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地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第1回)

概要

  • 日時:令和5年(2023年)2月20日(月)9時00分から11時00分
  • 場所:全国町村会館及びオンライン会議
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議題
      1. 地方公共団体の基幹業務システムにおける文字要件の取組
      2. 文字要件の改定案と基幹業務システムへの円滑な導入と運用に向けた検討
    3. その他
    4. 閉会

資料

関連政策

議事概要

日時

  • 令和5年(2023年)2月20日(月)9時00分から10時50分

場所

  • 全国町村会館・オンライン

出席者

※敬称略

座長

  • 庄司昌彦(武蔵大学社会学部教授)

構成員

  • 荻野敦(地方公共団体情報システム機構有識者)
  • 小林龍生(一般社団法人文字情報技術促進協議会会長)※欠席
  • 後藤省二(株式会社地域情報化研究所代表取締役社長)
  • 笹原宏之(早稲田大学社会科学部教授)
  • 坪田充博(日野市企画部情報政策課長)
  • 林伸明(臼杵市保健健康課主幹)
  • 原田智(公益財団法人京都産業21DX推進監兼CISO)

準構成員

  • 青木弘明(株式会社日立システムズ)
  • 早瀬悠樹(株式会社両備システムズ)
  • 川口真人(富士フイルムシステムサービス株式会社)
  • 大村周久(富士通Japan株式会社)
  • 吉田匡一(株式会社両毛システムズ)
  • 藤野正則(日本電気株式会社)
  • 鎌仲正大(株式会社アイネス)

オブザーバ

  • 吉行崇(内閣府子ども・子育て本部参事官(子ども・子育て支援担当)付企画官)
  • 奥田隆則(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 室長)
  • 羽田翔(総務省自治行政局住民制度課デジタル基盤推進室 理事官)
  • 棚橋邦晃(総務省自治行政局選挙部管理課 課長補佐)
  • 内山弾(総務省自治行政局選挙部管理課 係長)
  • 鈴木洋平(総務省自治税務局企画課電子化推進室 課長補佐)
  • 佐久間信彰(総務省自治税務局企画課電子化推進室 係長)
  • 長谷川翔平(総務省自治税務局企画課電子化推進室 事務官)
  • 硲卓也(法務省民事局民事第一課 係長)
  • 堤優弥(法務省民事局民事第一課 事務官)
  • 名取瑞樹(文部科学省初等中等教育局修学支援・教材課 専門官)
  • 渡邊康尊(文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室 専門職)
  • 島添悟亨(厚生労働省政策統括官付情報化担当参事官室 室長補佐)
  • 巣瀬博臣(厚生労働省政策統括官付情報化担当参事官室 室長補佐)

事務局

  • デジタル庁デジタル社会共通機能グループ地方業務システム基盤チーム

議題

  1. 地方公共団体の基幹業務システムにおける文字要件の取組
  2. 文字要件の改定案と基幹業務システムへの円滑な導入と運用に向けた検討

議事

  • 本検討会の設置については、資料1の開催要綱によることとし、構成員については、別紙のとおりとした。座長については、武蔵大学社会学部 庄司昌彦教授に務めていただくこととなった。
  • 事務局より、地方公共団体の基幹業務システムにおける文字要件の取組及び文字要件の改定案と基幹業務システムへの円滑な導入と運用に向けた検討について説明があった。

質疑

構成員: 資料2の16ページの17.2万文字について、なぜ出てきたのか、他にはもうないのか。

戸籍のデジタル化をするということを説明するための国による説明の裏付けが必要なのではないか。

当分の間としている経過措置については時期を限ったほうが良いのではないか。
MJ+に同定するということについての制度的な位置づけを国により明らかにすべきではないか。

事務局: 法務省の文字整備事業では、全国の自治体及び全てのベンダから戸籍で取り扱う文字を全て集めたと聞いている。約95万文字のうちの約77.5万文字については、戸籍統一文字に関するワーキンググループ等において、MJに同定することが出来ており、どうしても同定できなかった文字が約17.2万文字残った。同定できなかった文字をMJに追加し、MJを拡張したものをMJ+とした。

戸籍のデジタル化については、法務省とも協議をしながら進めていきたい。
経過措置については、できれば、期限を区切りたいと考えている。なお、現在の文字セットを保持することについては経過措置を設けているが、標準準拠システム間の連携については経過措置を設けていない。

また、制度的な位置づけについては、今回を機に定めていきたいと考えている。それが国民に対する説明責任につながると考えている。

構成員: 1.0版策定時の意見照会ではどのような意見があったのか。
MJ+に同定した際、自治体の窓口で説明する資料が必要となる。また、国民への十分な周知も必要となる。

事務局: 外字をなくすことについては、おおむね賛成の意見をいただいた。一方、1.0版では、税で保持する文字をJISX0213としつつ、税の証明書をMJ+で出力することができると記載したことについては、技術的には可能であるが、開発や運用がかなり負担になるとの意見をいただいた。今回の改定はそれを踏まえたものである。

説明資料については、3月末を目途にMJ+の全体像を提示することを考えており、そこでMJ+の字形なども示していきたいと考えている。

構成員: 戸籍の証明書と住民票・税等の証明で文字の字形が異なってくることがあると思うが、今後のスケジュールがあれば教えてほしい。

事務局: ご指摘の部分は今後調整が必要となる。戸籍と戸籍の附票を除く18業務では、「行政手続き文字」というような新しい概念で、MJ+をきっちりと位置付けていきたい。

構成員: 先ほど説明のあった17.2万文字に関して、今年になりやっと全国の副本データを法務省が一括して管理することが出来るようになり、戸籍の中で使われている文字の存在が、法務省により把握できるようになるという新たな段階になった。この段階を経てやっと戸籍の中の文字の全てが見られるようになったということである。

外字をなくす方針になっているが、MJ+に来年度以降に新たに外字が追加されることはない、ということは現実的ではないと思っている。ただし、追加される字の数はどんどん減っていくであろうと見ている。

住基ネットの住基統一文字に入っていない文字が大量に外字として流通していると聞いている。これも調査、整備が必ず必要であるというように認識していたところであるが、これは何もしなくてもよいのか。
登記統一文字では、小字という重要なデータで外字が相当ある。これについてもMJ+の中に入ってくるであろうと思う。

JISX0213への代替は、アイデンティティーを侵害されたと思う方も現れるだろう。十分な方策を今後考えていく必要があると感じている。

事務局: 住基ネットに外字があることは認識している。総務省とも連携しながら整理をしていきたい。また、MJ+は戸籍内の文字であり、登記文字等、 戸籍以外の範囲については現在調査中である。

JISX0213への代替については、ご指摘のとおり、周知方法等課題の整理が必要であると考えている。

構成員: 登記文字の課題があるとの説明だったが、約163万文字の戸籍ベンダが管理する文字には、地名の外字は入っていないのか。

事務局: 戸籍システムで扱う文字を全て集めていると聞いており、地名も入っていると認識している。

構成員: それであれば、これはMJ「+」、MJに加えたものではなく、人名、地名を網羅した、いわば「G」MJ(行政事務のためのMJ)なのではないか。

また、今後順次完璧なものにしてもらえれば良いので、その時々の版を正式なものと認定いただき、MJ+を元に行政事務が行われるという認識を拡げた方が良いのではないか。

事務局: 名称についてはMJにプラスをしたということでMJ+としたが、行政手続文字という概念である。
ネーミングについては今後検討していきたい。

構成員: 行政の現場は、行政手続文字を求めている。外字の管理に長年悩まされている現場 は、今回を機に終止符が打たれることを望んでいる 。

MJ+の次は、MJ++とならないよう、 行政手続文字として、しっかり定義されたい 。

構成員: デジタル庁は「スマホで60秒で申請が完結できる」という大きな概念を出している。スマートフォンで使える文字がMJなりMJ+の文字数は持てないので、JISX0213の1万文字くらいの文字セットで行うと理解している。そこの部分を大事にしていかなければいけない。行政手続文字というものをMJなりMJ+にベースを置くのか、JISX0213に置くのかということも、同時に考えなければいけないのではないか。

技術的には、JISX0213に寄せていくほうがよいと考えなければいけないと思う。そこは国民の議論も含めて検討が必要なのではないかと思う。

事務局: 将来的にスマホで全ての手続きを行うようになる場合には、JISX0213が行政手続文字というように位置付くのはあり得るかもしれないが、少なくとも今後しばらく、5年から10年、20年の間はまだまだ国民の感情や証明書等の文字に対する想いなどから考えると、一気にJISX0213に変えていくのは難しいと、我々の中でも議論をさせていただいた 。

どの文字を行政手続きの文字として使いたいか、あるいは受け入れるか。その時 点における国民の考えや思い、あるいは自治体職員の手間というものを考えながら、段階的にやる必要があると思っている。

どの文字を行政手続きの文字として使いたいか、あるいは受け入れるか。その点における国民の考えや思い、あるいは自治体職員の手間というようなものやスケジュールを踏まえて考えながら、やる必要があると思っている。

オブザーバ: 住基 ネットの環境につきましては、今般住基 ネット上でMJ+が必要か否かという必要性の議論から考えていかなければならないと考えている。

受け取る側の機関である、年金機構や国税といった機関がMJ+を使いたいか否かといったところが必要性の議論として重要だと思う。ついては、国の機関におけるMJ+の位置付けを教えてほしい。住基ネットは、市町村のCS、都道府県のサーバ、全国サーバそれぞれの定期更改期間がある。この期間を踏まえないと、大変なコストもかかり、機器の入れ替えも大変なため、スケジュールは慎重に検討していきたい。

ただ、いずれの論点も、自治体側において、MJ+以外の文字が経過措置として認められている中で、なおMJ+をいつ入れるのかということも論点となる。市町村の文字がMJ+にならず経過措置がある中で、住基ネットだけ入れ替えるのか、総合的に判断する必要があると考えている。

また、資料27ページのSTEP1はどのようなスケジュールで、どのような技術でやっていくのか。

MJ+を使うシステムの利用範囲についてだが、申請管理や宛名管理などの共通機能については、 MJ+を扱っていくのか。加えて、例えば、地方税システムを例にとると分かりやすいが、地方税は4システムがメインで標準化されているが、地方税には4システム以外のものもある。標準準拠システムの中はMJ+で、それ以外はMJ+ではなくJISX0213で行うといった説明だったと思うが、地方税の分野間でも差異が出てしまう。

また、本検討会の場では、ベンダ視点でもスケジュールの 問題や課題がないのかということについても議論いただけると、より良い方向に行くのではないかなと思う。

最後に、国民に対する説明だが、国民のみならず国民の代表者に向けた説明も含め、戸籍では戸籍に使うことができる常用漢字を始め様々な告示等があると思うが、MJ+については、どのように考えているのか。

事務局: 28ページの同定マップだが、デジタル庁で同定マップを作成する。現在のところSTEP2に関するものは、法務省の成果を活用したいと考えている。STEP1のところをこれから開発していき、令和5年夏までにβ版を提示させていただき、自治体の方にはその同定マップを活用し、同定いただくというようなスケジュールを考えている。

他のシステムとの連携をどうMJ+でやっていくのか、JISX0213でやっていくのかは、いくつかある共通機能のなかで、例えば申請管理はスマホと連携する部分に該当するため、JISX0213で連携というようなことを考えていかなければいけない。それ以外のところについても、MJ+でいいかどうか、これから整理していきたい。

国の機関との色々な連携については、例えば住基ネットの場合は、統一文字を用いると決まっており、その規定に従うと要件に記載している。税のシステムの例については今後調整をしていきたい。

今回の検討会ではベンダの方も参加しているので一緒に課題とその解決策を検討していきたい。

国民への周知方法についても本検討会で検討出来ればと考えている。

構成員: 住基ネットは確かに多数外字があり、文字数にして延べ200万くらいある。一時期同定を試みたことがあるが、一段階ふるいにかけたところ数十万残ってしまって断念した経緯があり、これをまたMJ+に合わせていくには相当の期間がかかるのではないかなと思っている。

今の本人確認情報は番号制度の導入時に150年間の保存となっており、すでに保存しているものの文字 をどうするのかという議論もある。スケジュールで言えば、住基ネットに関しては本検討会とは違うスコープでの検討が必要となると考えている。

一方で、市町村間で転出証明書情報などの情報のやり取りをする際に、MJ+の文字図形名を連携することについては、スケジュール感も含めて総務省と検討しているところである。

課題のところに関して、住基ネットの導入時に、住基ネットの中では統一文字を使うため、自治体の文字と同定して欲しいと依頼をしたが、この時に自治体から一番問い合わせが多かったのが、「ちょっと字形が違うのだけれども、これは同定してしまっていいのか、外字を作ってしまっていいのか」、「この字形について、住民の方からこれは違うといわれたときには、そちらで責任を持ってもらうことができるのか」という問い合わせを受けた。MJ+への同定に当たって 同定基準というのをどのようにしていくか、また、その後ろ盾になるものを用意できるかということが非常に重要であると思う。

事務局: 国民にどのように示していくのかが、非常に重要なことであると思っている。

構成員: 同定マップを示すだけではなく、その根拠になるものが必要であり、それが自治体の窓口でも重要になるといった課題である。

構成員: 33ページに関して、MJ+では文字フォントが二つになっていることについて、実装がかなり厳しいことが一つ大きな課題としてある。

追加の文字(+)についてだが、技術的な仕様についてはいつ頃公開されるのか。

同定マップのデータを公開するタイミングで、MJ+のフォントの字体の公開も想定されているのか。

細かい質問がある場合は2月下旬に予定されている意見照会で質問すればよいか。

事務局: 技術仕様については3月末にお示しをしたいと考えている。また、フォントについても、8月時点にはフォントという形で提供できればと考えている。

諸々の細かなことについては、ベンダに対して意見照会を行うので、そこでご意見を頂ければと思う。

構成員: 国民の関心の大きい部分であるため、相談のためのコールセンターを全国規模で設けてもよいと思う。これもご検討してほしい。

構成員: コールセンターはあってもよいと思う。スケジュールについて、標準化完了後の令和7年度末直後に運用を開始するとあるが、そこもよく考えて進めていければというように思った。

事務局: 文字要件の運用に関する議論をはじめ、各種いただきましたご意見以外についても何かございましたら、3月10日(金)までに事務局まで送付してほしい。また、次回第2回検討会は3月29日(水)午前10時からとなる。

以上