォームというものが多くて、真正性の担保の機能や分析判断機能については応募が比較的少なかったと思っております。

他方で、脆弱性検査のところはガイドラインに準拠した脆弱性検査を実施している場合が多かったということであります。さらに、登委員からご指摘をいただいて追加した点ですが、利用者の救済に充てる責任財産は海外企業がどのぐらい担保して持っているかということの確認も質問として追加したのですが、海外企業1社からご回答があったものの、この情報は非公開を希望されています。

次のページがその次の3つの類型でございまして、一番多かったのが類型⑤で59件となっておりますが、これもまたドローンなどが入ってきますが、劣化の状況の確認などをするということで広くご応募をいただきました。脆弱性検査の実施割合は6割弱でございました。それから、見張りに関しても異常検知のための技術について多岐に渡る製品・サービスをご応募していただきまして、異常検知したら必ず通知をするという機能までほぼセットで具備しているということが確認されました。脆弱性検査は8割強のプロダクトが実施しておりました。

それから、類型の⑦番の測定・分析ですが、基本的に全ての技術は測定・分析機能を持っていて、そのうちの大部分は判断機能まで持っているということでございました。自動測定機能を有する技術の中では大部分が自動で校正をする機能まで持っていたということが確認されました。ただ、脆弱性検査の実施割合は5%弱となぜか著しく低くなっております。また、一番下の損害賠償の上限や免責の規定があるかという設問に対しては、特段の定めなしや個別の契約による、あるいは賠償しないというご回答もございました。これは測定・分析機能の方も大変多くなっておりました。

28ページでございますけれども、カタログ掲載に至ったものは177件でございますが、事務局としてはそこに至るまでに585件のお問合せをいただいて、個別にやり取りをして会話をしてまいりました。これは大変な作業であったわけでありまして、そういったことで我々の側も知見が溜まってきてありがたかったわけですが、主な問合せ内容をお互いに書いております。

そして、29ページ以降が、今回、技術検証の事業が一通り終わったことを踏まえまして、得られた知見をカタログにも取り込む作業を進めるときに、個別の技術の分野をマップに載せるだけではなくて、カタログの質問項目にはないものの、検証後に必要性が分かってきた機能というものが幾つかあります。それをこのページにまとめておりますが、例えば一番多いのが、右側の「新規機能」というところに書いていますが、改ざん防止の機能というものはやはり相当重視をするべきだということで、講習・試験、往訪閲覧・縦覧、そして目視等のそれぞれについて、新規の機能としてカタログの質問項目に追加をすることにしたいと思います。

それから、実地調査は位置情報を取れるかということが非常に重要だということで、それを追加したいと思っております。それから、一番右側の「既存機能」と書いているのは、事務局の理解ではもともとこういう機能をこの製品は持っていますかということがカタログの質問項目に入っていましたが、その精度までは聞いていませんでした。精度が非常に重要だということが技術検証の結果判明したもので、例えば講習や試験では、不正受験、不正受講などの不適切行為をどのぐらいの割合で検知できるかという数字が必要とされました。広域把握では、ドローンの運用限界の高さに強みを発揮するものとの関係で限界高度を確認したい、それから3Dモデリングも精度を見たい、AIモデルの判断も精度を見たいということで、精度をしっかりと確認することが使えるかどうかの判断、規制を見直して技術を受け入れていいかどうかの判断にクリティカルに重要だということが分かっております。

次のページは、以上のご説明を踏まえまして、新しい機能について具体的に実際に追加する質問の例を載せております。一番下に数字を書いておりますのは、今回、32事業やっていただいた中で、カタログにもうちの製品をぜひ載せてくださいと、検証まで経ていますので、非常に確度高く私たちもリソースを割いて精度の確認をしたプロダクトでありますので、ぜひ我々としてもカタログに掲載いただきたいと思っており、個別に声掛けをしましたところ、載せたいとおっしゃっていただいているのが17件になっております。思ったよりちょっと少なかったなというのが反省事項でありまして、後ほどその対応はご説明をしたいと思います。

次のページからがポータルサイトでございまして、もともとデジタル庁のホームページ自体をリニューアルするという話になりました関係で、次のページでございますが、テクノロジーマップの初版というのはデジ庁のウェブサイトにPDFで載っております。このPDFは非常にランディングサイトとして機能し、たくさんの方に見ていただいております。とはいえたくさんの情報量の中から検索ぐらいはさせてほしいという声をいただいております。したがって、今後、このマップを動的に見られるようにしていくということは非常に重要であると思っているわけですが、まずそちらへ踏み出すための第一歩として、ポップアップで規約への同意を確認する機能と、それからテクノロジーマップの縦軸の項目や類型の説明がマウスオーバーすると表示されるという機能を、まずは内製で機能追加をしております。

さらにその次のページで、今年度からやっていきたいと思いますが、カタログに関しても、今、エクセルでデジタル庁のウェブサイト上に載っておりますが、こちらももうちょっと利便性を高めてほしいとの意見がありまして、まずはフリーワード検索やフィルタリングができるような機能を追加しております。

さらにその次のページになりますが、コンソーシアムでございます。RegTechコンソーシアムは初め思ったように参加者が伸びずに皆様にも大変ご心配をおかけいたしましたけれども、今の時点では37ページで456名が入っていただくコミュニティーに育ってきております。一番右下の456名というのが5月21日現在の参加者の数でございます。

さらにその次のページに、少し細かくなりますが、そのうちどのぐらいの方がアクティブなのかということもデータを取って見ているようにしておりまして、アクティブ参加者の率が69.16%というのが直近の数字でございまして、比較的高いかなと思っております。さらに、ちょっとずれていますがこの赤枠で表示をしたのが、今まで事務局からの一方的な投稿が続いて寂しかったのですが、参加者の方からの投稿やリアクションが増えてきていますということで、300%以上の伸びを見せています。この成功のポイントは、RegTechミートという非常に小規模の有志による勉強会のようなものをたくさん企画したことから参加者同士のやり取りが始まって、先進的な自治体の事例をこのミートで紹介をしていただきますと、その方にSlackでDMをしてより詳しくほかの自治体の方がどうやったのですかと聞くようなやり取りが始まっているようでございます。

40ページは、どのぐらいの頻度で使ってくれていますかということで言うとSlack自体は使い慣れている方が多そうなので、41ページですが、RegTechコンソに参加していただいている目的を伺いますと、情報を手に入れたいというのはもちろん多いわけですが、そのほかにお仲間探しとか、それから新しい市場の開拓ということも期待されている方がいらっしゃって、他方で、今のところRegTechコンソの中で目的を達成していると言えそうなのは情報入手なのかなという感じにはなっております。

次の42ページは、コンソがいろいろと打ってきたイベントの中ではこのミートという一番小規模なイベントが圧倒的な支持を得ているということでございまして、ぜひ引き続きこういった現場の苦労をシェアするようなところにニーズが高そうだということが分かっておりますので、ぜひ引き続き打ち手をやっていきたいと思っております。

最後の44ページ以降が、以上を踏まえ、総括した上で今年度以降の進め方ということで、45ページは教訓について、まず技術検証は先ほどご報告したとおりですが、テクノロジーマップはもともと規制所管府省庁が活用することを想定して整備し、法律上もそういう要請で位置づけられていますが、他の方も結構利用されていて、利用者に合わせた情報の見せ方が必要そうだということが分かってきています。公募を締め切った後も引き続きカタログに載せてほしいというご要望を継続的にいただいていますが、ご自身の製品・サービスの営業をされるときにデジ庁のページを見せながら営業されるといいということを感じていただいているようであり、その様な使われ方も始まっております。

それから、技術検証結果をこれからカタログに反映していくときに、思ったよりカタログへの掲載希望がなかったと先ほど数字で申し上げましたが、反省としては、最終的にカタログへ掲載すると初めから想定をして検証事業を始めていればよかったのですが、全く別の事業として実施してしまったことから、カタログへの掲載に際して皆さん技術検証で疲れ切っているところに加えてカタログは結構質問の数が多く、それをもう一回埋め直さなくてはいけないということでハードルが高くなっているということが確認されました。したがって、今後、事業を実施するときは、最終的にはカタログに載せるようなデータも検証の中で自動的に取れるような設計をしていけばいいのかなと感じております。

46ページが、私たちが取り組んできたテクノロジーマップ関連の業務の全体像で、その中で黄色の矢印が今は手つかずなので、これから頑張っていきますと申し上げたところでございましたが、この中の赤字の「検証済技術を順次カタログ掲載」というところは、半数ぐらい載せていただけそうということであります。それから、技術検証すると言っている1,043条項のうちの過半数は規制所管府省庁がデジタル庁とは別に独自で技術検証されると宣言されたものについてのフォローアップも随時始めています。伺ってみると、Zoomで会話ができれば大丈夫だということが分かりましたという結果で技術検証と呼ばれている規制所管府省庁もあったりして、いろいろだなと思うわけですが、いずれにしても規制の見直しにつながるのであれば万々歳ですので、こちらもしっかりとフォローアップを6月に向けて実施してまいります。あとは、このカタログを営業に使っていただくということが大変ありがたい第一歩ですが、最終的にはこのカタログに載っている技術が現場で調達に繋がっていくところまで見届けたいと思っております。

次の47ページが今年度の活動方針となりますが、まず技術検証に関しては2つ、具体的に今年度取り組む案件を候補として書かせていただいております。まず1つ目が町田市と一緒にやりたいと思っているものでございまして、建築基準法に基づいて特定建築設備の定期点検ということで、目視で配管を確認するという規制がかかっていますが、これはセンサーを使えば配管の中の状態まで見られるということで、ぜひそういった検証をしてみたいと町田市さんからおっしゃっていただき、ぜひやりましょうということを考えております。

それから2つ目が、今、埼玉県とご相談をしているものですが、上に申し上げたものは建築基準法の施行規則ですから、まだルールと国としても認識をしているものですが、②の埼玉県とやろうとしておりますのは、損失補償基準の要綱とガイドラインでございます。ガイドラインに書かれている手法がアナログでありますので、そこをデジタル代替できないかというところにチャレンジしたいと、私たちとしてもぜひそちらまで手を伸ばしてカバーしたいと思っていたものを今回案件としていただき、ぜひやりましょうというお話をしています。これは公共用地を公的な目的のために取得するときに補償を当然するわけですが、その補償額の算定をするために、取得対象の現地に行って建物の実地調査をするということになっているようです。これにLiDARなどを活用し、現地に行かなくてもできるようにならないかとか、保障額の算定をより簡易化できないかといったところの検証をしていきたいと思っております。

いずれも共通しますのが、現場に近い大分県さんと一緒に実施した技術検証がいずれも大変いい成果を出していることも踏まえまして、自治体さんが抱えていらっしゃる課題に寄り添うというのが現場のありがたさという面で意味のあることだと思い、今回、現場での実装をより意識した技術検証というものに、件数を絞ってしっかりやっていきたいと思っております。

それから次のページが、マップとカタログに関しても、今、突貫で藤本CTOに機能追加をしていただいた状態になっておりますが、しっかりと充実させていきたいと思っております。まずは技術検証の事業を行う際に、しっかりとカタログに載せるところまでやっていくということ、それから、カタログがより活用されるものになるために、カタログの掲載製品がどのように使われているかということも調べてまいりたいと思っています。そもそも掲載されているポータルサイトの中にしっかりとした検索機能を追加し、UIの向上をぜひ施策として打っていきたいと思っております。

それから、コンソーシアムについても、比較的いいコミュニティーに育ってきているようですので、引き続きしっかりと発展させていきたいと思っております。

以上のご説明したことを工程表に示したのが最後の49ページになっておりますので、ご参照ください。

以上が事務局からのご説明でございます。どうもありがとうございました。

江崎座長: どうも須賀さん、ご説明ありがとうございました。非常に重要で話題になる、よいところをピックアップしてお話をしていただいたと思います。

それでは、残りの時間は意見交換の時間とさせていただきます。本件の昨年度の実績の内容に関して、それから今年度の方向性に関しまして、皆様方からのご質問、ご意見等をお伺いさせていただければと思います。もちろんお話が難しい方はチャットでのご記載でも構いませんので、どうぞよろしくお願いします。発言を希望される方は挙手機能等によりご希望を表明していただければと思います。

先にチャットで豊田先生から質問が来ていますけれども、これは須賀さんから回答をいいですか。

豊田構成員(チャット発言): 今更なのですが、今回の検証群はボランティアで実施していただいたのでしょうか。何らかの委託や発注を経ているものでしょうか。

須賀参事官: 左様でございます。我々から委託事業という形で出させていただいて、費用はこちらが持った形で検証をしていただきました。

豊田構成員: ありがとうございます。

江崎座長: ありがとうございます。

では、皆様方からほかに何かご意見、ご質問等はございますか。

それでは、鈴木先生、お願いします。

鈴木構成員: ありがとうございます。

私は福島のロボットテストフィールドの所長をしております鈴木です。技術検証について色々とデータを取っていただき、色々な新しい知見もあったということで本当にありがとうございました。ドローンが沢山使われており、個々の技術検証は当然必要ですが、共通する色々な課題があるというお話が先ほどあったかと思います。例えばデジタル機器で計測を行うということで、脆弱性の項目がありましたが、これはデジタル機器が組み込まれているシステムを使うとほぼ全て必要となるものの、それが単なる計測機器を使うところではそれほど注意が払われていない印象を受けました。

また、デジタル機器のキャリブレーションや機器の保守点検、また、それを使う人材がちゃんとスキルを持っているかといった全体を通した共通するプロセス認証のようなものが必要なのではという感想を持ったところです。

私はドローンサービス推進協議会という一般社団法人でドローンを使ったサービスの品質を向上させるという意味で、ドローンサービスJISというのを作っているところで、この間パブコメが出て今年度中には発行されると思いますが、そういったものを使ってプロセス認証も手がけていこうと思っています。こうしたデジタル計測に共通することがあると思いますが、その辺りの機器や人材、データの改ざんを防ぐといったことに共通して、みんなが守っていこうという、いわゆるプロセスをちゃんと共通化する、標準化するということが効果的だと思っております。既にそういうものがあれば、利用していただければいいと思いますし、もしないようであれば、その様なものを検討していただくことも必要だと思いましたので発言させていただきました。以上です。

江崎座長: ありがとうございます。

先に座長の帽子でなくお話をさせていただきますと、ドローンに関してのプロダクトとサービスに関することに加えて、先生のおっしゃった検査のプロセスをどうするのかということ、それからファクトリーをどうするのかということ、最後は組織としてのサイバーセキュリティがちゃんとできているのかという議論は経産省の産業サイバーセキュリティの部門で精力的にやられています。私自身もかなり深く関与していますが、その結果としては3レベルでのラベリングや、場合によっては認証をやっていくことになっています。幸い須賀さんが経産省の兼務でもあるので、この中に上手に入れていくことを議論させていただいています。説明の中で特にドローンなどのサイバーセキュリティは独自の検証ツールでやっていることが多いということが出てきていて、この次のフェーズとして先生がおっしゃったような共通の基準の中にどう落としていくかというのは、監督府省庁とも連携してやっていかなくてはいけないことだと私は思っていますが、須賀さん、どうですか。

須賀参事官: まさに座長にガイドしていただきながら、サイバーセキュリティについては、一体誰がどのぐらいやっていると十分なのかを勉強しながら検討する必要があると思っていましたが、思った以上にやっていないのだねと委員会の先生方からも言われてしまい、ここが課題だと改めて認識しました。独自の手法で実施している限りにおいては、どうにでもなってしまう面もあると思いますが、プロセスの標準化が大事だというのは私も同感でございますので、引き続きどこでやるかは別として、課題としては認識しておきたいと思います。

江崎座長: ありがとうございます。

鈴木先生、よろしいですかね。

鈴木構成員: サイバーセキュリティに関してはかなり進んでいるところがあると思いますが、検査の一連のプロセス自体、先ほど言っていたようなデータの改ざんやデータをどうやって保存するか、また、プライバシーの問題、機器のキャリブレーションや機器のメンテナンス、人材のトレーニングがちゃんとできているかなど、当たり前のことですが、この当たり前のことができないと色々な課題が起きてきますので、プロセスをきちんと標準化しておくことも必要だと思います。

須賀参事官: そういう意味では、今回、かなり規制所管府省庁の方にコストをかけていただいて、少なくとも当該特定の規制を遵守するためにはどのぐらいの精度で一体どういったポイントを検証してもらわなければいけないのかということは、エラー率が何%なら許容されるのかということも含め、相当具体的に言語化していただきました。これをぜひ一過性のものにせずに、他の規制を遵守する際にも、こういった進んだ規制所管府省庁の方々がせっかく言語化にチャレンジしてくださいましたので、それが横展開されると無駄にならなくていいと思っております。今回実施した技術検証のプロセスが全部最終報告書にまとまっておりまして、今、概要として代表的なものをご説明しましたが、もっと本格的に分厚い数百ページのものが出てきております。これをぜひ知見として消化するという作業を鈴木先生にもお力をお借りしながら進めていきたいと私たちも思っております。

江崎座長: ありがとうございます。

鈴木構成員: ちょっとくどいようですが、技術検証はそれぞれの所管できちんとやっているということで、すばらしいですが、実際にそれを行う事業者の方がそれを業務として行うと思いますので、業務の中で必要な手続がちゃんと取られているかという、技術というよりはマネジメントをきちんと標準化することが、デジタル検査を適切に行っていくためには欠かせないと感じ、発言させていただきました。

江崎座長: ありがとうございます。運用に関する点をちゃんと入れるべきというご意見だと思います。

須賀参事官: すみません、私の理解力がなくて、それはカタログの項目に追加するのか、我々が持っているツールの中のどこでできるのかを理解できていないかもしれないです。

鈴木構成員: ある意味今できていないことをやらなくてはいけないということで、これは世界ですとISO等で決めることですし、日本ですとJISで決めていくことだと思います。JISも工業規格から産業規格に変わって、プロセス認証に対するJISを制定することができるようになっていますので、非常に少ないですが、そういったところを固めていくことが基盤を固めるという意味では一番重要だと思います。これは今の検討の枠を超えたところですので、今のデジタルテクノロジーということだけではない話ですが、そこは社会としてきちんと取り組む必要があると思いました。

江崎座長: ありがとうございます。

多分十分須賀さんも認識したと思いますが、運用の面のところもちゃんとしたコーポレートガバナンスなり、プロポジションガバナンスができていなくてはいけないというのはテクノロジーに加えて必要なところなので、次のアクションとして考えた方がいいというお話ですね。

それから、サイバーセキュリティに関しては荻野委員からご発言されますか。

荻野構成員: サイバーセキュリティに関して、技術カタログで難しいのは全業種にまたがっているということがあります。どういう形で共通要件をまとめていったらいいかということは、事前にチェックされたいろいろな委員の方も悩んでいることかと思います。例えば内閣官房のサイバーセキュリティセンターの方や総務省の方、経産省の方を含めてサイバーセキュリティに関係する部門の方と事前調整をしながら進めた方がいいと思います。以上です。

江崎座長: ありがとうございます。今後の課題であり、オンゴーイングの作業のご説明だと思います。

それでは、長らくお待たせしました。挙手されていた小川先生、お願いします。

小川構成員: ありがとうございます。

須賀さん、本当に分かりやすいご説明をありがとうございます。ここまで来たのかという思いで感慨深くお聞きしていました。ありがとうございます。

3点、先ほど鈴木委員からお話のあったことは、私もリスクコントロールを専門としておりますので非常に気になっていたところなので、先ほどのご発言のとおりだとお聞きしていました。

別件であと2点ほど、須賀さんからお話しいただいた29ページで、このテーマについてのコメントとしては、例えばカタログ間、もしくは類型間での活用ということを考えてもいいと思いました。例えば先ほどの29ページで、今後の新機能の中で証書の改ざん防止、文書の改ざん防止というコメントがありましたが、12ページの実証類型13の一番右を見ていただくと、NFT、ブロックチェーン機能ということで、これは情報改ざんの制御をする機能として示されています。こういったところで類型間での活用もあるのだろうと感じました。

最後に1つ、今回、非常に膨大な情報をできる限り、全部は見られませんでしたが読ませていただきまして、ぱっと見てそれぞれのものの目的達成に対するKPI、効果測定の定義が明確に分かると、分かりやすいと思いました。例えば、皆様の安全性のリスクの低減効果、効率化によるコスト低減効果、それから常時監視や、3Dモデル化ができるという今までにない付加価値、高度化の実現といったもの等、それぞれ達成できたものがあったと思います。そういったものの大小を含めたKPIの明確化、達成度の明確化といったところも整理されると、第三者が見たとき、もしくは利用者にとっても有用な情報になっていくだろうし、非常に重要な整理になっていくと思っています。

我々も色々なビジネスをやっていく中で感じますところは、最新テクノロジーを使うことがありきになりがちになるといった課題。今までのアナログ規制が持っていた課題の解決が今回の目的だと思いますので、そういう意味でどういった課題をどの程度、どのように解決したのか、ということの効果測定のKPIも明確になると、分かりやすいと思いました。以上です。

江崎座長: ありがとうございます。

KPIを出すことは非常に重要なことですが、これがやった人の手間にならないようにどううまくやるかということはとても重要な運用だと思います。

中村構成員(チャット発言): 精度についての項目がありますが、これは、規制の目的に応じて議論されるべきだと思いますが、その様に実施されるのでしょうか?

須賀参事官: ありがとうございます。

中村先生からもチャットでご質問していただいていまして、精度ということをフラットに聞いているのか、規制目的を加味してここまでやってほしいという目標を設定できているのかというご質問で、小川構成員からのご質問と趣旨が共通していると思っておりました。今までこれは多分誰もそこまではやってきていないので、今回、規制所管府省庁の方々の中で体力があってご協力いただける方に相当のエフォートを割いていただき、例えば誤差がこの範囲であればいいでしょうという様に設定をしていただきましたが、設定するときに一番多かった表現は、今の時点では、人がやっているときの精度と比べてどうかということになっております。要は、今は人がやっているので、許容している範囲が分かりやすかったですが、それが規制目的との関係で妥当なのかという検証までは行けていなくて、そこはもう一段知恵や体力、リソースが要ると思います。

江崎座長: ありがとうございます。

小川委員のご質問は、さらにどういうKPIがこの中で重要になっているかということまで詰められれば非常にいいし、精度というもののリクワイアメントが非常に上がってくれば、ToBeのところも入ってくるので、非常に重要なKPIとして定義されたことが、分かりやすくできればいいという話だと思います。運用のところも、鈴木先生の話と大体同じで、非常に重要なKPIとして今後どう取り入れていくかというのが重要なところだというご意見かと思います。ありがとうございます。

それでは、島田委員、お願いします。

島田構成員: はいありがとうございます。島田でございます。

始める前からこういう風になると予測はできたところですが、一つには、現在の規制に対してどれだけデジタルで代替出来るかということになってしまっているので、これを乗り越えないと、デジタル技術の有効な活用は難しいと思います。PoCでもむしろコストがかかるような案件も出ているところを見ても、そうだろうと思うところです。一番大切だと思うのは、インパクトアナリシスを必ず実施してほしいと思っています。これをやると一体どれだけセービングができるのか、誰が何をどれだけ得するのかを検証する項目ごとに明確にしておくことが必要だと思います。そうでないと、面白いしいいねというところまでは行きますが、実際にそれが適用されるところまで到達できないと思います。

その点をぜひやっていただきたいのと、さらに言うと、今回検証した内容の結果等を見ていますと、もっとよくなる内容も多く、今後、これを本当に適用していくためには、デジタル技術の活用についての強制力も働かせないと、わざわざお金をかけてやる理由がないという風になりかねないと思います。

この2点が非常に大事で、いずれにしても効果測定をやることでどれだけの人が、もしくは国や会社が得をするのかをぜひ検証しながら進めていただけると、もう少しブレークスルーできると思います。以上です。

江崎座長: ありがとうございます。

まさに昨年からずっと議論していたAsIsからToBeのところの、次のステップをやるようにということですね。今回出てきているのは、普通に考えれば大体予想できたことなので、次のステップとしてはまさにToBeをやってAsIsではないところに持っていかないといけないというご指摘ですし、それをKPIとしてうまく出すのと、インセンティブをどうやって上手に政策の中に入れていくかということまでが次のステップだというご意見ですね。

島田構成員: はい。よろしくお願いします。

江崎座長: ありがとうございます。

では担当の須賀さん、どうですか。

須賀参事官: おっしゃっていることは大変よく分かります。特に人がやる以上の精度が出たことは、特に安全基準の場合は大変クリティカルに重要なことのはずで、そこまでテクノロジーを使って行けるのだったら行ってくださいというように、社会からの期待値自体を上げていくことも当然あり得ると思います。したがって、規制の見直しは必ずしも人がやっていることをテクノロジーで代替するだけではなくて、適切な水準のほうにもデジタル時代に即した調整がかかっていくということだと思っております。

他方、効果測定をどうやればよかったのかというのは、いまいちまだ具体的にイメージが持てておらず、今年度もまた自治体との連携で2事業を技術検証しようとしていますが、そこで具体的に一体何をしたらいいのかはぜひ教えていただきながら上手く設計できればと思いました。

島田構成員: これだけの件数が日本にはあって、これだけのものが減らせるという仮説でいいと思います。実際仮説でやっても実証すると随分違う結果が出るものですから、それを必ずセットにしてやられた方がいいと思います。

江崎座長: ありがとうございます。

まさにどこかのフィールドでまず実証していくというのは非常に重要なプロセスになってきます。そのときに仮説と実システムがどうなるかということを検証するのは非常にPoCや政策としての重要なところなので、ぜひ考えていただきたいというご意見かと思います。

それでは、岡田委員、どうぞ。

岡田構成員: 岡田です。

今の議論を踏まえると、いい技術ですよと言うだけでは、技術よりも従来の方法の方が安かったりすると、そのままでいいよねとなってしまいます。いいものだから使ってもらいましょうという時には、性能としてここぐらいまでが欲しく、こうやってほしいということを発注要件に入れると、活用が進むことになります。先ほど言ったように、ビジネス的に成り立たないところも、活用が当たり前になってくれば、それが少し高くても使うようになりますので、自治体や府省庁などの発注側で機能要件や性能発注などを示すなど、発注側で新技術を促進するような発注形式に変える検討をしてもらうことが必要だと思います。

ただ、今すぐに取り組むべき課題というよりは中長期的な課題になると思います。実際に発注する時にそういうことをしてくれないと、例えば関連する企業が新技術のカタログを読もうともならなくて、別にこのままでいいとなってしまいます。つまり読まないと新しい性能要件や機能発注に対応できないのだ、あるいはこれからも出てくるような発注要求に勝てないのだ、だからカタログを読まなくてはいけないのだというような、規制の適用を受ける側が技術カタログを読まなくてはいけないような雰囲気や状況を自治体側や府省庁側から発信するというのがいいと思っています。そういうことは技術カタログに書くよりも、規制所管府省庁などに言いながら、新技術を促進するためにはその環境要件のような形でビジネス環境を整えることも考えてくださいと伝えてもいいと思った次第です。

江崎座長: ありがとうございます。

まさに技術カタログに加えてそれを使った発注ガイド、あるいは機能要求スペックのようなものを作り、実施してもらわなくてはいけないということですね。最初の先生の意見のように、今度は運用の面も発注仕様書にどう入れるかが非常に重要な側面になってくるということで、次のステップとしては、どうやって技術カタログに出てきたものを実際の発注プロセスの中に上手に埋め込んでいくかということが必要だというご意見ですね。

須賀参事官: 1,700自治体ありまして、それぞれが似たような業務をしていらっしゃると考えますと、全ての自治体の方がそういう発注能力を持つということは恐らく現実的ではないと思います。自治体の方々と会話をしていても、実は最もご要望が多いのは、モデル仕様書をくださいとか、他の自治体が作ったいい技術が調達できる仕様書を貸していただきそれをそのままコピーしたい、ということです。今回の自治体の実証の中で、検証済の技術をうまく調達するためにはどういう仕様書を書かなくてはいけないかということも意識しながらやってみて、それを他の自治体の方にも参照可能な形でご提供することができたらいいと、お話を伺っていて思いました。

江崎座長: 上手にそれができると、RegTechコンソーシアムも日常に使い道があるということになってきますね。少し事務局の方でも知恵を絞っていただいたらいいのではないかと思います。

中村先生、よろしいですか。

中村構成員: 皆さんが言っていることと大体同じですが、例えば、サンプル発注書における画像の解像度や、ドローンの測定ポイントは1メーターおきに撮るのか、3メーターおきでもいいのかということなど、記載すべき点は色々あると思います。それを受注する業者は例えばJISの認証を取得していることや、セキュリティに関してはNISTのガイドラインに準拠していること、というサンプル発注書のようなものがあると分かりやすいと思います。

人が難しいのは、人はすごい高精度でディテクションできる場合もあり、規制の背景にはそういう要求をしている場合もあります。目的に応じてどのくらいのクオリティー、精度が必要かは異なると思います。それぞれの目的に応じて、値がこういう場合はこのぐらいのような形で示されると、皆さん使いやすくなっていくと思います。

最後はそこに法規制をかける話になっていくのだと思います。デジタルを活用する場合にはこのぐらいのサンプリングレートでやりなさいとか、これ以上でやりなさいというところまで行けばいいですが、そこを作っていくのはまだ先の話になります。まずはざっくりでいいので、サンプル発注書のような、オペレーターとしてはこういうことを充足すべきとか、セキュリティに関してはこういうものを準拠すべきという項目が載っていると使いやすいと思いました。

ありがとうございます。

江崎座長: ありがとうございます。

須賀さん、何かありますか。どうぞ。

須賀参事官: ありがとうございます。イメージがぼんやりしていたものがだんだんできてきました。

今の中村先生のお話を伺っていて、カタログの公募項目で精度を追加的に聞く際には、基準を示さずに精度を書いてもらうよりは、この範囲に精度があってほしいという期待値がもし明確化できるのであれば、自由記載ではなくてそこに至っているかどうかを聞くのもあり得ると思いました。そこで少し期待値を寄せていき、このバンドにあるのかというところを類型化するというのはあると思いました。

中村構成員: あと、今回PoCをやっていただいて、人がやるよりはよかったとか、同じだという議論がありましたが、それは誰と比較するのかですね。人間がやると言っても専門知識を持つ検査員が行うのか、素人が行うかでスキルが異なるため、どのような人のスキルに対して今回満足だったかという比較があるとよいのではないでしょうか。プロがやってもデジタルでやっても同じくらいだと分かると、みんな導入しやすいと思います。

須賀参事官: 例えば望遠鏡、双眼鏡で鳥の数を数えるのがデジタル技術のほうが沢山数えられましたという結果も上がってきているので、まさに誰がやっているのと比べるかは大事だと思います。

中村構成員: その時にも、例えば素人が鳥の数を数えるのと、すごくノウハウを持っている人が数えるとでは結果は違いますが、すごくノウハウを持っている方に比べてデジタルでもいいと言われると、すごく先に進めるのではないかと思います。

江崎座長: そうですね、それをハラスメントがなく上手に適用できるところから進めていき、次のところに広げていくことができたらいいですね。

川端先生、お願いいたします。

川端構成員: PoCを回すとコストが高くなってしまったとか、人間の作業を置き換えてデジタル化するとそういうことは往々にして発生します。それは各分野でも発生しますし、場合によってはそれぞれが最適にデジタルを使って管理していく中で、お互いのデジタル情報を必要な人に必要なだけ共有するような標準化が進んでいかないと、そこを個々でやろうとすると結果としてコスト高になるという状況も発生します。なので、そこの縦割りは、今回も府省庁横断でやられていますが、従来、人間社会における利便性で府省庁が分かれているところ、今後、デジタル化を進めていくに当たっては、デジタル化を前提として最適化された組織編制のようなものが出てくると思います。こことここはデジタル化すると横断してしまうという府省庁がもっと出てくると思うので、そういった意味では今後のロードマップも、大変難しいと思います。ジャーニーマップ的に、規制がこう変わっていくと、こう連動していくというところをもう少し見える化していくと、データ取得の無駄やデータ管理の無駄が減っていくと思います。

なので、現状、人間社会に最適化された府省庁縦割りのようなものがあるとすれば、デジタル化で最適化された府省庁の担当を見ていかなくてはいけないと思います。大変難しいと思いますが、今後のロードマップに関してもその関連性がもう少し見えるようにしていけるといいと思いました。やはりコストを下げて使ってもらうことが非常に重要で、第一歩は使っていただくとかデジタル化していくということだと思いますので、次の利活用の段階ではそういったステップが必要だと思いました。他の委員の先生がおっしゃっていたKPIの設定とも関わると思います。

よろしくお願いします。

江崎座長: ありがとうございます。

データ連携の話にもつながってくるので、そうなると非常にステークホルダーが多くなりますが、川端委員のおっしゃったとおりで、これがデジタル臨調の一番やりたいところになってくるので、そこは次の次のステップくらいになるかもしれませんが。

川端構成員: そうですね。

江崎座長: 須賀さん、これは何か反応されますか。

須賀参事官: 私たちもデジタル臨調を立ち上げるときにそういう議論をまさにしていたと思い出しまして、やれると思って始めましたがそんなに簡単ではなかったというのが現状です。とはいえそれはテクノロジーマップに収まるような話ではないので、本当はデジタル臨調の仕掛け全体で、ということだと思います。今の時点では、コンセプトを示していくというよりは、昇降機センターさんのように、ここの告示のこの部分をこう直してくれるといい、というくらいのビビッドな事例をいくつか作ってから、それを一般化するという作業をしないと、一般論としての主張をする方々と、現場のそういう視点が全くない方々との分断が著しいと感じております。ぜひいい事例があれば、教えていただけたらありがたいと思います。

江崎座長: 今回、岩盤規制の固まりだった昇降機の業界のところはすごく興味深いデータでしたね。本当にものすごい規制の固まりだったところがかなり前向きな意見を出してきているというのが事例として出てくるとすごくいいので、川端さんがおっしゃったようなところはちゃんと長期ビジョンも持ちつつ、具体的な成功事例を出していくという戦略で進めていくというのが回答になっているかと思います。

川端構成員: 難しいのは分かった上で、すばらしいので次のステップ、次のステップということを言ってしまいましたが、よろしくお願いします。

須賀参事官: おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。

江崎座長: それでは、平本委員、お願いします。

平本構成員: 平本でございます。

実証お疲れ様でした。実証とそれ以外の取組も含めて非常によかったと思っております。実証については様々な可能性が示せたことがすごくよかったと思っております。技術カタログについては、これもうれしい悲鳴で公募がたくさん来たということですが、審査がすごく大変だったというのと回答にばらつきがあったということがございます。なので、今、まさに川端委員が説明したように標準化はやはり重要だと思っておりまして、他のプロジェクトでもツールカタログを作りたいとか、ソリューションカタログを作りたいということが結構ありますし、事業者もこういうものを色々なところに書く際に様式が異なると大変ですし、標準化していくことが重要だと思っております。ヨーロッパのCPSVなどもありますので、そういうものを参考にして徐々に改善していくといいと思いました。また、データの精度の書き方はまさにみんな悩んでいるところで、データの取得の方法論や信頼性など、色々なところがあり、そういうところも国際標準が出てきておりますので、もしきいていただけたら、私からも情報を出せることがあると思います。そういうところをよくして技術カタログをどんどん膨らませていければいいと思いました。

以上でございます。ありがとうございました。

江崎座長: ありがとうございます。

そういう参考にするべきドキュメントの提供のポータルサイトというのは非常に重要な側面だということも最初から議論していましたが、平本さんがおっしゃったことはこれからやっていかなければいけないところですね。

それでは、川原先生から、お話しになりますか。

川原構成員: これだけ短い時間でこれだけの事例が集まったのはすごいと思います。関係者の皆様、大変お疲れ様でした。

個別の技術的な報告を見ると、うまくいかなかったと書いているように見えるものもありますが、技術者視点から見るともっと他に上手い方法があったのではないかと思うこともあります。それはいいことで、去年無理でも今度できるようになることや、私が代わりにやってあげるという人が出ることもあるので、こういった事例が十分に共有されることこそが価値なのかなと思っています。

また、象徴的な事例を手がかりにやっていくのもいいと思いますが、すぐにでも緩和できそうなこともあると思いますので、そういうところから規制の緩和自体のプロセスについても知見がたまるといいと感じました。以上です。

江崎座長: ありがとうございます。

ある意味トランスペアレンシーとアドボカシーをちゃんと来年度やって、改善できる能力がある人や企業に対してのインプットがあるといいのではないかというご意見かと思います。川端さんがおっしゃったことに通じるところとすれば、技術連携やデータ連携のようなこともトランスペアレンシーにすることによって出てくる可能性があるのではないかという側も川原先生は示唆されたのではないかと思いました。ですので、これを上手に外に出していくということも非常に重要なプロセスだし、トランスペアレンシーをよくしてくださいというご意見だったのかと思います。

須賀さん、何かございますか。

須賀参事官: ぜひと思います。我々もこれをいつまで人海戦術でやるのかなと思っているところもあり、どんどん知見として標準化して、我々がデータを出すことでそれが進んでいくということだと思います。なので、フルオープンで、もともと報告書自体も委託でやっている限りオープンにしているわけですが、多分大量に文書を載せただけでは誰も読んでいただけないとすると、そういうこともコンソーシアムを通じて普及していくとか、会話をプロボークしていくとか、いろいろ試してみたいと思います。

江崎座長: ありがとうございます。

加藤構成員(チャット発言): 国の他の事業からも情報共有をもらう仕組みもできますかね?

江崎座長: 加藤先生がちょうど今、書き込まれていましたね。加藤先生、お願いします。

加藤構成員: 目的は違えど、これはテクノロジー規制を目的とした公募で出されてこういう結果ができているわけではないですか。でも、他の取組、最近のデジタルライフライン関係のように、やっている途中で同じようなことをやっています。だから同じような知見は出てきていますが、国の納品・検収条件としてそれを報告せよとはなっていないから報告がされていないだけで、他事業でも参考となる情報がすごく沢山あるような気がしています。相互に共有できるとそうするとすごく沢山の知見が集まりそうな気がしました。この成果というのは何らかの形で公開するのですね。

須賀参事官: はい。

加藤構成員: なので、同じように他のプロジェクトでもこういうものが分かったら教えてもらうよう、ちょっとしたインセンティブだけ与えておくと、一気に10倍とか100倍ぐらいの知見が集まってきそうな気はしました。他の方とはちょっと違う視点かもしれないですが、自分も結構国のプロジェクトをやっていて、そういうものは結局事業者の中で情報として閉じて終わるので、それが掘り起こせるといいと思いました。

江崎座長: ありがとうございます。

一つの手はもしかしたらアカデミズムというか、学会などでこれを見てもらうと、本当はこんな解がいっぱいあるのだよという先ほどの川原先生のご意見のようなことが出てくる可能性があるし、車の業界のテクノロジーが他のところにそのまま使えるよ、の様なものが出てくる可能性は極めて高いかもしれないですね。

須賀参事官: まさにネタとしては面白いなと思いながら読んでいる一方で、結構他でもこういう話は聞くよなと私も思いながら、若干のデジャビュ感もありながら読んでいました。なので、これは人海戦術では多分無理だと思いますが、生成AIを使って世の中に出ている色々な別目的の実証の結果から似たようなファクトを持ってくることができたら面白いと思います

江崎座長: これは事務局への宿題として、もちろん委員の皆様方からいい知恵があればぜひいただいて、トライしてみるというのは非常に重要だと思います。トライしてみないとうまくいくかどうかも分からないので、ぜひ事務局でもお考えいただければと思います。

江崎座長: 岡田先生、お願いいたします。

岡田構成員(チャット発言): これまで人間が行っていた作業をすべて新技術で代替するということだけでなく、一部代替や、新技術が検査した後の怪しいところだけ人間が最後判断するなど、「新技術と人間の役割分担」といったオプションも見せていいとは思います。

江崎座長: ありがとうございます。

他に委員の方々からご意見、ご質問等はございますか。

須賀参事官: 今の岡田先生のご指摘は、まさに複数人で現場に行っていたところ、1人でよかったということや、あとはテクノロジーでよかったという結果も出ていましたので、そういう方向性も十分あり得るだろうと思いました。

他方で、絶対に資格がある方がしなければいけないというような規制が厳しいほどシナジーは発揮しにくいとも見えますね。

江崎座長: 他に委員の方から何かご質問、ご意見等はございますか。

豊田構成員: 豊田ですけれども、本質から大分外れてしまうのですが、今日の須賀さんの説明がすごく分かりやすく、一字一句全く無駄がなく説明されていて、これは資料だけ公開してもなかなかハードルが高いと思うので、この動画を公開するのが一番効果的なのではないかとすごく感じました。

江崎座長: ありがとうございます。40分ぐらいの尺なので、上手に演出をして出すといいかもしれないですね。

他にございますか。よろしいですか。

それでは、須賀さんの説明が上手だったからかもしれませんが、予定の時間よりも短く終わりました。大変色々なこれからやらなくてはいけないことを皆様方からご示唆いただきましたが、これは今まで人海戦術で事務局がやっていたので、それ以上のことをやれと言われると一揆が起こるかもしれませんが、ぜひ可能な範囲でどうやっていくかについて、知恵を絞っていかなくてはいけないという皆様からの激励とご示唆だと思いますので、それを受け取っていただければと思います。

それでは、最後に事務局から次の委員会についてのご説明をお願いします。

須賀参事官: ありがとうございます。

次回の委員会の開催は改めて事務局からご連絡を差し上げます。

本日の議事につきましては、後日、事務局からご出席いただいた皆様に議事録案の確認をお願いした上で、デジ庁のホームページにて公表させていただきたいと思います。

それから、本日の委員会資料もご異議がなければ原則全て公開いたします。

本日は委員会にご出席いただきまして、どうもありがとうございました。いつも高い目標を設定していただいて、我々もここで落ち着いてはいけないなと奮い立つ面もありますし、取り組まなくてはいけない課題に対して全然知恵が足りないというのを本当に痛感しています。また問い合わせをさせていただくこともあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

江崎座長: ありがとうございました。

最後に須賀さんから皆様方にご協力をお願いしますということで、ぜひお願いが来たときには可能な限りご協力いただければと思いますし、引き続きいろいろなご意見、ご示唆等をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

本日は本当にお忙しい中、どうもありがとうございました。