モビリティワーキンググループ(第8回)
- 最終更新日:
概要
- 日時:令和7年(2025年)2月25日(火)13時00分から15時00分まで
- 場所:オンライン
- 議事
- 開会
- 議事
- 交通商社のあり方、交通商社機能を支える共通基盤のあり方
- 交通商社機能のあり方
- 交通商社機能を支える共通基盤のあり方
- MONET Technologies株式会社 執行役員 弓掛 正史 氏
- デジタル化横展開推進協議会 モビリティコミュニティ代表 株式会社博報堂 畠山 洋平 氏
- デジタル公共財とその横展開について
- デジタル公共財とその横展開について
- 意見交換
- その他
- 今後のスケジュールについて
- 交通商社のあり方、交通商社機能を支える共通基盤のあり方
- 閉会
資料
- 議事次第(PDF/231KB)
- 資料1:構成員名簿(PDF/156KB)
- 資料2:交通商社機能のあり方(PDF/2,466KB)
- 資料3:モビリティを活用した社会課題の解決事例(PDF/2,736KB)
- 資料4:交通商社機能を支える共通基盤のあり方について(PDF/3,992KB)
- 資料5:デジタル公共財とその横展開について(PDF/2,665KB)
- 資料6:今後のスケジュール(PDF/504KB)
- 第8回モビリティワーキンググループ出席者一覧(PDF/240KB)
- 議事録(PDF/470KB)
議事録
麻山参事官: 定刻を過ぎましたので只今から「第8回モビリティワーキンググループ」を開催いたします。本日はお忙しいところ、ワーキンググループへのご出席ありがとうございます。本日司会を務めます事務局の麻山でございます。よろしくお願いいたします。ワーキンググループの開催にあたり森主査よりご挨拶をいただきます。森主査、よろしくお願いいたします。
森主査: お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。第8回ワーキンググループ開催にあたりまして、一言ご挨拶申し上げたいと思います。前々回のワーキンググループで交通商社機能について議論いただきましたが、本日はその議論を踏まえて交通商社機能の担い手、あるいは機能を持続可能な仕組みにするための方法について議論いただければと思います。今回事務局から、「交通商社機能のあり方」についてどのような形で考えているのかご説明いただいた後、「商社機能を支える共通基盤の在り方」について株式会社博報堂、MONET Technologies株式会社のご担当の方から話題提供いただくこととしております。各省庁におかれましてはそれぞれお持ちのご知見を活かして忌憚のないご意見をいただき、さらに有識者のご示唆も踏まえて積極的なご議論いただけますようお願いいたします。
麻山参事官: ありがとうございました。続きまして、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りさせて頂いた議事次第に記載の通りで、議事次第、資料1から6、出席者一覧となります。不足がございましたら、Teamsのチャット機能、もしくは、事務局までメールにてお問合せ頂ければと思います。本日の出席者のご紹介につきましては、時間の制約もありますので、失礼ながらお手元の出席者一覧の配布にて代えさせて頂きます。
それでは、早速ですが、議事に移らせていただきます。本日は、主査のご挨拶にありました通り、交通商社の議論となります。まず、交通商社機能のあり方について、デジタル庁より整理をお願いしておりますEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社から説明の後、それを支える共通基盤等について、お二方から話題提供をいただきます。その後、こうした交通商社機能を含めたデジタル公共財の在り方について、デジタル庁統括官の村上より説明させて頂き、交通商社の議論を進めていきたいと思います。それでは、加藤様よろしくお願いします。
加藤氏: 私の方からは交通商社機能のあり方について資料2でご説明させていただきます。まず交通商社が必要とされる背景についてご説明いたします。資料2の3ページをご覧ください。人口増加期には移動需要に合わせて交通事業者が各々に移動サービスを提供すれば稼働率がある一定程度確保できました。しかしながら人口の減少に伴って、特に地方においては例えば町営のバスなどのように、低い乗車率のまま運行する非効率かつ非採算のサービスが多くみられるようになりました。そのような地域で住民のインタビューなどを行ってみると、子育て世代が担っている高い送迎負荷のような顕在化した需要や、免許返納後の高齢者が移動を我慢しているような潜在的な需要が確認できています。これらの移動需要があるのにも関わらず公共交通の利用者が減少しています。例えば左下のグラフでは供給側として町営バスの利用者数が年々減少しており採算性が確保しづらい状況です。一方で、右側の需要サイドの意見を聞いてみると利便性という点で公共交通の利用がしづらい、不満があるという状況でした。そのため、需給両者を一体として考え、つなぐことが必要となっているのではないかと考えております。
資料2の4ページにて、そうした背景をマクロデータから振返ります。都市部以外の地方部において、こちらでは事例として中山間過疎地、地方都市、郊外都市について、それぞれA町、B市、C市のデータを振返らせていただきます。この中で移動課題を抱える層として、どういった層をターゲットとするべきかという点を考察しております。一番上段の免許返納後の高齢者について、今全国平均では78.2歳が免許返納の年齢です。この78歳以上の人口割合が特にA町、さらにはC市で高まっています。こうした地域においては、高齢者の移動の担い手をどう調整するのかといった課題があげられます。また、子育て層に関してはA町で顕著に表れていますが、子供の通学時の自家用車利用率が19.3%と非常に高いです。子育て層においては子供の通学のための送迎で負荷がかかっているということが想定されます。最後に観光客数と市町村の人口を倍率として見てみると、偶然ではありますが、A町B市C市ともに住民に対してかなり観光客数が流れ込んでいます。全国では2.3倍ですが、観光客の多い地域では住民と観光客の双方の需要のばらつきが大きいため、どう観光客の需要とのバランスを取っていくのかといった課題があげられるのではないでしょうか。
資料2の5ページは補足のデータになります。縦軸に人口密度、横軸に通勤通学時の公共交通の依存率を置いております。当然ながら、左下に寄っている人口密度が低い地域では公共交通の依存率も低いです。逆に言いますと、自家用車の移動が地域の移動を支えていることになります。先ほど申し上げました課題となっている免許返納後の高齢者や子育て層の送迎において自家用車に依存している状況であり、深刻化することが想定されます。
資料2の6ページをご覧ください。こうした背景を受けてデジタル庁の事業として需要側の移動というものを潜在的なものも含め捉えていく必要があることについてはこれまでのモビリティワーキンググループでも話されてまいりました。こうした捉えなければならない移動需要の種類としましては、顕在需要だけでなく、もっと移動したいと考えている、あるいは自分で気付いていないだけで移動すると地域にとっての良い影響のある移動需要まで含めて潜在需要としてとらえる必要があるのではないかと考えております。
潜在需要の種類は2種類あります。機能的な潜在需要は、買い物に行くことや効率的に移動需要を満たす需要です。つながりを生む潜在需要は、「地域とのつながりで更に理想的になる行動」と記載しておりますが、地域とのつながりで共に行動することが楽しいと感じるようなもので、主語が地域住民全体、コミュニティの単位となることが特徴として挙げられます。これら顕在需要だけでなく潜在需要を捉えるときに、現在のモビリティのデータではこのような潜在需要まではとれておりません。潜在需要を捉えるためには定量的なアンケート、インタビュー、ワークショップなどを通じて、どの程度我慢しているか、どの程度移動したいと考えているか、それによってどのような影響が出ているかを捉える必要があります。
その結果の一部を資料2の7ページでご紹介させていただきます。こちらは中山間過疎地のA町のデータです。ボリューム層や世帯構成を考慮した1433人にアンケートを実施しました。生活目的の移動や余暇的な移動の希望する移動頻度の水準と、実際に移動した水準との間にどの程度のギャップがあるのかという結果をパーセンテージで表現しています。こちらでは実際の移動頻度と希望する移動頻度の水準にはギャップが存在していることがわかります。例えば、①日用品の買い物ですと、全世帯においておよそ1割から2割程度、全体の希望水準に対して顕在需要が届いていないということがわかります。また、余暇的な移動目的、日用品以外の買い物では世代によっては6割から7割など、5割を越える潜在需要があることがわかります。反対に、子供世帯の通勤・通学のサポートでは移動頻度を減らしたいということがわかります。このように中山間過疎地のA町の事例では潜在的な需要が存在していることがわかります。
資料2の8ページでは中山間過疎地において、需要に対する移動サービスの提供主体がどのように構成されているかまとめています。左側に並んでいる主な移動目的に対して移動サービスの担い手が分散していることが見て取れます。運営の主体だけではなく、車両の保有者、ドライバーが分散していることが見て取れます。根拠となる法体系が違うためこのまま集約できるという議論ではありませんが、移動手段としては、住民にとっては様々なサービスを使い分けなければならないことや、車両、ドライバーなどの供給者側の観点からするとサービスが非効率になりがちな傾向にあると思います。
これから交通商社の役割・機能について背景を踏まえて考えていきたいと思います。資料2の10ページにて、こうした背景から交通商社について定義いたしました。左側の供給側の課題は振返りました通り、公共交通の利用者が毎年減少していることや、サービスが分散して利用者にとってどのサービスを利用すべきかわかりにくいこと、さらに一貫した体制になっていないことでそれぞれのサービスを提供する組織が独立していることなどが課題となっています。一方で、右側の需要サイドに移りますと、公共交通の利便性が悪いこと、家族に送迎を頼みづらく高齢者向け健康イベントの参加を諦めている、子供の放課後教育を充実させたいが送迎に課題を抱えているなどの潜在的な需要があります。これらの需要と供給を繋ぐ機能が交通商社として必要ではないでしょうか。資料2の10ページ下段に記載しているものが、交通商社の定義案です。「地域における移動需要の創出や集約と最適な移動サービスの設計を一体的に提案し、関係事業者にその実施を促す主体をいう。併せて、そのために必要となる移動需要の調査や新たな移動需要の企画、移動サービスの効率化に共通に必要となるシステムやアプリケーション等の整備を行う。」主体のことを交通商社の定義としております。このなかで特に重要となるのが、移動需要の創出や集約を行うことです。これまで供給側の整理はいくつかのアプローチがとられていましたが、移動需要の創出や集約を行うことが商社機能として大切なのではないかと考えています。
資料2の11ページで事例を1つ紹介させていただきます。こちらは第6回モビリティワーキンググループでご紹介いただいた暮らしの交通株式会社田島様の事例です。三豊市での事例では交通商社を田島様が標榜されておりますが、先ほどありました子供達に対しては「みとよ探究部」という小中高生に探究学習の場を作り、mobiのサービスで子供達の自立した行動を確保されていると考えております。シニア層に対しては「まごころサポート」という生活に寄り添うサービスを提供されており、移動頻度、外出頻度を上げることに貢献されている事例です。
資料2の12ページは三重県玉城町に走る「元気バス」というオンデマンドバスの事例になります。こちらのグラフに見て取れる通り、通所型介護予防事業の事業所延べ参加人数を表しています。目的地となっている介護予防事業所に向かう人々をオンデマンドバスで乗せており、運行主体は社会福祉協議会です。また、目的地の介護予防事業を行っているのも社会福祉協議会で、移動目的と移動手段を一緒に行っており、シニア層の外出増加に貢献している事例です。また、この地域の移動実態では、同じイベントに同じタイミングで集まる、地域住民が仲良くなることもデータで確認できております。さらに、それにより医療費の抑制効果に関してもレセプトデータでとれている事例です。
資料2の13ページをご覧ください。こうした事例を参考にしながら、今後交通商社機能をどのように構築していくべきか、その構築をステップ感とともに考えてまいりました。重要な点は、住民や交通事業者との協力関係をいかに築いていくかというところがポイントになります。そのためにステップ1とステップ2で社会受容性を高めていくことが重要なのではないでしょうか。
ステップ1ではどの程度地域に潜在需要を含めた需要があるのかを明らかにし、その需要を受けたステップ2で、小さくとも顕在化していく実績を目的と移動手段セットで作り広く周知していきます。その結果、地元関係者が新規の事業性・市場がそこにあることを認識し、社会受容性が高まっていきます。そうした中でステップ3としてさらに範囲を広げ、包括的な事業データを取り、移動サービスとの効率化を地域全体で議論していくという素地を整えていく必要があるのではないかと考えます。
資料2の14ページから具体的なイメージを記載しております。先ほどA町の事例でご紹介した日常的、余暇的な需要に関して、目標とする水準を可視化し共有します。需要サイドに記載しているパーセンテージのようにそれらの潜在需要がどれだけあるのかを明らかにします。資料2の15ページをご覧ください。ステップ2ではそれらの需要を満たす、あるいは新規需要を創出して本来の目的を満たす施策を、目的と移動手段をセットで提供しこの領域に絞って実績を残していきます。その中の新規事業で実際に移動需要が創出できた実感を地域の中で共有していく素地を整えることによって、市場創出の社会受容性が高まって行くことが期待できるのではないかと考えています。
最後に資料2の16ページをご覧ください。ステップ3では先ほどより少し範囲を拡大した需要を、共通アプリなどを使って需要データとして取って参ります。需要データをその地域の需要総数として認識したうえで、供給側としてはその需要を満たす合理的なサービスを熟議し、どうやったら効率的にその需要を満たせるのか、地域全体として考えてエコシステムを組んでいくことを考えると良いのではないかと思います。
資料2の17ページは補足になりますが、ステップ2の段階でサービスを絞っていく過程では地域のWell-Being指標なども使っていくことが考慮されます。地域の交通商社としてはこうしたWell-Being指標なども活用することによって、地域の幸福とその創出した需要がどのように関連するのか考えながら、移動需要の創出を考慮していく必要があると考えております。
最後に資料2の18ページ目では、そうした交通商社の担い手はどのようなプレイヤーが適しているのか、その専門性やプレイヤーとの関係性を案として記載しております。結論としましては、先ほどのステップ毎に求められる要件は異なってくると考えています。ステップ1の移動需要の見える化では、どのような需要を潜在としてとらえるべきか、あたり付けができるプレイヤーが求められます。ステップ2では、施策が自治体の担当課を跨ぐ、サービスを跨ぐことが想定されますが、それらを束ね、地域の関係者への働きがけができるプレイヤーが求められます。最後にステップ3では、共通アプリの設計や供給側の協議をリードできる力が必要になります。こうしたステップごとのプレイヤーに求められる要件が変わる中で、段階的にプレイヤーを拡張させていくべきか、エコシステムを拡大していくべきかという点は具体的な議論が今後必要だと考えています。交通商社の担い手としてステップとともに要件案を提起させていただきました。駆け足ではございましたが、「交通商社のあり方」というテーマで素案のご紹介をさせていただきました。ありがとうございました。
麻山参事官: 続きまして、「交通商社機能を支える共通基盤の在り方」についてお話をいただきたいと思います。モビリティを活用した社会課題の解決事例ということでMONET Technologies株式会社 執行役員弓掛様から、ご説明をお願いいたします。
弓掛氏: ご紹介いただきました通り、本日はモビリティを活用した社会課題の解決事例ということで、実装に至ったものを中心に5事例ほどご紹介したいと思っております。
初めにMONET Technologies株式会社の説明をいたします。ソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社が合弁会社として設立し、他国産自動車メーカー企業に出資いただいている会社でございます。
資料4の2ページにミッションを記載しております。このような株主が集まって作った会社ということもあり、「モビリティサービスを通じて人々の暮らしをもっと豊かに」をミッションとしており、テクノロジーの側面から「モビリティの新たな力を引き出し、社会課題解決と新たな価値を創り出す」ことをビジョンとしております。
資料4の3ページでは私どもの解決したい課題を掲示しております。移動需要に応え、買い物難民や医師不足といった課題に対して私どものテクノロジーを使い取り組んでおります。
MONET Technologies株式会社では、MaaS、データビジネス、自動運転MaaSの3つの事業領域に区切っております。MaaSは、「モビリティ」と「サービス」を組み合わせた言葉であり、既にオンデマンドモビリティでは48件、行政MaaSで27件、医療MaaSで21件実装しております。今年度末には増え、約100の自治体にて実装いただき住民の方に使用いただきます。全国に約1700ある自治体のうち100自治体のため、まだ多くのお客様が日本にいらっしゃると考えております。データビジネス領域について、テクノロジーでアプローチすることを申し上げておりますが、デジタルを使うことでデータビジネスが役に立つことができると考えております。こちらの事例に記載している通り、移動需要をデータにより把握することと同時に事業導入前に効果の有無や人の移動、時間の削減をシミュレーションしております。また、事業開始後にはデータで進捗を日々確認、事業の改善ができます。最後に自動運転MaaS領域では、ドライバーのいない車を走らせること自体を目的とするのではなく、自動運転に求められる課題をMaaSで解決できると考えております。自動運転で解決することのできる課題もありますが、根本的な解決には至らないのではないかと考え、自動運転とMaaSを組み合わせ解決していくということを行っております。
資料4の5ページに掲げております通り、需要は通院や通勤・通学、買い物や観光、子供の送迎があるかと思います。この後、5つほど事例をご紹介いたします。需要自体は潜在化しておりますが、需要の手前に社会課題があります。こちらには2つしか記載しておりませんが、地方のエリアでは多くの課題があります。例えば、路線バスの維持困難といった課題や無医地区の課題があります。これらの課題を需要としてオンデマンドモビリティや医療・行政MaaSとしての仕組みを供給しております。下部に記載の通り、需要に対してどのようにサービスとして提供するか、それをどのように設計するか、配車管理システムや車の用意、事業に必要な人材育成、データサービスについても取り組んでおります。
見過ごしてはならない点としては、顕在化した需要が正しいかということです。こちらに記載のある通り無医地区が全国に557地区ございます。医者を連れていく需要は顕在化しておりますが、これに対して弊社では単に医者がいないという課題ではなく、日常的にあるいは簡単に必要なときに医者にかかることができるという側面からアプローチをとっております。必ずしも医者を連れて行くだけではないという点をこの後の事例でご案内いたします。
通院や買い物に対するオンデマンドの事例を群馬県富岡市の例を用いてご説明いたします。基幹バス、コミュニティバス、デマンドを行われていた富岡市全域をオンデマンド化いたしました。市内に446か所にバーチャルなバス停を作ると人の移動が増加しました。導入後では導入前の2倍近くの人が移動しました。これにより、従来オンデマンドを使用していなかった学生が移動するようになりました。あるいは高齢者の方では、買い物回数や買い物の量が増加いたしました。これらがオンデマンド化の効果の一つです。
次に三重県鳥羽市の事例を紹介いたします。「医療MaaS」と「移送サービス」を行いました。「医療MaaS」とは診療所の移送を意味しており、看護師とともに患者さんのご自宅、近くに伺い、医師が診療所からオンライン診療を行っております。これにより医師を連れていくことのできないエリアにおいてもオンラインを通じて一定の診療を行うことができます。高齢者がパソコンを用いてオンライン診療することは難しく、また問診しかできないという問題を弊社が車を用意することでバイタルデータの取得や問診などを看護師のサポートのもと行うことができるようになりました。また同時にオンラインでできない診療に関しては患者さんを病院にお連れすることも行っております。全ての患者をお連れするわけではなくオンラインで診療しながら来院が必要な患者さんには病院へ来てもらうことに取り組んでおります。
次に山口県周防大島町の事例をご紹介いたします。こちらでは「医療MaaS」と「行政MaaS」に取り組んでおります。「行政MaaS」とは、役所窓口が車の中にあり住民の皆様に手続きいただけるものとなっております。週末のショッピングモールなどで固定の窓口を出す取り組みをされておられる自治体もございますが、私どもは車で住民の近くに行政が近づいていくというサービスを行っております。例えば、マイナンバーカードの登録や健康相談、デジタルデバイド解消を目的としたスマホ教室などを提供しております。医療と行政では全く違った方々を対象としておりますが、同時に取り組む背景としましては資産の有効活用があります。費用対効果や投資効果を考えると、車1台購入し医療に使うだけでは使用しない日があり、稼働率を上げられないといった議論もありました。私どもの車では内部の形を変更することができるため違った種類のサービスを一度に提供することができるため、自治体に取り組んでいただけております。
次に茨城県境町の事例をご紹介いたします。医療MaaSに見えますが、こちらは病気にかかる前の住民の方々に眼科の検査を提供しております。日頃の移動が不便になると病状が出る前の検査から足が遠のくことが顕著になってきます。元から自治体にて取り組まれていた検査の受診率を上げるためだけでなく、検査を受けていただくことで病気を発症する前に対処することが可能になりました。病気になる前に発見することで実際に病気になったときに比べ医療費の負担や身体的負担を軽減することができます。
最後の事例は愛媛県新居浜市での人材育成の例です。MaaSのサービスを取り組むにあたり、行政と弊社だけでなく地元のステークホルダーの皆さまの合意、共通認識が必要になります。令和5年度には国土交通省の人材育成事業を活用し、行政と住民の皆様、オンデマンドであれば交通事業者、医療関係者の皆様とともに課題を認識し、解決策を検討するためのワークショップを行いました。こちらも可視化されたデータを見ることで共通認識を醸成し方向性を一致させるためにも価値のある機会となりました。自治体の皆様も思い付いてすぐに事業を始められるわけではないため、右下に記載されております通り、共通認識をもとにロードマップに落とし込んでいくことができると、最終的にはその先の事業の導入を早めることができます。そのためにも私どもはより積極的に取り組んでいきたいと考えております。
資料4の11ページでは、私達の課題であり取り組んでいる「MaaSの価値証明」についてご説明いたします。先ほどデータを使用して、とお伝えしましたが、お客様の大半である自治体・行政の投資に対するアウトカムに焦点をあてております。こちらに記載の通り、投資された分だけ価値としての効果が出ていることを見るためにどのようなエリアにどのような車を走らせるか、運行設計上のデータを見ていくこともしております。また、需要側として移動傾向や実績データを住民の属性ごとに見ることもできます。最終的には下部に記載したように、事業性改善効果として、導入した時点では思った通り行かなかったが、期待通りの結果になった、というような共通認識を得るために同じデータをもとに議論をしております。同時に事故の低減やCO2削減といった社会的なコストの削減などの経済的波及効果も期待されます。先ほどの境町の例でも申し上げた医療費の低減などは時間をかけ効果を見ていく必要があるため単年度の効果だけでなく、投資対効果と費用対効果は社会的なコスト削減や経済効果を掴むことができるよう、一生懸命に取り組んでおります。
資料4の12ページでは取組みを通じた気付き・課題を記載しており大きく2点説明いたします。MaaS価値証明といった点では、サービスを導入することで得られる効果を可視化したいと考えております。そのためにもソフトバンク株式会社あるいはトヨタ自動車株式会社のデータだけでなく、他の活用データを広く共有することで価値証明が一般化できるのではないかと考えております。
事例のご紹介はしませんでしたが私共は自動運転MaaSの普及をしていきたいと考えております。先ほども申し上げました通り、現在の移動需要は人の移動が取り組まれております。しかしながら、移動しなくても解決する手法があると考えております。下に記載の通り、サービスの移動を自動運転化したいと考えております。自動運転の話にもありました通り、ドライバー不足の課題は顕著になってきております。サービスの移動で解決はできるものの、サービスを運ぶドライバーがいなくなる可能性があることを心配しております。自動運転MaaSを普及する中で、人の移動を支える一方でサービスの移動も同時に取り組んでいきたいと考えております。以上でMONET Technologies株式会社からの、ご案内・ご共有とさせていただきます。ありがとうございました。
麻山参事官: 弓掛様ありがとうございました。続きまして、「交通商社機能を支える共通基盤の在り方」について、デジタル化横展開推進協議会モビリティコミュニティの代表であります株式会社博報堂畠山様からご説明お願いいたします。
畠山氏: 本日は一緒に参加しております堀内とご説明させていただければと思います。本日は富山県朝日町という人口1万人、高齢化率45%の消滅可能性都市と言われた場所での取組を中心にお話しさせていただければと思います。冒頭で発表のあったEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社の考えをまさに実践しているとご理解ください。実際に取組んでいることは、潜在需要も含めた地域全体活動の需要をもとに地域交通を再編になります。こちらの活動は2019年より行っており、2020年からは村上統括官のご指導や他関係省庁の関係者の皆様とお話しをさせていただき、5年6年の歳月をかけて形にしてきました。
こちらは朝日町による朝日町のための活動ではなく、朝日町を起点として様々な地域の皆様にお役立ちいただければということで朝日町長も含めて行っております。実際に様々な市町で実践を始めております。そのような市町の代表例が朝日町とご理解ください。
資料4の2ページ中央をご覧いただくと「ノッカル」「LoCoPi」という単語が目に入るかと思います。こちらは耳にした方もいらっしゃるかと思いますが「ノッカル」という事業者協力型自家用有償旅客運送の日本第一号認定をいただいた公共ライドシェアサービスです。右に記載しているLoCoPiは昨年からスタートした、全世代がマイナンバーカードを使ってポイントを取得したり、地域通貨を使えたり、子供から高齢者の方まで使える全世代型の生活サービスです。ノッカル、LoCoPiが具体的に交通商社機能の実サービスとしてどのように機能しているのかについて本日はご説明いたします。
資料4の2ページ左側、供給サイドに記載のあるノッカルでは、公共ライドシェアだけを行っているのではなく、コミュニティバスからデマンドバスまで幅広い公共交通を同じ仕組みで簡単に運営しております。右側、需要サイドでは、本日話題となっている潜在需要にあたりますが、マイナンバーを利用したLoCoPiが、現役世代の方の商業・買い物から子供教育、病院、高齢者の100歳体操や娯楽施設など色々な世代の方が実際にポイントを使い、地域通貨として支払うことで機能しております。このようなことを地域交通全体の需給マッチングを考えながら、「こんな潜在需要があるということはこういう移動ができるのではないか」と供給と需要の双方を行ったり来たりしながら作っているのが全体像です。それを、行政、株式会社博報堂、地域の皆様、地域おこし協力隊などの皆様で官・民・地域一体の体制を作りながら進めております。こちらを3分割して事例を交えて供給側からご説明いたします。
第1に、供給サイドです。博報堂では全体モデルを見ながら仕組みの設計はしておりますが、供給サイドは当社の知見だけでは及ばない点もございます。そのため昨年からイツモスマイル株式会社、株式会社Will Smartと一緒になり、デジタル公共財を構想するだけではなく、実際に現場で使われている皆様とともに仕様を作っている状況です。加藤様からお話がありました共通アプリではどのような機能が必要なのかについて仕様の詳細は割愛してポイントのみをお伝えします。
資料4の6ページにあるように、実際に交通サービスの形を類型化いたしました。当社や他の2社がやっているところ、色々な事業者のサービス範囲を整理いたしました。実際にその中で共通している点について、単純に単一システムを使うのではなく、個社のサービスとの連携や交通商社についても議論を重ねております。
資料4の8ページが具体的にサービスを体系化し機能を整理したものになります。各社色々なことを行ってきましたが、資料にて黄色になっている、共通する部分が多いことがわかりました。
資料4の9ページをご覧ください。本日の議題の一つでありますデジタル公共財に関しまして、地域交通の運行に必要な機能は共通してあることが見えてきます。地域交通全体で需要も含めてどのように再編していくのが大事だと考えております。そのため供給サイドはできるだけ安価で色々な自治体様に提供していくことに加え、交通商社機能とどのように連携できるかという議論を今行っております。
第2に、需給マッチングについてです。こちらに関しては朝日町だけでなく色々な地域で実践させていただいております。マイカー走行データは移動のニーズが一番現れるデータのため、こちらを交通再編にどのように使用しているのかをご説明いたします。マイカー走行のデータを公共交通のデータと突き合わせることで需給マッチングしており、その結果必要なサービスを検討することを行っております。資料4の12ページにて具体例を紹介いたします。こちらの地図で緑色のマッピングしている箇所については現在マイカー交通を検討している箇所です。実際のマイカーが走行しているかを赤色でマッピングしており、住民にどのように移動しているのかがわかりました。既存の公共交通を青色でマッピングいたしました。赤色と青色が実際の生活を支えている交通ですが、こちらでは移動のニーズは十分にもあるにも関わらず交通空白が生じていることが判明いたしました。こちらも含めた移動ニーズから緑色の新停留所の設計をしております。現在、保険会社のテレマティクス保険のデータを使って作成しておりますが、今後は自動車メーカーと共にデータをかけ合わせながら、実際の車の移動ニーズと公共交通を掛け合わせて共創していきたいと考えております。資料4の13ページをご覧ください。そのため、人のデータではなく車両データはもっとオープンに公共財としてやっていくことができるのではないかと、先ほど申し上げた3社で協議しております。
第3に、需要サイドについてです。子供から高齢者までの需要サイドのデータをどのように取ってくるかご説明いたします。資料4の15ページにて朝日町でデジタル交付金などを使用して導入した、マイナンバーカードを活用したサービスLoCoPiを説明いたします。こちらはマイナンバーカード自体にサービスを書きこんで地域のポイント、地域通貨を作っているサービスです。資料4の16ページに実際の具体例を記載しております。マイナンバーカードをピッと機械に接触させることで、子供達の登下校時の連絡、スクールバスの乗降時の通知に使っています。また、高齢者には100歳体操に来た通知を送ったりすることで、高齢者本人の参加意欲を向上するだけでなく、現役世代の方への見守り通知を兼ねております。右側は公共施設、色々な一般施設で使えるようにしている事例です。朝日町では今年度約130店舗ほどあるうちの55店舗のお店でマイナンバーカードによる決済を可能にしております。
重要な点は、資料4の17ページにあるような需要データを収集することが可能だということです。開始当初のハードルは高かったですが、マイナンバーカードは国民の皆様が健康保険証や免許証と同様に持ち歩くものになります。朝日町はその活動を一足先に行っております。実際に出かけるときにはカードをタッチしていただき、色々な場所に出かけていただくことで「どこで誰が何に使っているのか」がわかる仕組みになっております。加藤様のお話にもありました通り、どのようにデータを収集していくかといった提起もありましたが、朝日町ではマイナンバーカードを利用し行っているとご理解ください。さらに、移動の潜在需要の話もありましたが、目的に応じて交通網を作っていくことを行っております。
資料4の18ページをお願いいたします。ここも重要かと思いますが、データを取得するにあたり、重要なことは本当にマイナンバーカードを使いたいのかという点です。マイナンバーカードを現地で見ていただくとありがたい限りでございますが、子どもから高齢者までマイナンバーカードを本当に使用しています。そのポイントの一つがLoCoPiの音になります。使用するときにはLoCoPiとタッチ音が鳴りますが、このように自然に使いたくなるような仕組みにすることが大事なのではないかと思います。さらに、コミュニティを作るというお話もありましたが、地域・地区別ランキングを作成することにより、昔からあった地区ごとの運動会で競い合うように、コミュニティの中で利用意欲をかき立てるような取組みを行っております。地域の皆様が自然に楽しんで参加する、地区で取り組んでいく中で、結果的に、行政サイド・交通商社にとってのデータ収集となり交通網を考える基礎となっております。
最後になりますが、実際に朝日町で行っていることを本日の趣旨に則った形でご説明させていただきました。繰り返しになりますが、地域交通を、需要、潜在需要という住民の活力に応じてマイナンバーカードという手段を通して行っていく、その裏側では交通をワンパッケージで再編し、官・民・地域でマッチングしているといった話でした。堀内様より補足ありますでしょうか。
堀内氏: 一点追加させていただきます。資料4の19ページ中央に官・民・地域共創のまちづくりという形で書いておりますが、畠山が申し上げております通り、左側の供給サイドからというよりは右側の需要サイドからどのようなニーズがあり、ニーズベースで左側の交通を描き直すことが非常に重要だと思っております。その時に交通だけではなく右側の需要サイド、例えば商業・子供・病院・ヘルスケア等も含めて、それぞれのテーマに対してどのような課題やどのようなニーズがあるのか、さらに一段階奥の需要やニーズを掘り起こして、どういう企画や形にすれば皆さん参加しやすくなるのか、といったところの設計自体もすごく大切だと思っておりますので、交通だけにとどまらず全体をどう再設計していくのかが非常に重要だと思っております。
畠山氏: 当社からは以上です。
麻山参事官: 畠山様ありがとうございました。株式会社博報堂と一緒に取り組まれているイツモスマイル株式会社におかれましては、この後意見交換にもご同席いただけるとのことですが、畠山様はこの後ご予定があるとお伺いしております。ご質問があればお伺いしたいと思いますがいかがでしょうか。
畠山氏: 堀内が会議に残っておりますので、そちらでご回答致します。
麻山参事官: それでは、デジタル公共財とその横展開について、デジタル庁の村上統括官からご説明をお願いします。
村上統括官: デジタル公共材について補足します。
資料5の2ページ目をご覧ください。人口増加局面と人口減少局面において、需要が供給に合わせる経済から、供給が需要に合わせる経済に変わるというレビューを最初に行います。例えば、乗客がバス停で時刻表通りに来るバスを待っているのは、需要が供給側の事情に合わせている状況です。これに対して、迎えの車が乗客のいる場所に迎えに来る場合、供給が需要側の事情に合わせていると言えます。また、8時半に出社するという就業ルールに従えなければ雇わないというのは、従業員という需要サイドが労働ポストを供給側の事情に合わせている状況です。しかし、現在は「8時半に全員出社しなさい」と言われても、「そんな会社には入らない」と言われる時代になっています。「ものが欲しければ店まで買いに来てください」という時代がありましたが、今では商品が消費者の家に届けられるのが当たり前の時代になっています。公教育において、生徒を集め等しく同等の教育の供給を目指すのが昭和の時代でしたが、現在では、教える先生の数が減少する中で多様な学びに対応することも求められ、教科担任制の導入や探究学習の強化、オンライン教育の活用など、子どもたちのニーズを満たした工夫が教える側にも必須になってきております。人口も医師も増えている時代は、かかりつけ医に通い、必要に応じて二次病院に行くという流れを人口増加とともに太くしていく中で、供給側が様々な患者ニーズを窮していました。しかし現在では、二次病院がだんだん遠くなり、人工透析を提供する医療機関が近隣から減少し、かかりつけ医も一つまた一つと減っていく状況にあります。このため、患者、すなわち需要が、積極的に医療機関を探さなければならない事態も発生しています。物流の観点でも、かつては供給者側の指示に基づき各売買契約の後に物流が動いていましたが、現在では契約前でも需要動向と物流効率に合わせて物流が商流よりも先に動く時代になりつつあります。行政サービスについても、市役所に出向いて手続きをする時代から、通知を受け取り手続きが自動的に行われる時代へと変化してきています。いずれも需要オリエンテッドな動きです。ここで注目したいのは、先ほどMONET Technologies株式会社のご説明にもありましたが、移動動線、オンデマンド、オンラインが実はワンセットになっている点です。交通手段があれば現地に行くことができますが、交通手段がなければオンラインで代替することが必要となります。医療でも教育でも同じように起きています。需要サイドの事情に合わせて、限られた先生、限られた医師を手当てする際には、移動の足の確保に加えオンラインを組み合わせることによって、個人に最適化されたサービスとして届けていかねばなりません。こうしてみると、モビリティの問題はモビリティの問題だけでなく、買い物、教育、医療等々、他の分野すべてにクロスする課題になっております。
資料5の3ページをご覧ください。ノッカルがライドシェアとしてうまくスタートをした重要なきっかけは「みんまなび」という放課後教育や「100歳体操」等の需要のためにも新しい交通手段が必要だというような、需要側の大義名分と一体的に、新しい供給サービスが企画された点にあると考えております。
資料5の4ページをご覧ください。 多くの方に言及をしていただきましたが、需要が減りつつある中で、供給側の再編だけを考えるのでなく、需要と供給の再編を一体的に検討することが必要であり、そのハブとなるのが交通商社機能でございます。 まだどういう形態になるかはよくわかりませんので、あえて「交通商社の『機能』」と記載しております。 自治体の中で交通商社機能を持つのか、自治体の外側に交通商社機能を持ったエージェントが出てくるのか、これからの部分もございますけれども、例えばMONET Technologies株式会社の説明や株式会社博報堂の努力を拝見しますと、まさに交通商社機能について、すでにこれまでいろいろな取り組みをされてきたということではないかと思います。
後半、「共通基盤」と書いている配車手配・運行調整、もしくは様々なデータの共有について説明したいと思います。端的に言えば、タクシー、バス、その他がバラバラの配車アプリを用いる非効率についてでございます。「デジタル公共財」として後ほど議論させていただきますけれども、配車アプリは、交通商社がイニシアチブを取ってサービス形態横断的に整備を進めるべき重要なアイテムの一つではないかという点を、需要供給の一体設計と合わせて、交通商社機能の議論に加えたいと考えてご提案申し上げます。
資料5の5ページをご覧ください。2027年の都心部でのロボタクシー事業の開始を含めて、資料5の5ページ右側にあるような大きな流れが出来てくると考えております。我々も自動走行車両を活用した事業化、サービスを考えておりますが、現状は、インフラ、ハード、ソフト、データ、ルール、サービスの6つの階層があります。まず道路インフラがあり、車両を持っている自動車産業が存在します。ここは日本経済を牽引する重要な産業です。自動車産業の中でも、最近では車載 OS において某社が 6 割のシェアを持っているのではないかという話が出るなど、情報サービス産業のレイヤーも形成されています。 また、運行サービスという観点で見ると、データを持つ地域のサービス業があり、加えてサービスのルールを規定する所管省庁が存在します。地域のサービス業においては、運輸局とのやり取り、交通協議会との調整、さらには地元のタクシー協会等との連携といった、多様な関係性が求められます。実際にロボタクシーのような事業を展開しようとすると、これら 6 つの分野すべてのセクターと調整し、やり取りすることが必要となってきます。仮にこの6階層を一気通貫するような方針を政府が指示すると、それが実現されてしまうような国であればまだしも、我が国の場合はそれぞれに色々な秩序や事情を背負った階層がございます。ここをどうやって一気通貫で新しいサービスを立ち上げるために協力に調整を推し進めていくのかということが課題になります。6つの分野を縦串で刺した上で、協調領域と競争領域の好循環を作っていかねばならない。この協調領域の一部に交通商社機能が入ってくる必要があるのではないかと考えております。
資料5の5ページ右側をご覧ください。デジタル公共財とデジタル公共インフラをあえてグレーとブルーに少し分けました。デジタル公共インフラは、通常の公共財と同じでございまして、デジタルの世界で言うとマイナンバーカードのような認証基盤や、ガバメントクラウドといった通信キャパシティのように、占有性があり、積極的にパブリックサイドが整備したほうが良いものでございます。当然、ロボタクシー等々でも乗車管理や予約管理などの本人確認をはじめとしたデジタル公共インフラに依存する部分があります。実際にノッカルでも活用いただいています。
デジタル公共インフラに対して、デジタル公共財として念頭に置いているのは、端的に言うと配車予約管理アプリのような世界でございます。これまでもMaaSとして一部大きな市場が形成されてまいりましたが、その中でも基本的な機能の部分を指しています。
資料5の6ページをご覧ください。例えば、株式会社博報堂が株式会社Will Smartやイツモスマイル株式会社と一緒に事業を行っているというお話がありました。神山町で実際に使っていただいているイツモスマイル株式会社は、左から3番目の例に近いと思います。もともと社会福祉法人でいらっしゃったイツモスマイル株式会社は、社会福祉法人の送迎用に配車予約アプリを持っていました。その配車予約管理等の部分が D、E、F、G機能 だとすると、それ以外にもイツモスマイル株式会社はオンライン介護の C 機能であるとか、介護としての予約機能の B 機能などをお持ちでいらっしゃいます。これに対し、株式会社Will Smartは、例えるならば4番目にあたるかと思います。もともと交通事業者向けのビジネスソリューションを多く提供している会社であり、一般的な to C の配車予約管理システムも持っていらっしゃいますが、それぞれのタクシー会社向けの業務用の資産管理ソフトや運転手の勤務管理システムなど、さまざまな機能を持っています。 実際に全国いずれの自治体でも、 to C で配車予約管理ができるサービス、すなわちD、E、F、G のような共通機能の部分は、いずれにせよ必要です。そこで今回、地方創生交付金の説明会でも、自分から「300万円クラブ」という話を自治体の皆さんにさせていただきました。国土交通省も関わるところではありますが、この秋、一部のソフトが高額で買えないがゆえに、アナログなライドシェアをやりたいという方々が出てしまったという状況がございました。しかし、個人情報を扱うしっかりとしたソフトを導入しようとすると、D、E、F、G機能 の部分だけでも 年間3,000万円程度かかるのは通り相場です。ただ、財政力のない自治体にとっては 300万円が限界。もし10自治体が同時にコミットし、共同利用、共同調達するのであれば、300万円×10自治体となり、本来マーケットとしては成立するはずです。しかし、実際にはその10自治体の連携調達の保証がないので、3,000万円でも購入できる資金力のある自治体は導入できる一方で、資金がない自治体には導入が進まないという状況が発生する。結果として、導入可能な自治体を MaaS ベンダー同士の取り合うことになりまして、EからGの協調領域部分だけでなく、A から C の競争領域の機能の部までを積極的に追加して導入してもらおうという方向の競争が始まってしまいます。 本来であれば、規模の小さな離島でも、配車アプリが使えるような世界を目指すべき、という観点からすると、まずは 300万クラブの協調領域の部分を切り出して共同でやるべきではないかと考えます。その上で、事業用ソリューションとして何を追加するか、社会福祉法人向けに何を追加するかという点については、それぞれの事業者が競争していただく形が良いのではないかと思います。 協調領域の部分を明確にするハーモナイゼーションの取組については、現在、デジタル化横展開推進協議会の枠組みの中で、約 300 社の方々にお集まりいただき、モビリティはその一分野として「D から G に該当するものは何か」という議論を民間主導で進めていただいています。役所が協調領域の定義づくりを主導すると、さまざまな不透明性の問題が出てくるため、民間のリードで進めています。その中で規定された協調領域の部分については、例えば交付金の補助率を引き上げる、あるいは財政力のない自治体のために国やパブリックセクターが一時的に買い上げ、安価に提供することで普及を促し、その後、市場が成熟した段階でベンダーに売り戻すといったような仕組みを現在検討しています。
資料5の7ページをご覧ください。実は地方創生ベースの中で、月一動線、週一動線、毎日動線の議論を進めております。モビリティハブという議論は以前からあり、神山に行った際にも学ばせていただきましたが、特に最近危機にさらされているのは週一動線の部分です。どこの市町でも「月に1回モールに行く」「県庁所在地に行く」「映画館に行く」といった月一動線がみられます。この動きの部分は、供給側も産業ベース・ビジネスベースでなんとか維持できています。一方で、毎日動線は通勤・通学・通所のために必要であり、地域コミュニティとの密接な関係の中で維持していかなければなりません。毎日動線が崩れる場合、その村は人口流出が急激に加速していくことになるでしょう。その手前で防衛線となるのが、例えば日用雑貨の購入がその地域で可能かどうかといった週一動線の維持・確保です。例えば高齢者用の紙おむつなどは、容積を取る割に利益率が低いため、コンビニ等の店頭から真っ先に消えていく商品ですが、高齢者用紙おむつが不要な地域はないはずです。これをどのように維持していくのかが課題となります。過疎地では宅配便が最後まで届かないケースもあり、問題はより深刻になっています。
資料5の8ページをご覧ください。こちらは地方創生全体の俯瞰図です。ここで根本的な問題となるのは、物流の維持です。コンビニFCの本部の方に話を聞いても、結局、物流動線を維持できるかどうかが、末端のリテールを維持できるかどうかの重要な要素になっているといいます。交通商社がこのハブ化全体を仕切れるほどの力を持つかというと、役場自体が関与しなければ難しい面もあると思います。しかし、こうしたハブ化を実現しないと、週一動線、毎日導線を守っていく旗振り役を失ってしまう。ここは、交通商社機能の重要な役割として期待したいと考えます。
資料5の9ページをご覧ください。こちらは、某国の自動走行事業者が、自動走行の事業化に向けた道行きを検討している、投資家向け説明資料の一部を抽象化してまとめたものです。彼らも実際の事業化においては、すべて自動走行で完結するのではなく、まず有人運転の世界からスタートすることを想定しています。有人運転のアナログ処理の世界に最初にデジタル化のフックをかけてくるのは、まず配車アプリや予約アプリと捉えています。そして、その次に、有人運転から自動運転アシスト付きの有人運転へ、さらに無人運転へと移行する流れで彼らは説明しております。例えば、ルート検索で AI を活用し、運転をほぼ自動化し、最終的には完全自動運転へと移行するプロセスです。 この流れを踏まえると、既存の配車アプリや車両運行アプリも協調領域として整理し、できるだけ安い価格にとどめることで、多くの自治体に提供できる仕組みを整えることが重要です。これは、都市部のように人口密度が高く、民間事業者のみで事業化できる地域に限らず、人口密度が低く事業化が難しい地域でも自動走行車両を導入するきっかけとなるのではないかと考えております。ぜひ、この点について皆さんとご議論を深めていければと思います。以上です。
麻山参事官: それでは、意見交換に入りたいと思います。まず、本日ご欠席の構成員からご意見をいただいておりますので、ご紹介させていただきます。
最初に岡本構成員ですが、電力事業者ならではのご意見をいただいております。電力事業者は、どの地域にも人がいるような、地域に根付いた会社であるからこそ、移動のマッチングだけでなく、さまざまなサービスに対して交通商社機能の一翼を担うことができる他、エネルギーデータは、人の行動観察にもつなげることができる可能性があり、そうした観点から、さまざまなお手伝いをしたいとのご意見を頂いています。また、路車協調が必要となる場合には、路側のインフラを最大限活用できるような形で支援を行っていきたいというご意見をいただいております。
次に、齊藤構成員です。交通商社機能について賛成の立場を取られておりますが、交通商社機能には、今後、公益的な民間サービスと連携するようなデジタル基盤を視野に入れて検討する必要があり、その際、交通商社の投資効果を最大化に向けて、稼働率を高め、交通システムを最適化することが求められるとのご意見を頂いております。そのためには、真の目的と必要なサービスを正しく捉えることが重要であり、将来像を想定しながら、交通システムの社会実装を進めることが必要であるというご意見をいただいております。また、4点ほど提案をいただいております。一つ目は、交通サービスだけでなく、住民や観光客などへのマイクロサービスも想定し、それらと連携する交通サービスとして社会実装を考えるべきというもの。二つ目は、こうしたサービスを提供する基盤の検討において、投資効果の最大化と社会的コストの削減を目指し、物理的な交通インフラの統括的な管理・活用の最適化を含めたアーキテクチャを構築すべきだというもの。三つ目は、システムは地域ごとに構築されるものの、運用・保守については共通化・共用化できるようにサービスの標準化を目指すことが必要であるというもの。四つ目は、全体を通じて、デジタル庁が核となりプロジェクトを推進すべきであるというものです。
最後に、鈴木構成員からです。交通商社機能を各自治体で個別に開発するのではなく、共通化することで効率が向上するが、民間が担うのが良いのか、公的機関が担うのが良いのかについては、議論を深めて頂きたいとのご意見を頂いています。また、現行の法制度では、タクシーやバスなどに限定される可能性があり、介護施設、学校、病院などの公的な送迎バスもこのスキームに組み込むべきではないかというご意見をいただいています。
それでは、意見交換を進めていきたいと思います。今回の議論では、デジタル公共財と協調領域が中心となるかと思いますが、前々回の議論で、共通基盤のデータセキュリティやルールメイキングについてもぜひ議論すべきだという意見がございました。今回、株式会社Will Smart、イツモスマイル株式会社にもオブザーバーとしてご同席いただいておりますので、前々回の議論で頂いた観点でのご意見もいただければと思います。また、本日の議論は地域生活圏にも深く関係しますので、国土交通省国土政策局にもご同席いただいております。オブザーバーという立場ではありますが、ご意見がありましたらぜひお聞かせください。それでは、時間の制約もありますので、まずは3分以内でご意見をいただければと思います。甲田構成員、よろしくお願いいたします。
甲田構成員: 貴重なご意見と示唆をいただき、ありがとうございます。デジタル庁の発表に関連して、いくつか意見と質問をさせていただきます。
まず、中山間地域ではないですが、町の中で保育園や幼稚園、小学校の移動に公共バスが利用されている例を見かけました。この公共バスは小学校専用のカードを出して、一定の時間に学校の送り迎えを行っています。デジタル公共財として考えると、現在の公共バスを民間利用や一定の利用ニーズが集中している場所に汎用化するという考え方も良いのではないかと思います。
また、資料2の3ページ、5ページについてです。家庭ごとの送り迎えや通勤通学、放課後の習い事などに関しては、オンデマンドでも賄いきれないほどの移動時間帯や場所があると思われます。そのため、習い事単位や学校に通う学童を対象とした小規模コミュニティで、代わりのドライバーを確保するなど、民間で課題を解決していく仕組み作りを法規制の緩和などを通じて行われれば、需要の掘り起こしや課題の解決につながる可能性があると思います。
資料2の5ページ、8ページにある潜在需要の掘り起こしの重要性に共感します。全国の自治体や企業と共に、地域の方々が子育てや医療の相談会などの地域のイベントに参加することがありますが、移動手段がないために参加できないというお声が多くあります。そのため、移動手段とのマッチングは、一つの会社が両方を行うのではなく、いかにプレイヤー同士がコラボレーションしていくことが重要だと思いました。
MONET Technologies株式会社の弓掛様に対しては、デマンドに見合うドライバーや人材の採用育成に関する質問があります。長い目では自動運転の採用を見越していると思いますが、現状においては人材の発掘と採用をどのように行っているのでしょうか。また、その効果を単年度では見ないとおっしゃっていましたが、どれくらいの年度で見ているのかが気になっております。
また、リクエストが一つございます。弊社では現在、三重県にて鳥羽市地域のつながりづくり推進業務を行っており、よろしければ個別につながりを持たせていただきたいと考えています。我々は需要を創出することに取り組んでいますので、医療だけでなく、複数の目的のある移動に関する相談機会をいただければと思います。
麻山参事官: ありがとうございます。交通関係の規制に関するお話がありましたが、国土交通省の総合政策に関わる部分であるため、国土交通省の総合政策局の担当者から一言コメントをいただけると幸いです。
土田課長(国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課): 交通関係の規制とは、スクールバスの公共バスの汎用化のことでございますか。
甲田構成員: それに加えまして、住民間でのライドシェアに関する法規制や規制緩和についての方向性についての質問になります。
土田課長(国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課): ありがとうございます。スクールバスのような様々な財源が入っている移動手段については、省庁の補助金の制約もございますが、その点について公共交通のリ・デザイン実現会議を立ち上げ、一定の取りまとめを行いました。スクールバスに地域住民を混乗させる取り組みや、朝と夕方のみ使うスクールバスを空き時間である昼間の時間帯に地域住民の輸送に使うことなどについて、どのように実現できるのか、国土交通省と文部科学省を含む関係省庁と議論をして、やり方を提示したところです。引き続き、そういった資源を多用途に使う取り組みを関係省庁と連携しながら進めていきたいと思っています。2点目の住民同士の運送については、道路運送法の許可登録もいらないような運送の方法があります。これに関し、ガソリン代や駐車場代等の実費だけを取っていただくのであれば、運送法の許可登録も不要で、運送しても良いといった内容についてのガイドラインを別途示しています。その範囲内であれば、届出もいらずに、住民間のいわゆる共助の形で運送していただくことが可能です。最近では、共助版ライドシェアという言い方もされていますが、各地で取り組みが進んでいるところですので、その取り組みも横展開を含めて一緒に取り組んでいきたいと思っています。
甲田構成員: もう1点お願いいたします。民間のスクールバスの社会ニーズへの転用だけではなく、公共のバスについてもスクールバスを持っていない学校に転用するなど、既存の公共サービスの活用について考えられているのか教えてください。例えば、習い事、小学校、中学校に広域から通学するためのスクールバスがない場合に、地域の公共バスを学校専用で走らせるという案でございます。学校が持っているスクールバスではなく、現在余っている、走っていない公共バスのルートを変更し、ピックアップが必要な保護者向けに利用を提供するという考え方です。そうすることで、現在各家庭が行っている送り迎えの負担がなくなるのではないかと考えています。
土田課長(国土交通省 総合政策局 モビリティサービス推進課): まず、小中学校については義務教育であるため、遠方から通う生徒に対して学校側が専用のスクールバスを提供し、移動手段を確保するというのは、すでに行われている取り組みです。そのうえで、スクールバスの地域住民による活用を進めたいと考えているのが、先ほど申し上げた内容です。その他のバスについてですが、例えば福祉用のバスや自治体が提供しているさまざまなバスが同じような路線を走っており、学生も一緒に運ぶことが可能であれば、そうした方向性も他分野との連携の一環として検討を進めていきたいと考えているところです。
甲田構成員: ありがとうございます。
麻山参事官: ありがとうございます。事務局とMONET Technologies株式会社へのご質問につきましては、この後、他の構成員からも、様々なご意見を頂くと思いますので、後程、まとめてご回答させて頂だければと思います。山本構成員、よろしくお願いいたします。
山本構成員: 交通商社についてITS JAPANとトヨタ自動車株式会社という立場、MONET Technologies株式会社の初代設立発起人という立場から交通商社の在り方に対する意見を述べさせていただきます。
まず、交通商社をコストセンターとして考えるか、プロフィットセンターとして考えるかについて、一番最初に皆さんで共有する必要があると思います。私自身は、コストセンターとして社会に必要な交通インフラの一つとして、社会が支えるという観点の方が持続可能ではないかと考えています。そのためには、かかるコストに関しては最小化しないといけないし、オペレーションする上での効率も最大化しないといけない。これを官民が一緒になって進めていく、そういう立ち位置になるのではないかと考えています。ただ、大事な点は、地域に根ざした活動でないといけない。それも日本全国津々浦々でサポートできないといけない。それから地域に対して責任を負える、そういう機関でないといけない。助けてやるぞ、ではなくて、地域全体の活性化と住民の皆さんの生活クオリティの向上に貢献していくような、そういうものでなければなりません。
ただ、日本の自動車産業や交通社会の強みをいかんなく発揮できるような、そういうことも考えないといけないのではないかというのが、1つの意見として持っています。その上で、今日は全く話題になりませんでしたが、日本の特徴の一つに、全国津々浦々にある販売店のネットワークがあります。トヨタ自動車株式会社だけでなく、日産自動車株式会社、本田技研工業株式会社、株式会社SUBARU、スズキ株式会社、ダイハツ工業株式会社など、すべてのカーメーカーが販売店を持っています。販売店の営業マンやエンジニアの方々は、地域住民の車やその他交通手段に関する細かい情報を持っています。例えば、いつ車を買い替えるか、ご年配になられていつ頃免許を返納されるのだろうかなど、地域住民に根差した情報をたくさん持たれています。したがって、交通商社を考えていく上で、今の日本全国にある、日本の強みでもある販売店の活用も検討してはどうかというのが私からのコメントとして申し上げたい内容でございます。
麻山参事官: ありがとうございました。村松構成員、よろしくお願いいたします。
村松構成員: 私から3点お伝えさせていただきます。まず1点目、交通商社機能ですが、大事なことといたしまして、ミニマムスタートというのがあると思っています。イニシャルコストをかけすぎてしまうと、ランニングフィーが上がって、最終的に何かしら支援がないと継続できない事態となることが、これまでの取り組みでは多かったのかなと思っています。いかにランニングフィーをかけないかを考えながらやっていく必要があると思っています。
2点目です。MONET Technologies株式会社から、進める上でネットワーク構築の重要性という点をお伝えいただいたと思っています。これは、私が取り組んでいるロボットについても同じでして、ロボットもいきなり導入するとアレルギーを感じる方が多いです。どうやってその仲間を増やして、仲間の方々がこの取り組みに賛同してくれるか、そのプロセスがすごく重要だというのを日々感じております。この点はぜひ行政の皆様にお力を貸していただいて、仲間作りや心理的なハードルを下げる点についてご協力いただけると大変助かります。
3点目です。株式会社博報堂からのご発言の中で、どういったUXが大事かという使いやすさについて観点がありました。こちら私たちも全く同じ状況です。例えば、ファミリーレストラン等で見られる猫型配膳ロボットが多々広がっております。正直なところ、猫型である必要は一切なく、機能的には不要です。しかし、結果としてこのデザインが社会的受容性を得て、お子さんからの評判がいい点を加味すると、本当にUXというのは最終的には大事です。武骨なゴツゴツしたロボットではなく、誰でも触りやすい、誰でも使いやすいといった点が大事と思っています。一歩目を刻む時も、私たち含めて、いま申し上げた点を構築していくのが大事と考えております。
麻山参事官: ありがとうございます。須田構成員、よろしくお願いいたします。
須田構成員: 交通商社のイメージが段々とクリアになってきているのではないかと思いました。いくつか私のコメントをお伝えします。1点目は、様々なモビリティサービスがあり、それをどう組み合わせるかが実際に運用していく上で重要だと思います。それぞれのサービスがどういう特質を持っているのかを把握していくことも重要です。交通商社がどこまで関わるのかが気になります。私の研究室では、社会人博士がMaaSの研究をしています。今回対象となっているような人口密度が低い地域で、自家用車以外の公共交通の代わりになりうるものをどう実現するかを検討しています。ひとつはオンデマンドサービスとカーシェアを組み合わせることで効果があるという研究をしており、成果も出ています。このようなモビリティサービスの組み合わせの検討が非常に重要だと思います。
2点目は、市町村の役割が非常に大きいと思います。自治体がどこまで関わるべきかの議論が重要になってくると思いました。
3点目は、先ほどの株式会社博報堂のマイナンバーカードで全部できるという話を聞いて、逆に心配になりました。匿名性がなくなる点です。今までの公共交通や自家用車には匿名性があり、誰がどこに行ったかが完全に把握されるわけではありませんでした。しかし、マイナンバーカードを使うと、その匿名性が失われる可能性があります。週一の行動パターンでは、毎日とは違って、どこに行っているかがわからないような移動もあると思います。このようなことに対してどうフォローしていくのかが気になっております。
村上統括官: ありがとうございました。麻山に代わり進行いたします。若菜構成員、よろしくお願いいたします。
若菜構成員: 交通商社について資料2で3点ほどお伺いしたいと思います。
まず、資料2の14ページのStep1「需要の定量的な把握」についてです。さきほどMONET Technologies株式会社もおっしゃる通り、需要の手前が重要という点に共感しています。利用者に潜在需要があるかを聞いても出てこないのが普通です。需要は供給の量によって変わるため、この時点で定量的な把握は難しいです。そのため資料2の14ページにある「街づくり施策」をむしろ需要サイドの青枠に入れるべきかと思います。ここがMONET Technologies株式会社の言う需要の手前になり、定量的把握よりは定性的な把握をStep 1で行うべきではないかと思います。
次にStep 2「需要創出に向けた積極的な働きかけ」についてです。この時点で、需要の対象者を把握し、それに対して供給を提案するというように、矢印を双方向にして何回かやり取りをしながら定量化する方が現実的な手順です。
最後にStep3「需給調整と移動サービスの効率化促進」です。共通アプリによる効率化に際して、マッチングして効率化することはもちろん重要ですが、効率化するには非収益セクターを供給サイドに入れることが必要です。株式会社博報堂が言及されていましたが、現実的には供給サイドに社会福祉協議会やスクールバスなどのセクターも入れないと効率化は図られないと思います。この点を再度検討いただければと思います。また、交通商社機能は、需要と供給を結び付けるマッチングだけではなく、新しい価値を創造する活性化のプラットフォームとしての役割を果たしてほしいと思っています。お出かけ自体に価値がある、楽しいという点がないと、なかなか出かけないことが見えてきています。まちづくり政策や交通施策を含めた交通商社機能があるという位置づけが現実的かつ夢があると思います。また、まちづくり政策を入れる観点として、例えば土日にイベントが開かれる際に、イベント側が供給サイドと需要サイドをマッチングしてほしいという要望があります。このまちづくり施策の部分が重要なセクターになってくるため、リアルタイムでマッチングしていくことが重要です。そのような表現も加えていただきたいです。
村上統括官: ありがとうございました。倉石課長、よろしくお願いいたします。
倉石課長(国土交通省 国土政策局 総合計画課長): 国土審議会の有識者会議で地域生活圏という、国土全体にわたり地域交通をはじめとして医療や教育といった日常の生活サービスを持続可能にしていこうという取組を官民の多分野でかつ広域で実現方策を有識者会議で検討しています。政府一体で取り組む、ということで、関係省庁も協力しており、6月までにその実装方策を取りまとめる予定です。有識者委員からは、基礎的自治体を超えた日常生活サービスの広域連携の観点から、デジタルプラットフォームの構築においては、近接していなくても、遠隔でも広域連携が可能になるとの意見をいただいています。また、自治体、民間企業、住民が共通の地域課題を解決していくために、デジタル公共財のようなサービスを可能にする横断的なツールが必要だということが議論されました。次回3月の会議に論点整理をし、実装に向けた考え方の整理を行う予定です。デジタル公共財や地域生活圏の実現という点で、政策連携についても協議検討を行い、今後ともやり取りをさせていただければと思いますので、よろしくお願いします。
村上統括官: ありがとうございました。それでは株式会社博報堂と一緒に協議会で協調領域の切り出しの取組を行っていただいております、イツモスマイル株式会社の青木様、よろしくお願いいたします。
青木氏: 資料2の16ページについて、若菜様からもご発言がありましたが、当社は2万人以下の過疎地区で公共交通の様々な施策や子育て支援を行う機会が多い状況にあります。弊社はシステムを提供するベンダーとして、例えばマイナンバーカードを使ってタクシーチケットの代わりにすることや、デマンド交通のシステムを導入することなど、資料2の16ページに記載される「共通アプリ」から入るアプローチが多いです。その中で機能しない場合は需要サイドと供給サイドのリサーチを行い、最終的には交通商社のような役割を果たしています。
しかし、最終的にはその効果がどうなるのかという質問を多くいただきます。MONET Technologies株式会社からも言及がありましたが、交通商社の機能として、どのような価値が生まれているのかを定量化することが重要です。津々浦々の自治体ごとに異なる課題に応じて、どのような価値や効果が期待できるのかという、価値に特化した定量的なデータベースを作成する必要があると感じています。
また、デジタル公共財については、デジタル庁、株式会社博報堂、株式会社Will Smart、他の民間企業と共通的な部分を作っていく中で、競争領域や協調領域についても議論が深まっていくと思います。デジタルに加えまして、供給と需要の最適化・価値定量化を、交通商社の機能として持たせることが重要です。そして、自ら取り組むべきだと考えている過疎地区の自治体も多いため、交通商社の概念があり、官民連携で取り組んでよいという方向性を打ち出す必要があると感じています。
村上統括官: ありがとうございます。川端構成員、よろしくお願いいたします。
川端構成員: まとめていただいた資料を拝見して、地域ごとの課題や規模による課題の違いを改めて感じました。
まず気になったのが、乗合を進めないと自動運転をどんなに進めても、移動の効率化は難しいということです。過去の事例になりますが、北欧でWhimというMaaSがサブスクリプションで移動サービスを提供した際、存外、乗り放題のプランに加入する人がいて、要は、金額はいくら払ってもいいから、オンデマンド交通と言うより、タクシー代わり便利に使いまくる人が増えて、市街地の渋滞が増えた事例がありました。地方に行くと、ただでさえ、公共交通が脆弱化している上に、タクシーの台数も限られています。そんな状況下で、オンデマンド交通を普及させても、交通量が増えすぎて、インフラへの負担が増したり、コストが高い移動が増えることになってしまいます。過去の事例からの学びと、現状の交通の供給状況を鑑みると、まずは乗合を進めた上で、自動運転やデジタル化といったテクノロジーで、人材不足の解消や、利便性の向上を図るというステップを踏むことが必要だと思います。
乗合を進めるというと、一概に「ライドシェアを進める」というキーワードが一人歩きする可能性がありますが、同じ「乗合」でも、ライドシェアというより、ライドプーリングという概念が近いように思います。ライドプーリングは、欧州で普及した考え方で、タクシーとバスの間くらいの乗合サービスをさしています。また、需要の喚起もしないと、乗り合いが進まないという見方もあると思います。需要喚起においては、マーケティングが重要になります。マーケティングとセールスフロントは、デジタルが得意とする領域であり、こうした部分は協調領域でもあると考えます。地域ごとに、あるいはプロジェクトごとに、マーケティングとセールスフロントをデジタル化するとなると、お金も人も十分にはないのが実情ですが、移動して楽しい、移動して健康になるなど、移動を喚起すること自体は協調領域として考えて良いと考えますし、交通商社やデジタル公共財等の共通プラットフォームに含むべきと思います。一方で、個別最適の移動価値は個別に行っていかなければいけないと思います。先ほど甲田構成員の取り組みについてお話を伺っていると、確かに地域やコミュニティごとの個別最適化を実践していただいた事例があり、そこは必要な施策だと思います。甲田構成員には、以前に、鳥羽地域のコミュニティのことをご相談したことがあり、個別最適を実践されている事例と思って感心しています。一方で、そうした個別最適化を全てにおいて行うのは、コストも時間もかかるので、協調領域として切り分けることができる部分は協調していくことも重要です。移動の価値や目的地を作っていく等は、協調領域として対応できます。具体的には、人が集まりたくなるようなイベントを作り、そのイベントを各地で持ち回りで行うであったり、お祭りのタイミング等のイベントの際に、航空券と一緒に地域の二次交通を組み合わせて販売するプラットフォームなどは、協調領域として取り組んでいけると思います。
また、先ほど村上統括官が言及されていた数千万の予算を確保できる自治体しかMaaSが導入できないという課題が非常に深刻です。裏を返せば、予算の都合でMaaSを導入できない自治体もあります。そもそも、DXへのハードルすら乗り越えられないという自治体も多いのです。そういった状態を改善するためにも、デジタル公共財という考え方が非常に重要です。ここでの課題は、競争領域をどこに線引きするかが重要です。現状、力のある自治体か、補助金を確保できる自治体以外にとって、MaaSの導入は手が届きにくいものになっています。例えば、移動の課題を解決したいという切り口からご相談を受けた場合、相談を受けた人が補助金を取りに行くところから始めて、デジタル化も面倒見るとなると、予算を確保する作業も大変ですし、予算が取れたとしても、今度はプラットフォームの構築から手がけることになります。地方ではIT業者も限られますので、公共財化は非常に重要と思いました。とにかく移動の価値、移動を創造していくマーケティングというのはデジタル化とともに協調領域として行った上で、そこから需要喚起して、乗合を進ませて、自動運転のようなテクノロジーで人材の不足をカバーするという順番になると思います。
村上統括官: ありがとうございます。イツモスマイル株式会社と一緒に取組されている株式会社Will Smartの石井様よろしくお願いいたします。
石井氏: 先ほどからお話しに上がっておりますデジタル公共財、共通基盤の仕様検討に入らせていただいておりますITベンダーとしての立場で参加させていただいております。デジタルは本来地域を飛び越えたもので、データも仕様上共通化できるという特性があります。ただ、交通は縦割りでエリアごとになってしまうため、デジタルの特徴をなかなか生かしきれなかったという問題がこれまで起きていました。村上統括官からもご説明がありましたが、共通仕様をまとめて、その機能を共通化して、できるだけ廉価に同じようなものが使える状態を、特に自治体に向けて提供することによって、供給力を高めていくお手伝いをできます。また同時に、これを利用していただくことによって、様々なデータが取れます。もちろん、個人を特定されるデータは一定のマスキングをしながら、データの安全性や特性を一部担保しながら、できるだけそのデータを共有化することが考えられます。例えば、マーケティングにおいて、とある地域で確認できた需要を共通基盤中で流通させることによって、自地域内での需要探索だけではなく、もう少し広く傾向的な需要を把握することもできるようになってくると思っています。今後、この仕様を詰めていく中で、このデータの共有性、また共通利用可能性を高めていきたいと考えているところでございます。
村上統括官: ありがとうございます。日高構成員、よろしくお願いいたします。
日高構成員: 交通商社の概念については行政による交通課題解決も重要だと思いますが、民間の稼げるビジネスとしても事業を重ねていけると交通商社としてもスケールもできるのではないかと思いましたので、事務局にてご検討いただければと思います。
村上統括官: ありがとうございます。MONET Technologies株式会社から一言いただけますでしょうか。
弓掛氏: 甲田構成員からいただきました質問に回答いたします。ドライバーの採用や発掘につきまして、私どもは地元の交通事業者様と手を組んで行っておりますのでMONET Technologies株式会社自ら発掘はしておりません。ただ、ドライバーの不足というのは皆様の共通の課題かと思っておりまして、解決策の一つがライドシェアであり、その先に自動運転もあるかと思います。いずれにしても一朝一夕でドライバー不足が解消できないと思っておりますので、ドライバーを増やすだけではない方法を探っているところです。もう一点、効果の測定が単年度だけではないと申し上げました。では何年ぐらいかという質問があったかと思います。例えば、定住者が増えることによる経済的効果は、例えばMaaSにより人の移動が便利になっただけで人が増えるかというと難しいと思っております。医療費の削減も同じで、病気によって違ってくると思います。このあたりは単年度で見ていくものもあれば、複数年度を組み合わせていくものもあるかと思います。いずれにしても移動が課題解決に効果があることを見せていきたいと思っております。また、甲田様がおっしゃっていた鳥羽地域の件は、別途よろしくお願いします。
村上統括官: ありがとうございました。石田構成員、よろしくお願いいたします。
石田構成員: 3点申し上げます。交通商社機能は、倉石課長のおっしゃられた通り、地域生活圏における地域マネジメント法人と非常に似ておりましたので共同で行っていただければと思います。何のための交通商社機能かについては、いいサービスを垂直的に統合して地域の持続可能性を高めることが目的だと思います。ただ、村松構成員も言及されたように、スタートに当たっては高望みしすぎると発車できません。例えば、医療とか教育の関係者は苦労されており、岩盤規制に手を付けると収拾がつきません。また、村上統括官から言及されました300万円クラブに関して、10の地域を集めると、地域に合わせた付加機能が増えていって、最終的には3000万円の予算が収まらない心配があります。そのような意味でミニマムスタートのあり方をよく考えなければならないと思いました。
2番目に、データとプライバシーの問題です。これは協調と競争の話にも関連してくると思いますが、誰が本当のデータの持ち主かということが重要です。これは市民、国民、ユーザー等ですが、その人たちのための社会課題の解決を考える際に、データを管理している人ではなくて、本当の持ち主や本当の意味での社会課題をもう一度ちゃんとした議論をしないと、今のままでは出口がないと思っています。
3点目は、資料2の感想です。潜在需要の捉え方や交通商社の担い手が狭すぎるような気がしています。畠山様は言及されませんでしたが、富山県朝日町のすごいところは持ちつ持たれつ社会である点です。時には助けられ、時には助けるという担い手とサービスのレシピエントが入れ替わるような境がなくなっていくことが重要だと思います。そういった時の潜在需要や交通商社の担い手は何なのかということについて、もう少しフレームを広げていただければありがたいと思います。
村上統括官: ありがとうございました。私から3点まとめさせていただきます。
1点目は、ミニマムスタートでありながら価値創造まで踏み込まなければならないという捩れを、どう切り抜けられるスタート地点を探すか、実際の事業の効果がうまく説明できるか、といった点を難しいと考えておられることについては、皆様異存はないと理解いたしました。一方で始め方が難しいというご指摘もいただいたと認識しております。
2点目は道具が共通でも良いのではないかという点です。基本的には合意いただけたかと思いますが、配車アプリも、制御系システムも、自治体毎に違うものである必要はないと言うことです。また、それを担うプレイヤーとしては、地域の自動車販売店を使ってはどうか、地域マネジメント法人の議論をしっかりおこなってはどうか、などのアドバイスをいただきました。
3点目には、使用するデータについて、プライバシーの観点も社会的受容性の問題も含めて整理していくことが必要です。
3つほど大きな切り口と宿題をいただきました。ぜひこの議論を次回に向けて深めていただければと思います。それでは、閉会にあたり森主査より今日の総括をお願いいたします。
森主査: 皆様、長い時間活発なご議論をありがとうございました。話題提供いただきました弓掛様、畠山様に厚く御礼申し上げます。本日の議論を進める上で大変有意義で参考になるご説明をいただきました。色々なご意見をいただいているところでございますが、モビリティサービスの拡充は地方創生を進めていくために必要不可欠なものです。MONET Technologies株式会社がご紹介されたMaaSの価値創造は間接効果かと思いますが、直接効果を見せるためにもデータ含めてコスト構造の解析ができる議論をしていただくと、自治体としても取り掛かりやすいのではないでしょうか。例えば、バスや自動車といった移動ツールの費用、交通の維持に関わるインフラの費用や情報のプラットフォーム、医療や学校などサービスごとの情報インフラ費用、人件費などの様々な費用の全体像がモビリティサービスの費用となります。これらモビリティサービスのコスト構造を解析し、わかりやすく説明することで自治体も取り組みやすくなるのではないでしょうか。先ほど300万円グループという説明もありましたが、自治体が進めていく中でどういうサービスまで提供し、どの程度のお金がかかるのかを解析することも必要であると思いました。
特に今回議論いただきました、交通商社機能、移動の自由に制約のあるエリアで様々なモビリティサービスを進めていくことは必要不可欠です。今回ご議論いただきました点を、モビリティロードマップ2025を策定していく中に是非とも反映させていただければと思います。各府省庁においても、交通商社の普及・定着をどのように支援できるかという点をお考えいただき、ご提案いただければと思います。
次回のモビリティワーキンググループでは先ほどご紹介ました通り、モビリティロードマップ2025の骨子案をご議論いただく予定になっております。前回からご議論いただいております自動運転の実証、実装も盛り込んでいただき、各府省庁にもご提案いただければと思います。最終的には政府決定のプロセスへ持ち込みますので、ぜひ皆様には、各府省としてやりたいことや課題になっていくことの解決策をご提案いただき、まとめていきたいと思っております。引き続き構成員の皆様には積極的なご討議、ご提案をお願いし私からのご挨拶とさせていただきます。
村上統括官: ありがとうございました。次回は3月27日を予定しております。資料6にもございますが、各府省の皆様とは3月27日までの間、個別にご相談させていただきます。これまでのワーキンググループで委員の皆様からのご意見や問題意識はほぼ出尽くしたと思いますので、3月27日の際に改めて、これを踏まえて各府省での施策の進捗状況のご報告をいただくと同時に個別相談の結果を踏まえた骨子案を公表させていただきたいと思います。資料・議事録等につきましては、通常通りの手続きで公開いたします。本日はお忙しい中ご参画いただきましてありがとうございました。
以上