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モビリティワーキンググループ(第1回)

概要

  • 日時:2023年12月5日(火)9時45分から11時15分まで
  • 場所:オンライン
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 内容
      1. モビリティワーキンググループの開催について
      2. 自動運転等新たなデジタル技術を活用したモビリティサービスの社会実装に向けた論点
      3. AI時代における自動運転車の社会的ルールの在り方検討サブワーキンググループの開催について
      4. 各会議検討状況報告
        • デジタル行財政改革のこれまでの取組等について
        • デジタルライフライン全国総合整備計画の策定に向けた検討状況について
        • 地域の公共交通リ・デザイン実現会議について
      5. その他
    3. 意見交換
    4. 閉会

資料

議事概要

冒頭森主査よりワーキンググループの開催にあたって以下の挨拶があった。
急速に人口減少が進む中、モビリティサービスの維持・強化は差し迫った現実の課題であり、自動運転車など地域のモビリティを支える技術の事業化を検討することが必要。11月22日に開催された「第2回デジタル行財政改革会議」では岸田内閣総理大臣が関係大臣に対し、自動運転の社会的ルールやモビリティサービスの積極的な事業化に向けて必要な環境整備加速の指示があったところであり、モビリティワーキンググループの主査として、新たな「モビリティ・ロードマップ」のとりまとめに尽力したい。参加者の皆様には積極的な意見をお願いしたい。

1. モビリティワーキンググループ及びサブワーキンググループの進め方

資料2、3に基づき事務局よりモビリティワーキンググループの論点及びサブワーキンググループの開催について説明。

  • モビリティワーキンググループでは自動運転やドローン、サービスロボット等の事業化を推進するための方向性を確立し、様々な課題を解決するための論点を洗い出す。課題と論点は資料2、6ページ以降に記載。
  • 各省庁で様々な会議が実施されているが、追加検討事項や各省庁だけでは検討困難な相互依存する課題を一体的に捉えて検討する。
  • 課題論点・検討体制・スケジュールを明らかにしながらモビリティ・ロードマップ2024(仮称)として取りまとめていきたい。
  • 各省庁で検討・対策が進んでいるかを毎年度更新して行く。

2. 各会議の検討状況

モビリティサービスに関する各会議体での検討状況を各省庁より説明。

  • デジタル行財政改革会議(資料4-1):人口減少や少子高齢化という構造的な変化の中で、限られた供給力を上手く活かし、需要に応えることが喫緊の課題である。利用者起点で行財政のあり方を見直し、デジタルを最大限活用したサービスの維持強化が急務である分野の1つに交通が位置付けられている。デジタルの特徴を活かすことで効率化を進めながらサービスの質を高め、そのために必要な規制・制度の見直しを徹底し、かつ効果的なEBPMを実行する。デジタル行財政改革会議が司令塔となり各種会議を推進していき、来年6月めどの取りまとめを目指している。第2回課題発掘対話では、タクシー、自動運転等について、幅広い知見から課題を掘り下げた。第2回会議においてこれまでの取組の進捗を確認するとともに、自動運転事業化に向けた審査手続の透明性・公平性の確保等について議論を継続することとなった。こうして、新たなモビリティサービスの積極的な事業化に向けて、必要な環境整備を加速していく。
  • デジタルライフライン全国総合整備計画(資料4-2): 10年以内にデジタルの恩恵を全国津々浦々に行き渡らせるべく、本年度内にデジタルライフライン全国総合整備計画を策定する予定。2024年度中に社会実装を開始するアーリーハーベストプロジェクトでは、デジタル情報配信道やドローン航路の設定、インフラ管理のデジタル化等の取組を開始している。第1回目の会議は本年6月、第2回目の会議は本年9月に実施した。中間とりまとめのポイントは先行地域の候補や整備すべきデジタルライフラインの特定。予算執行が縦割りにならずに効率的・集中的な社会実装を達成するために、関係省庁と連携しながら進めて行く。
  • 地域の公共交通リ・デザイン実現会議(資料4-3):これまで3回開催をした。だれひとり取り残されない社会を実現するためのものである一方、人手不足をはじめとする交通事業者の厳しい状況を踏まえると、それを推進するためには、関係省庁含めた様々な分野との連携やデジタルの活用が必須。移動実態にかかるデータの取得/利活用、地域交通のリ・デザインを主導する司令塔機能等が必要だということを3回の会議を通じて共通認識を得た。今後は有識者のご意見や地域ごとに異なる検討課題をより具体化し令和6年4月頃を目途にとりまとめを行う。

3. 意見交換

自動運転への社会実装全般についてのご意見を有識者及び関係府省庁から以下の通り頂いた。

需要の見える化・ビジネスモデル

  • 有識者
    • 国内の具体的事情に焦点を当てるべきかグローバルな視点を重視すべきかについて検討が必要。
    • 自動運転は特に地方で早急な導入が必要だが導入費用とデジタル利用の課題を踏まえライドシェア導入など積極的な対応が必要。
    • 人口が減少する中でデジタル技術の活用が必要となり、自動運転の導入やデジタルデータの蓄積等が重要。
    • 中小都市、地方都市、大都市といった分類ごとに異なる課題に対応することで社会受容性が確保できる。
    • 事業者目線でなく利用者目線と新しい技術に合わせた新しいルール作りも必要。
    • 自動運転車両サービス導入の際には、故障・運行停止のリスクが大きいためそれを補完する他モビリティとの連携が必要。
    • 自動走行モビリティは人口減少や高齢化が進む地方で有効である。より粒度細かく需要を捉えて、稼働率が高くなるところへ小型モビリティを配置できるかが鍵。
    • 自動運転の導入において事業性を確保するためには開発費などの初期投資回収のために母数拡大することが必要となってくる。その為には事業エリアに依存しない仕様の共通化や標準化の検討も必要。費用だけでなく技術獲得の支援も重要。
    • ロボット領域においては、周辺環境含めてマネタイズできているユースケースが出てきているので、必要があれば共有させて頂く。
    • 需要の見える化を進めるための移動データ整備は、自動運転のみならず事故削減・CO2削減・災害時の活用など今後の移動政策への活用も見据えてしっかり進めるべき。
  • 関係府省庁
    • 各地域の実情に寄り添った方針を示していきたい。
    • 国内の議論とグローバルな議論の区分け、技術の共通化・標準化が重要だと考えている。国際基準の策定についても引き続き主導していきたい。
    • アーキテクチャーと世界標準化について初期から意識する重要性を認識している。

自動運転車両の導入費用低減

  • 有識者
    • 自動化の要求レベルとユースケースとコストの問題も重要であり無人だけでなく、システムを操作する人の多機能化も視点として加えるべき。

走行環境整備

  • 有識者
    • 新しい環境インフラが必要になるため、インフラコストの共有が必須。また、モビリティ、デジタル化、エネルギーを一体と捉え、それぞれの需給のマッチングならびにデータ連携可能な状態であるリンクトオープンが基本。
    • 自動運転が困難な走行環境への対応可否や公共投資の際の有効性・公共性の判断基準を作成することも必要。
    • 走行環境の整備は必須であり、インフラにおける設備の維持管理も検討するべき。
    • 車両の導入について、1か所に集中投入も検討するべきで、予備車を含めて最低3台は必要、メンテナンス対応、センサ等の更新なども考慮するべき。
    • 輸送力や速度を高めるインフラ整備が重要。
    • ロボット領域においては、施設側の環境をデジタル化することによって、ロボット導入の促進やイニシャルコストの削減を検討している。屋内外の環境整備に関して連携を進めさせて頂きたい。
    • 自動運転車が交差点や合流地点で他の移動体の状況をリアルタイムで共有することが重要。
    • 社会実装にあたり全体のアーキテクチャーを考慮して進めるのが重要。
    • サービスインフラのガバナンスに関する制度設計、特にデジタルインフラの相互運用性とサイバー空間での安全性の確保を重要視すべき。
  • 関係府省庁
    • 関係省庁と連携しながら、自動運転の社会実装に向けた通信環境の整備に貢献したい。
    • 車両の技術開発について、様々なユースケースを踏まえ、データを蓄積し、インフラ整備の動きとも連携して引き続き取り組みたい。
    • 関係省庁と連携して各種許認可手続きについて一元的に議論し、手続きの円滑化を実現していきたい。
    • 走行環境整備技術は新しい技術に限定されるものでもなく、歩行者と車の分離によるコスト削減も可能。
    • ソフトウェアやルール作りを含めた全体的な検討が重要。

協調制御

  • 有識者
    • 現在デジタル庁と共同で協調制御の検討を行わせて頂いている。得られた知見やノウハウに関しては本協議会でも提供したい。
  • 関係府省庁
    • 中国の取組を踏まえた路車協調システムの重要性に対する指摘を踏まえ、警察が保有する交通管理の手段の中で必要な検討を進めていきたい。

社会的ルールのありかた

  • 有識者
    • 法的な枠組み作りは重要であり、論理的根拠に基づいた課題の整理と既存の法律との一貫性・統一性を配慮して行われるべき。逸脱すると産業的な過去資産や知見・ノウハウが活かせなくなり普及拡大に影響する。
    • ルール作りについては、デジタル前提の改革をするのによい機会である。
  • 関係府省庁
    • 事故時の責任関係や自動運転車が通行する上で課題となる交通ルールについて、走行の効率性の観点も含めて積極的な対応を検討していきたい。
    • 万一の事故時のありかたについて、業界で進められている議論が、新たに立ち上がるサブワーキンググループでの議論と適切に接続するよう取り組む。
    • 自賠責関連の法律や道路運送車両法等の法改正も完了し会議の目標達成に向けて協力していきたい。

全般

  • 有識者
    • 他領域との連携を考慮するべき。カーボンニュートラル問題や防災問題、EV導入費用低減など他の分野で行われている議論と合わせて進めるべき。
    • 地域のモビリティサービスの維持や強化が必要だがその視点だけに限定せずさまざまな側面を考慮することが重要。
    • 自動運転導入後の運用、特に高齢者への配慮やデジタル利用の方針などを丁寧に考える必要がある。
    • デジタル化やAIの発展を見据えつつ、人間が提供するサービスと結び付けていく事が重要。
    • 交通運輸業界の将来の人手不足の課題をデータで把握し、そこに輸送力等含め自動運転の導入による効果などを議論するべき。
    • 自動運転の利用によりCO2削減や災害時対応など幅広い利点が得られる。
    • 各種会議での自動運転に関する議論を日本全体のロードマップに落としていくべき。
  • 関係府省庁
    • サービス自身はデジタルの技術のレベルアップにより、さまざまな改善はされてきているものの、サービスの実現が叶っていないため、現状を突破するための議論を進めていただきたい。
    • 論点毎に完全に解決・改善に要する時間軸が異なる。論点が相互依存するからこそ、論点毎の特徴を踏まえて、それぞれどのレベルを目指すべきか考えていただくことが近道になる。
    • アーリーハーベストプロジェクトを優先的に進め、その過程で得られた知見を基に他の関係省庁と協力しつつ取組を進めていきたい。
    • 地域のモビリティサービスの維持と供給力の担い手の確保が重要との指摘を受けリ・デザイン会議を進めていきたい。
    • スマートモビリティプラットフォームの構築に関する研究開発を、関係省庁と連携しつつ推進していきたい。
    • 会議がたくさん立ち上がっている印象があるが、それだけ本問題は、課題が多方面にわたるということであり、それが同時に検討を始めているということは、逆にチャンスと捉えるべきだと思う。
    • 本問題を構成する様々な課題は、互いに相互依存性が高い。これらの課題の相関関係を読み解きながら、タイミングを明らかにし全体として結果を出していく、まさにロードマップが必要だと思う。
    • これだけの様々な論点や議論の場が、協力して問題を解決していくためには、全体に共通するビジョンを明確化し、各府省の力を合わせることが必要だ。技術的・制度的には可能となった自動運転の、事業化の加速や産業化を目指して、検討を進めてまいりたい。

総括

閉会にあたり森主査より全体を通してのワーキンググループの総括を以下の通り頂いた。

  • 次回ワーキンググループに向けどのような議論を検討すべきなのかを整理をしてほしい。
  • 既存の枠組み制度にとらわれることなく柔軟な発想で地域の円滑な交通に対し真剣に考えてほしい。
  • 事務局においてはできるだけ早くサブワーキンググループの開催をお願いしたい。
  • 有識者から縦割りとの指摘を受けることのないようどのような対策が講じられるか柔軟に検討してほしい。

以上

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