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モビリティワーキンググループ(第3回)

概要

  • 日時:2024年3月26日(火)10時00分から12時00分まで
  • 場所:オンライン
  • 議事次第:
    1. 開会
    2. 議事
      1. モビリティ・ロードマップ2024(仮称)のとりまとめの方向性について
      2. 「AI時代における自動運転車の社会的ルールの在り方検討サブワーキンググループ」の検討状況について
    3. 意見交換
    4. 閉会

資料

議事概要

冒頭森主査よりワーキンググループの開催にあたって以下の挨拶があった。
前回の会議を踏まえ、各府省庁で今後検討すべき施策につき、時間軸を含めて検討。今回はモビリティ・ロードマップの骨子案を議論のたたき台として提示し、有識者の忌憚ない御意見をいただきたい。また、関係府省庁においては有識者の示唆を踏まえた今後の対応方針について積極的に御発言いただきたい。

1. モビリティ・ロードマップ2024(仮称)のとりまとめの方向性について

資料2、参考資料1に基づき、事務局より自動運転等新たなデジタル技術を活用したモビリティサービスの社会実装に向けたモビリティ・ロードマップ2024(仮称)のとりまとめの方向性や、現時点での施策案について説明。

主なご意見

自動運転等新たなデジタル技術を活用したモビリティサービスの社会実装に向けて、モビリティ・ロードマップ2024(仮称)における施策の方向性についての御意見を有識者及び関係府省庁から以下のとおりいただいた。

モビリティ・ロードマップ骨子(案)
  • 有識者
    • 自動運転技術の「醸成」という言葉では躍動感に欠けるため、修正が必要。
    • カーボンニュートラルの要素があっても良い。
    • 海外連携、展開の要素があった方が良い。
    • ロードマップの中に全体の工程が必要。
モビリティ・ロードマップの考え方
  • 有識者
    • モビリティサービスの事業化に向けた市民、国民の参画度合を明確にすべき。
    • 来年度以降は人と物のモビリティを分けて考えるべき。乗客としての人をどのようにシステムに取り入れて、それによって皆の負担が小さくなることを国民に働きかけてほしい。
    • 人材育成等モビリティ・ロードマップを支える産官学の体制の取り組みがあった方が良い。
    • モビリティサービスの近未来図の目指す場所や、その実現のために段階的に各分野でどうやるのかというビジョンが必要。
    • 社会的KPI、財務的KPI等でどのレベルを目指すのか目線合わせが必要。
    • モビリティDX検討会と足並みを揃えるべき。
    • 歩行者等他の交通参加者との関係も施策に取り入れるべき。
    • 短期的にはスモールスタートで、始められるところから始めるべき。
    • 米中のやり方にとらわれすぎず、地域の交通環境やユースケースに則した日本らしい自動運転社会を実現することを念頭に置くべき。
    • 自動車メーカーのグローバル展開を念頭に置くと、インフラ協調連携のシステムモデルになることも視野に入れて良い。
    • 手の挙がった特定の自治体にフォーカスして支援をすることで、コストを縮減させる方法が見えてくる可能性があるのではないか。
    • 関係主体ごとにフィールドを分けて考えたり、各施策の重点項目を短期、中期、長期で分けて考えたりする必要があるのではないか。
    • 統一基準も重要だが、限定条件で始めることも議論すべき。
  • 関係府省庁
    • 日本の考え方が国際社会のデファクトスタンダードになるよう取り組む。
    • モビリティ・ロードマップを民間事業者が見て、この分野に投資してもらえるようなメッセージが込められていることが重要なため、次回に向けてファインチューニングしていく。
    • 事業のメニューだけではなく、事業のやり方について連携や横串を刺した整理を今回の骨格を前提に、官民ともに深掘りしていきたい。
    • 自動走行車両は安全という社会的インパクトをメッセージとして言っていくべきであり、そのためにもどのような統計を使うべきか各府省庁と相談したい。
    • 本ロードマップを実行するにあたり、いつ、どのような自動走行車両が事業として走っているのかメッセージを出したい。
    • 需要と供給を組み合わせて、自動走行車両の事業化を段階的に行っていくことと、その先に目指しているものをうまく提示し、民間の事業者が自動走行車両に深く関係していると気付けるようなロードマップにしたい。
需要の可視化・創出
  • 有識者
    • 鉄道やバスターミナルと接続することで自動運転が補完され、地域へのメリットが増加する。
    • 移動需要だけでなく、サービスへのアクセスという観点も含める。
    • 社会受容を熟成してビジネスモデルを確立していくことが重要。
    • 自動運転を受け入れる地域のフィードバックも受けながら実際の事例を作っていくことが重要。
    • 会社の通勤バス以外にも、通学・通園バスを代替することが、需要的にも費用的にも自動運転の支援に繋がるのではないか。
稼働率向上・経路効率化
  • 有識者
    • 遊休資産の活用、貨客混載のような空気だけを運ばない工夫が必要で、ステークホルダーを増やして、ビジネスモデルを明確化することで、経済が循環していく。
    • 利用者へ速達性や運行頻度といった利便性を提供しなければ社会実装はされない。
    • 利便性の提供という観点では、いかにモビリティの待ち時間を少なくするかが重要。
  • 関係府省庁
    • モビリティ・ハブの整備方法や機能に係る詳細な検討を2024年度中に開始予定。
ソーシャルインパクトに対する貢献の評価
  • 有識者
    • EV等から得られる電力関連データとの連携によるソーシャルインパクトの評価を引き続き実施してほしい。
    • カーボンニュートラルが新しいモビリティで解決すべき大きな課題。
    • インフラ協調等の施策の成果を自動運転以外へも利用する事で交通の安全を向上できる事を示してほしい。
  • 関係府省庁
    • SIPの中で、自動運転サービス導入に向けた指針の作成に取り組んでいる。
    • 自動運転が歩行者等の他の交通主体へ与える影響を踏まえ、安全を確保するとともに、その技術が他の主体にとっても安全であるとの認識を高めることが重要。
初期費用・運行費用低減
  • 有識者
    • 社会コストを抑えるために、使えるのであれば既存の電力インフラを活用してほしい。また、保守の共通化による費用低減も見込めるのでは。
    • 整備、点検の効率化、持続的な車両の使用、センサー寿命の短さに対する検討も必要。
運行経費負担の柔軟化
  • 有識者
    • 関係者を明確にし、全員がwin-winであることを絵で示すことが重要。
  • 関係府省庁
    • 地域の輸送資源を最大限活用する観点で、地域交通のリ・デザイン会議で議論を進めている。
    • 施策の方向性として記載しているものは公共交通維持に係るものであり、自動運転そのものの官民負担の在り方は関係省庁において検討を進めるべき。
学習機会の拡大
  • 有識者
    • 生成AIの台頭もあり、学習環境をいかに整えるか、大量の画像情報をいかに効率的に収集・処理するかが技術開発の勝負所。これには計算資源を国としてどう構えるかが大変重要になる。
  • 関係府省庁
    • 審査基準の透明性及び成功事例の創出を関係府省庁と連携しながら取り組む必要。
路車協調技術の確立
  • 有識者
    • 技術をどのように使っていくのか、トラブル時の責任や信頼性の基準等も検討してもらいたい。
    • 路車協調において、誰が何を担うのか役割分担案を具体化したうえで、コスト低減などどのようなメリットがあるのかを明確に示すべき。
    • 交差点デジタルツインの実現や自動運転車の常時モニタなど、自動運転社会に必要なITSインフラとICTインフラの両面について関係府省庁と議論したい。
    • 共通のアーキテクチャによる基幹インフラシステムを構築し、その上で地域ごとにMaaSのような各種サービスを提供することが構想に入るのでは。
    • データ駆動型社会実現に向けた各システムのデータ連携を可能とするサービス基盤が必要。
    • インフラ全体としての投資を共通化できるサブスクのような形態などで、安価な利用モデルを考慮することも視野に入れるべき。
  • 関係府省庁
    • コスト面を考えた際に真に必要な通信インフラは何かという観点も重要。
    • SIPにおいて、V2N方式による信号情報提供技術に関して調査研究を進めており、費用負担の在り方や信号機不良時の対応についても検討を行っている。
    • 新東名高速等において、2024年度中に自動運転サービス支援道の実装に向けた取り組みを開始予定。
    • 最初はバスのような定路線からスタートしていくことも、日本式の自動運転の普及の仕方の1つとも言えるのではないか。
その他走行技術の確立
  • 有識者
    • モビリティサービスの効率性を上げるための技術ついて、鉄道、バス、タクシーにおける工夫もあるため、活用の可能性はありうる。また、路車間協調や専用レーン化についても検討を進めれば、自動運転は実装されていく。
    • モビリティ分野のデータ利活用のため、データを売ってお金を稼ぐことも重要。
  • 関係府省庁
    • SIPの中で、モビリティ関連データの相互利活用基盤の検討に取り組んでいる。
    • SDV化への対応や企業へのデータ連携等、DX全体を貫く議論を進める必要。
社会的受容性の向上
  • 有識者
    • 個別のメーカーだけの責任にしないような仕組みが必要。

2. 「AI時代における自動運転車の社会的ルールの在り方検討サブワーキンググループ」の検討状況について

資料3に基づき、事務局より、これまでのSWGの検討状況と、今後の議論の方向性を説明。

総括

閉会にあたり森主査より全体を通してのワーキンググループの総括を以下のとおりいただいた。

  • 自治体による手挙げをベースとし、関係府省庁の補佐級や大学教授、業界の有識者含め手を挙げた自治体に対して伴走支援できるような体制の構築が必要。
  • 費用の捻出に関しては、例えばデジタル田園都市国家構想交付金の活用や手が挙がった自治体に限定した支援、チューニングに関してはSBIRの活用、運行支援は各種団体の協力による企業版ふるさと納税等、地域を50か所程度に限定することで様々な応援が期待できる。
  • 次回に向けて、各府省庁においては施策の中身、時間軸を早急かつ積極的に御検討いただき、モビリティ・ロードマップ2024(仮称)を取りまとめて、政府決定プロセスに持ち込みたい。

以上

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