マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第6回)
概要
- 日時:令和4年(2022年)10月5日(水)13時00分から14時30分まで
- 場所:オンライン開催
- 議事次第:
- 開会
- 議事
- 利用者目線の行政サービス実現に向けたトータルデザインとマイナンバー法改正の検討について
- 閉会
資料
参考資料
議事録
日時
令和4年(2022年)10月5日(水)13時00分から14時30分まで
場所
オンライン会議
出席者
- 河野 太郎 デジタル大臣 ※欠席
- 赤石 浩一 デジタル審議官
- 安宅 和人 慶應義塾大学環境情報学部教授/ヤフー株式会社 CSO ※欠席
- 太田 直樹 株式会社 New Stories 代表取締役
- 齋藤 洋平 フューチャー株式会社取締役 CTO
- 庄司 昌彦 武蔵大学社会学部教授
- 森信 茂樹 東京財団政策研究所研究主幹
- 浅沼 尚 デジタル監
- 江崎 浩 デジタル庁 CA ※欠席
- 水島 壮太 デジタル庁 CPO
- 冨安 泰一郎 デジタル庁統括官 ※欠席
- 楠 正憲 デジタル庁統括官
- 三橋 一彦 総務省大臣官房審議官
- 上原 哲太郎 立命館大学情報理工学部教授
- 大谷 和子 株式会社日本総合研究所執行役員法務部長
- 後藤 省二 株式会社地域情報化研究所代表取締役社長
- 宍戸 常寿 東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 菅原 晶子 経済同友会常務理事・政策統括
議事録
木村参事官: 定刻となりましたので、ただいまから、第6回マイナWGを開催させていただきます。お忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。
デジタル庁参事官の木村が今回も司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
オンラインにて、報道関係者も含めまして一般公開する形で開催いたします。既にオンラインで傍聴していただいておりますので、その旨、ご報告いたします。
本ワーキンググループの構成員、特別構成員は画面をオンにしていただきまして、音声は発言時のみオンにしていただければと思います。それ以外のオンラインで傍聴される皆様におかれましては、画面をオフ、音声をミュートにしていただければと思います。
本日は、有識者の構成員や関係省庁のオブザーバーの方々に出席いただいております。
なお、河野大臣は政務により、本日はご欠席となります。河野デジタル大臣よりご挨拶を頂戴しておりますので、私のほうより代読させていただきます。
本日はご多忙の中、第6回「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」に参加していただき、感謝申し上げます。
前回は、適切な支援等が迅速に受けられる環境の整備のため、3分野にかかわらずマイナンバーの利活用を進めるべきといったご意見をいただきました。デジタル化により国民にとって便利な社会を構築していくためには、マイナンバー制度の利用拡大に向け、より抜本的な検討が必要だと思います。
具体的には、新たな行政サービス提供などにより、行政機関間の情報連携が新規に必要になった場合により速やかに情報連携が開始できるよう、情報連携の範囲に関する制度面からの検討をお願いしたいと思います。
加えて、これまでの議論を踏まえ、連携する行政サービス同士が同一システム内にある場合について、行政機関間の情報連携をより効率的に実施できるよう、情報連携の手法について、システム面からの検討もお願いいたします。デジタル社会にふさわしいマイナンバー法の在り方やシステム上の安全措置について、前向きで忌憚ないご意見をいただければ幸いです。
本日も有識者の皆様には活発なご議論をお願いいたします。
以上でございます。
それでは、早速議事に入ります。
まず、資料における前半の議題について、楠統括官よりご説明させていただきまして、構成員、特別構成員の方よりご意見をいただきたく存じます。後半の議題につきましては、その後に楠統括官より説明させていただいて、ご意見をいただければと存じます。
それでは、楠統括官、ご説明をお願いいたします。
楠統括官: では、よろしくお願いいたします。前半は制度の話からこの後の検討についてお話をさせていただければと思います。
まずは課題認識及び現行の措置について、もとよりこのワーキンググループにおきましては、「スマートフォンで60秒で手続が完結」「7日間で行政サービスを立ち上げられる」「民間並みのコスト」ということを、2025年を当面の実装ターゲットとして検討を進めているところでございます。
このため、システム的にはコンポーネント化、疎結合化、柔軟性の高いアーキテクチャの実現と、このためには、来年の通常国会においてマイナンバー法改正を含む必要な法案提出等の法令の整備を実施するということを本年6月の閣議決定において決めたというところでございます。
この中で、前回もお話しさせていただきましたけれども、情報連携の手法を最新化して、新規で必要とされる機関間の情報連携を速やかに実施できるようにしていく。また、同一システム内における機関間の情報連携を効率的に実施できるようにしていくということを行政機関のバックヤード連携のさらなる推進として考えているところです。
現状、マイナンバー法、情報提供ネットワークシステムの構築に当たりましては、立法時にあった番号制度に対する懸念や住基ネット最高裁判決の要旨を踏まえて、現行制度において十分な措置、分散管理をはじめとした対応を行っているところでございまして、この情報連携の範囲・手法に係る検討に当たっては、こういった要素を十分に踏まえることが重要で、個人情報保護を確保するということを前提として進めていく必要があるということでございます。
情報連携の範囲につきまして、この数年、特に住基ネット最高裁判決の後にマイナンバー制度と一体で運用していく中において大きな環境の変化がありました。一つは、当初、マイナンバー法とともに特定個人情報保護委員会が設置され、その後、個人情報保護法の改正によって「特定」を取って個人情報保護委員会として現在活動している。こういった中で、マイナンバーにおける連携に関しましては、特定個人情報保護評価の実施というものをきちんと行っているということもございますし、先般、デジタル社会形成整備法を通じまして、個人情報保護法制の見直しでもって、いわゆる二千個問題と呼ばれていた国・地方・民間の個人情報保護法制のきちんとした一貫性のある体系の再整理が行われ、全国的な共通ルールが規定されたところでございます。
また、2017年からマイナポータルを運用しておりますけれども、この中でも実際にどういった連携が行われたかということを「やりとり履歴」を通じて確認できるというサービスも、かれこれ運用して5年近くたったところでございます。
一方で、課題として情報連携を実施していく上で、現状ですといわゆる別表2というところに新たに書き込む必要があったり、マイナンバーの12桁の番号を利用する場合には、いわゆる別表1の書換えが発生するわけですけれども、これらを大体常会で通していくということになると、夏頃までに改正案件を把握し、法律改正作業、閣議決定、国会審議等を経て、1年ぐらいかけて公布・施行されたものが、夏頃に主務省令の改定、システム整備等を経て、2年近くかけて情報連携を開始する。ここにおける別表というのは、表そのものも複雑であるのですけれども、法改正になりますので、いわゆる改め文と呼ばれるような、差分をきちんと書いていくというかなりテクニカルな作業が発生して、ミス等も入りやすい部分というところもございます。
例えば実務的にどうなのか、いわゆる臨時特別給付金は予算措置であって立法ではないものですけれども、これは給付対象の選定に当たり過去の給付実績等を把握する必要があるわけですが、いわゆる立法措置ではなくて予算措置になりますので、過去の給付実績を引っ越した後に転居前の団体に問い合わせるような場合に、このデータは別表に書かれていないので立法で措置しようとした場合に、各省との調整、法律改正作業、国会審議、省令改正、システム改修というものの線表を引いていくと、大体今年の春に対策を決定したとして、情報連携ができるのは早くとも2023年の夏頃になってしまう。こういったものをどうやって迅速化していくかということを検討していく必要があるかと存じます。
また、自治体の独自の事務で情報連携が困難だった具体的な事例というのはあるかというのを探し始めているのですけれども、例えば秋田市におきましては、結婚に伴い新生活を始める新婚世帯を応援するために、いわゆる新居の購入建築費、リフォーム費用、引っ越し費用の一部等を補助するために地方税関係情報や戸籍関係情報の連携をやろうとした場合等、いわゆる別表に掲げる事務に準じないものに関しては情報連携が困難という事例が実際にありまして、広い意味で社会保障に含まれるような類似の内容であっても、準ずる事務がない場合には連携が困難というのが実情でございます。
そもそも情報連携における個人情報保護の在り方というところで、きちんと法定して何について連携をしているのかということが住民の方に分かりやすくある必要があるわけですけれども、これは必ずしも法だけで担保しているものではなくて、例えば情報連携の対象となる事務や情報項目に関しては、情報連携を行う前に特定個人情報保護評価等でもって明示をして、個人情報保護委員会のページで掲載しているところでございますし、現状ですと、別表形式で法律に明示しているところでございますけれども、例えば一部の項目について政省令等で規定することも考えられるのではないか。また、自治体においてもより柔軟に情報連携ができないかということを考えております。
そういった中での規定の在り方について、これはあり得る例ということでかなり広めに選択肢を挙げておりますけれども、例えば番号を扱う主体に関しては列挙をした上で、事務に関しては主務省令で定めるということも考えられますし、さすがにこれだと自由度が高過ぎて何に使われるかということがきちんと法定されているとは言えないのではないかということであれば、この主体に加えて事務の分野、種類等を列挙していく。例えば市区町村長が児童手当に関する事務であって主務省令で定めるものという形で事務の種類、分野に関しても書いていく。
もうちょっと細かくちゃんとやろうということであれば、根拠となる法律とともに列挙する。この場合、現行の別表のように必ずしも個別法であったり条文まで細かく書く必要があるのかというところは論点としてあろうかと思います。
一方で、新しく利用範囲を広げた際に、番号関係事務を含めて取扱いについて一定の負担を伴うということに関しても考慮する必要がありますので、やみくもに広げることが利便性の向上につながるというわけでもなく、ここはバランスが必要な部分でもございます。
一旦ここまでのご説明とさせていただきます。
木村参事官: ありがとうございました。
ご説明さしあげた資料の内容に関連しまして、構成員、特別構成員の方よりご意見をいただきたいと思います。私から指名させていただきますので、ご発言のある方は挙手機能でその旨をお知らせいただければと思います。大変恐れ入りますが、手短に3分程度でご発言いただければと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、まず宍戸先生、よろしくお願いいたします。
宍戸特別構成員: 東京大学の宍戸でございます。
3分でということで、できるだけ手短に申し上げたいと思います。
今、楠さんからご説明がありました13ページについて、考えを法律の観点から申し上げたいと思います。
大きく申し上げると4点になるのですけれども、第1に、法律で事務をある程度きっちり定めておかなければいけないというのは、いわゆる法律の留保の原則から見て、基本的に重要なことであるだろうと思います。
それは最高裁判決とも関わりますけれども、一体全体どういう理由で番号の利用などができるのかということを明確にし、様々な行政事務に関わる方、それ以外の番号関係事務に関わる方に何ができて何ができないかを明示する、それを国会が決めることによって濫用を防止する、あるいは自由の保障を一般国民に対して示すという部分と、番号事務を別表で国会が定めることによって、プライバシー、あるいは最高裁の言い方で言うと個人に関する情報に関する自由とそれを利用することの公益の衡量を国会が別表という形で決めるということでありまして、国会によるこうした法定は原則として重要なものだと思います。
他方、実質的に見ますと、第2の点でございますけれども、ご説明がありましたように、実際に番号の利用を進めていくときに、あまりにも厳密に必ず国会が法定していなければいけないということは、一面において過剰であり、他面において過少の部分があると思っております。
一つには、結局委任をするということになりますと、行き過ぎると白紙委任になる。逆に白紙委任を駄目だということで、別表でちゃんと定めるということになるわけですが、実際に国民目線から見て、別表に書かれたということによって自分の権利・自由にどういう影響があるかないかというのは結局よく分からないわけです。むしろ法律の留保については、国民の権利・自由が制限されるときにはちゃんと法律で定めなければいけないという侵害留保の原則が一般に日本の法制事務では取られてきましたけれども、我々研究者の世界ではもっと踏み込んで、社会にとって重要な事項、とりわけ国民の人権に関わることについては、それが侵害であるかどうかにこだわらず、その実現や手続などについて決めるべき必要な重要なことをちゃんと国会がお決めいただくことがむしろ大事であるという考え方が今では多数説だろうと思います。
この観点から見て、このようなルールの規律が具体的にできるかどうかということを考えていくべきではないか。これが2点目でございます。
あと2点手短に申し上げますけれども、その観点から見たときに、デジタル社会の基盤であるところの番号の仕組みについて、実効的なガバナンスの下で利活用と保護というバランスで進めていく、デジタル臨調でも議論しましたデジタル原則を実効化するという観点から、実効的なガバナンスの仕組みを法律で定めることと引き換えに、事務の規定の書き方をある程度緩和していく。ただ、緩和し過ぎないで、むしろ実効的なガバナンスの仕組みをきっちり定めるということが法律において求められると考えていくべきではないかと思います。
例えばPIAの仕組みというお話もございましたけれども、単に事務を新たに拡大するときだけではなくて、事務を拡大した後に何が起きているかということについて、例えば国会の関与を認める。政令をつくるとき、あるいは政令をつくって拡大したのだけれども、何か問題が起きていないかということを定期的に国会に政府がご報告し、国会においてその政令についてコントロールする。これは外国などでよくある例でございまして、日本では法制事務上嫌われてきたような考え方でございますが、むしろそうしたことがデジタル社会の基盤である番号の利活用、バランスという点でふさわしいのではないかと思います。ここは踏み込んで新しい考え方を採っていくべきではないかと思います。
最後の4点目でございますけれども、今の話のガバナンスに係ることでございます。番号の利活用を進めていくときに、非常に大きなステークホルダーとして地方行政を担っておられる地方公共団体の方々がおられて、それが住民と向き合っていかれ、この問題について広く地域住民含め、地方公共団体が納得していくことが非常に重要でございます。
そうだといたしますと、例えば政令ないし省令などで利用事務を拡大していくといったことについても、しっかり地方公共団体のご意見を聞いた上で制度設計に関与していただくという巻き込みのステークホルダーのプロセスをむしろ法律において定めることで、事務の規定の仕方をある意味法律レベルで緩和するということをご検討いただく。そして、この制度・仕組み全体が国、地方公共団体、あるいは関係事務を扱われる方、住民の皆さんにとって納得のいくようにしていく。こういったことを国会において法律でお定めいただくような枠組みを取っていくということも考えるべきではないかと思います。
長くなりましたが、私からは以上でございます。
木村参事官: ありがとうございました。
続きまして、大谷先生からお願いいたします。
大谷特別構成員: 今回、ご提案いただいた立法事実であるとか、ご説明いただいた内容を前提としていきますと、迅速な情報連携を可能とするための手続の見直しが必要であり、十分に検討していかなければいけないと思っております。
法律19条に基づく提供の制限のところについては、番号によって個人情報を把握されることとなる個人とデータ連携の可否を判断して住民への福祉というのを考えていかなければいけない自治体の双方にとって予測可能な程度に事務が明確になっている必要があると考えております。
現状は法律の条文が別表の形になっているということで、それはある程度明確であるのではないかと思いますし、予測可能性を担保するために確実な方法を取っていると思っております。予測可能であるということは、宍戸先生のお話にもありましたように、それが実際にどのように情報連携に用いられているのかというのが検証可能な状況にもあるということだと思います。
ただ、これによって情報連携の新たな施策のスピードが損なわれるという状況があるのであれば、個人、自治体等にとって予測可能な程度に別表の書き方を改めるということについても考えることは適切なことではないかと思っております。
現在、第9条関係の別表第1の書き方というのは、個人にとっての予測可能性は明確だと思いますけれども、シンプルな書き方になっているということで、必ずしもデータ連携と同じ粒度ではないといったところから、中間的なものにならざるを得ないのではないかと思っております。
そして、今回、11ページでご紹介いただいたようなケースがあるということですけれども、実際にこのような自治体の独自の事務を考えた場合に、情報連携を可能とする仕組みを迅速に備えるための立法手続、あるいは民意を反映させた形で定める手続というのを新たに設けるということも検討してはどうかと思っております。
私からは以上でございます。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、一旦ここで楠統括官よりコメント等があれば、よろしくお願いいたします。
楠統括官: 今、もろもろご指導いただいたように、これまできちんと予測可能性を担保するために立法というプロセスを踏んできたことの重みということがありますので、ここのベースラインをきちんと押さえていきながら、どうやって一方で連携の柔軟性と手続の正統性なり予測可能性を両立していくかということを具体的な手続に落としていくということをしっかりと考えていく必要があると思いますし、冒頭宍戸先生からコメントいただきましたように、ステークホルダーの巻き込み方であったり、現状、事前の規律の部分というのは非常に重たいわけですけれども、いわゆる事後のモニタリングというところも非常に重要でありまして、ここはかねて保護委によるモニタリングや報告等もこれまで行われているところでございますけれども、全体の柔軟性を高めていく中でバランスとして事前にどう規律していくかだけではなく、モニタリングの部分とステークホルダーの巻き込み方というものをどういうふうにガバナンスの仕組みとして用意していけるかというところは、引き続きご指導いただきながら考えていく必要がある部分だと思います。
木村参事官: 続きまして、菅原先生、お願いいたします。
菅原特別構成員: ありがとうございます。
まず、検討の論点とその方向性等についての今回のペーパーに関しては、基本的に賛成です。
私からは2点。先ほどの宍戸先生のガバナンスの話に重なるところもあるのですが、実効性のあるガバナンスの必要性と政省令の区分けの基準についてコメントをしたいと思います。
まず、ガバナンスですが、国民、ユーザー視点の行政サービス、行政のバックヤードの連携の円滑化、業務の生産性向上は、ひいてはユーザーへのサービス向上につながるものではありますが、これらを進めるために早々に対応すべきであり、それを推進する際のポイントがガバナンス強化です。
これまでも従前の規律、事前的抑制措置に加えて、個人情報保護委員会の設置により事後の監視機能ができたわけですけれども、今回の提案をさらに進めるためには、個人情報保護委員会や国会も含めて事後的な対応機能をより強化していくことを具体的にもっと考えていくべきだと思います。
次に政省令の区分けの基準みたいなものを考えたらどうかという提案です。政省令にどう落とし込むかというところにおきましては、何か分かりやすい基準を置いたほうがいいのではないかと思っています。個別の具体事項についてそれぞれ対応はしていくわけですけれども、全体として、例えば、個人情報保護委員会の関与度とか、特にプライバシーにどの程度関わっているかのプライバシーレベルなどによって整理ができるように、区分けの基準、仕方を考える。類似のところでは、個別事項を一つ一つ丁寧に見ていく必要はあるのですけれども、全体として類型化した形で対応することも考えたらどうかと思っております。
以上です。
木村参事官: ありがとうございます。
続けて、後藤先生、お願いいたします。
後藤特別構成員: 地域情報化研究所の後藤でございます。
今、ご説明いただきました項目2点について意見を申し上げたいと思います。
まず1点目、問題意識のところです。スマートフォンで60秒で申請が完結するのは大変大事だと思っています。これを実現するためには、スマートフォンでのオンライン申請で、当該の個人のみならず、その世帯の世帯員についても画面にすぐに表示ができる、照会が可能になるということが必要だと思っております。
2020年のコロナ感染症対策の特別定額給付金の申請でこれができなかったということで大変な混乱が自治体でも生じました。この事例を踏まえて、ぜひそのことについては実施に向けた検討をしていただきたいと思います。
別の言い方をしますと、現状の情報連携システムでは所得や健康保険の情報をリアルタイムで照会することが基本的に不可能だという認識をしております。そういう意味で、何らかの方法によりリアルタイムで照会可能にする、なおかつ過度に情報を集中管理しないという仕組みが必要だと思っております。
なお、これができるようになると、自治体の事務処理のシステムがその内容を申請時点で自動的に審査し判断して、決定するということが可能になるわけで、相当大きく事務効率にも影響するわけですが、そのためには自治体側のシステムもまた相当大きく変わる、恐らく一から作り直しすることにもなるかと思います。そのことのボリュームを考えて段階的に取組を進めるということ、スケジュールを検討する際には実行可能性をぜひ十分に考慮していただきたいと思います。
2点目、情報連携の範囲について、資料の8ページの真ん中にあります中間サーバーの部分に国と地方公共団体とその他の機関が別々に書かれておりますけれども、これは実態的にはほぼ一つなのかなと思っているのですが、この部分は個人情報を一元的に管理することに該当しないということが前提であろうかと思います。
そのことについては、例えば個人情報保護委員会が定期的に確認し、公表する等の措置もあってもいいのかなと思います。
9ページ、プロセスの問題のnプラス1年とか2年だとかという話は、私も自治体におりましたので理解できるのですが、この辺りの状況は国民の皆さんには非常に分かりづらい。立法プロセスの問題でしょうと言われることもあろうかと思います。
政省令等に落とすということについては基本的にある程度必要なのかなと思いますが、資料の13ページの②番のような規定ぶりはさすがに漠然とし過ぎているのかなと思います。国民が理解しやすい形での法令化をぜひ考えていただきたいと思います。この際ですから、例えば機械可読性、マシンリーダブルということを考慮した条文化を検討してもいいと思ったりします。
先ほど宍戸先生からご意見のあった、国会に報告をする等の取組については、大変すばらしいと私自身は思いました。ありがとうございます。
木村参事官: ありがとうございました。
続けて、森信先生、よろしくお願いいたします。皆さん、3分以上ご発言いただいていますので、手短にお願いいたします。
森信構成員: 手短に話します。
情報連携についてですが、このペーパーにもありましたように、地方分権の下で地方独自の事務が多様化してくるといった場合に、番号法に準じない情報連携のニーズが増えてくるということなのですが、私はこれは一定の基準の下で情報連携を可能にするような法制上の手当てが必要だと思っております。正当な行政目的の範囲内での情報連携であることを担保する措置を導入した上で、きちんと政省令で規定することを可能とする道を開いてもいいのではないかと思います。
ここからは一つ質問ですが、たしか国民全員に10万円を配る特別定額給付金は税・社会保障・災害の3分野に当たらないから、番号が使えないということになっていたわけですが、たしかその後、法律改正されてこういった事務も取り扱われるということになったのだと思います。最近、特にコロナや経済対策ということで、法律に基づかずに、予算措置だけで給付されるような、例えば持続化給付金とか、特別定額額給付金もそうでしたし、ポイント還元などといったものが予算措置だけで行われるわけですね。そうすると、例えば13ページに出ています③の「根拠となる法律」というのがそういう場合はどういうふうになるのかというのをお聞きしたいなと思っています。
私は租税の研究家なものですから、法律に基づかないそういった制度がどんどんできるということは非常に違和感があります。国民への権利義務ではなくて給付であるからということで、しかも緊急時ということで、予算措置だけでやってしまうということがこれからもどんどん増えてくる可能性があるわけですね。それをどういうふうに番号法の中で受け止めて効率的にやっていくかということについて、事務局のほうでお考えがありましたら、お聞きしたいです。
以上です。
木村参事官: ここで一旦、楠統括官からお願いいたします。
楠統括官: 最初に森信先生からあったご質問の件についてですけれども、先般、デジタル改革法のタイミングで特定公的給付という枠組みをつくっておりますので、こちらで告示を行ったならば、マイナンバーも利用できるし、情報連携の枠組みにも乗っかることができるという建て付けにしています。
森信構成員: 包括的な法律改正をしたわけですね。
楠統括官: そうです。そこの中で、自治体独自事務等に関しても、給付に関してはそういった特定公的給付に指定することによって情報の利用ができるという建て付けにはなっております。
ほかのご指摘も含めての話になりますけれども、後藤先生からありました世帯の話やリアルタイムの照会に関しましても、これは重要な論点で、今まさに全体アーキの議論の中でも検討しておりますし、リアルタイムの照会に関しては役所だけで実現していく話ではなく、民間セクターの持っている情報をどういう活用していくかという話も入ってきますので、今後きちんと研究していく必要があるだろうと考えております。
審査・判断・決定をきちんと行っていくためのシステムをどういうふうにつくっていくかというところも、給付によって担い手がばらばらである現状もございますので、いざ突発的に行う給付においてこういった審査のシステムを整備したり、そこにデータを集めていくというのはなかなか容易ではない。それはシステム構築の予算措置をはじめとして様々なハードルがある中で、どういったやり方があるのかというところからしっかりと研究していく必要がある話となりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
菅原先生からは政省令をはじめとして分かりやすい基準がきちんと必要であるということと、関与度やプライバシーレベルをきちんと考えて類型化して対応できないかというご提案がございまして、考え方としてはまさに機微度が高い情報を扱う場合であったり、本人にとってどういった影響があるかによってガバナンスの強さというのは変えていかないといけないとは思うのですけれども、一方で、それを法技術的にどういうふうに書き分けられるのかというところも含めて様々な課題があるところだと思いますので、具体例に基づいてどういったやり方があるかというところをしっかり考えていく必要があるのではないかと思います。
木村参事官: ありがとうございました。
では、太田先生、よろしくお願いいたします。
太田構成員: ありがとうございます。
まず、今日の前半の資料がこれまでの経緯も含めてとてもまとまっていたり、9~10ページの分析はすごくすばらしいので、ぜひこれはインフォグラフィックみたいな形でデジタル庁のウェブサイトは非常に見やすいので、ここの資料まで掘り下げて見る人はあまりいないので、もうちょっと階層が低いところにぜひ置いていただければと思います。
2点申し上げたいのですけれども、今日の論点で、法律で予測可能性という中でガバナンスしていく部分と、個人情報保護委員会等でモニタリングして専門家が見ていく、そのバランスだと思うのですけれども、もう一段踏み込んで、住民の方が自分の情報はどう取り扱われているかということについて不安があるかとか、その利活用について満足しているかというのを取るというのも含めてガバナンスを考えていただきたいと思っているのですね。
昨日、私は会津若松に行ったのですけれども、結構住民情報を使っているのですが、そうした満足度や不安のアンケートを採らないと、サイレントマジョリティーの声というのは分からないのですよ。聞こえてくるのは、対比するとちょっとバイアスがあるかもしれませんけれども、ノイジーマイノリティーの方の声がどうしても目立ってしまうので、どう使われているのかということについての調査を住民目線で定期的にしてほしい。
住民の方で別表を読んでいる方とか、マイナポータルにアクセスして自分の情報がどう使われているかを確認している方というのはすごく少ないので、サービスを通してどうなっているのかというのを感じるところがあると思いますので、ぜひその観点を含めていただきたいというのが1つ目です。
2つ目は、8ページなのですけれども、特定個人情報としてしまうと難しいところがあって、例えば予防接種というのは個人番号を使うので特定個人情報になるのですけれども、実際のオペレーションで接種日が分からないので役場に電話して教えてくださいといったときに何を確認しているかというと、生年月日と名前なのですね。それでいつが接種日ですよという情報を渡しています。
そういうところが大半なのですけれども、マイナポータルになると、マイナンバーカードで都度認証しなくてはいけないということになってくるので、その辺の現実の住民情報をどう住民に渡していくのかということと、マイナポータルを通じて渡すというところのギャップがかなりあるので、せっかく連携するのだったら情報のアクセス方法と現実のギャップも含めて整理していただく。
さっき菅原さんがおっしゃった類型化の話に近いと思うのですけれども、今のやり方だとあまりにも頑丈に守られ過ぎていて使えないというふうになって、実際、会津若松だと母子健康手帳に生年月日を入れて名前を入れたら渡しているのですよ。渡した後は自分の判断で使ってくださいねというふうになっていますので、そこは今日の論点ではないかもしれませんが、ぜひ類型化を含めて検討いただければと思います。
以上です。
木村参事官: ありがとうございます。
続けて、齋藤先生、よろしくお願いいたします。
齋藤構成員: 齋藤です。ありがとうございました。
今回、お示しいただいた方針として、基本的に別表2ではなくてもう少しそれを緩めていくという方針には賛成でございます。
その上で2点申し上げさせていただきたいのですけれども、1点目は、先ほど菅原さんからもお話があったとおり、類型化などの関連の部分なのですけれども、情報保護のプライバシーレベルといった観点のみならず、このコロナの危機の3年間を考えますと、緊急度といった部分の観点というのは一定要るのだろうなと思っています。
ですので、国民の生活危機といったものを考えた上で、プライバシーレベルという観点でのディフェンスの観点と、いわゆる緊急度などといったオフェンスの観点といいますか、緊急度をしっかりと判断をして政策を実行していくという観点を入れていただけるといいのではないかなと思いました。
もう一点は、太田さんからもあったのですけれども、マイナポータルでのやりとり履歴や個情委による事後チェックといった部分があまりにも国民の方々に浸透していないといいますか、マイナポータルのやりとり履歴の画面を見ても、何の情報がどういう目的で利用されているのかというのが私が見ても分からないという実態がございまして、何をもって連携がされているのかということをより国民目線に立って分かりやすくオープンにしていくということが一定必要なのだろうと思っております。
以上です。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、楠統括官、お願いいたします。
楠統括官: では、太田先生からインフォグラフィックでサイトに出してはどうかというご提案をいただきまして、これは当ワーキンググループの資料全般についてもうちょっと分かりやすくできないかということは庁内でも話し合っているところではあるのですけれども、現状、並行して立法作業、法案検討作業の資料として資するように書いているという背景があって、なかなか住民の方々の啓発等の目的では分かりにくいという課題があるように認識しています。
せっかくデジタル庁にデザイナーも入っておりますので、もっと分かりやすい形で啓発できるようにしていきたいなと思っているのですけれども、これを検討会の最中でやっていくのか、ある程度方針が固まったところで広報活動でやっていくのか、タイミング等も含めて考えてまいりたいと思います。
また、今の保護委によるモニタリングということだけではなくて、住民がどのように感じているかのモニタリングというところですけれども、これは啓発のためだけはなく、ユーザビリティー等を含めて非常に重要な視点で、マイナポータルだけの話でもなくて、最近、デジタル庁になってから、アプリに対する評価の点数を定期的にきちんとモニタリングしながら、一個一個コメントをつぶして課題を解決して、ようやくマイナポイントアプリも3点台のいいところまできて、接種証明書アプリに限らず全般としてユーザビリティーを改善しているところでございますので、住民によるフィードバックというところはサービスに組み込む形でもっと強化をして、きちんと把握をしていく。把握をするだけではなくて、それを具体的なサービスの改善に結びつけていくというところはデジタル庁として重視してまいりたい営みだと考えております。
続きまして、齋藤先生からご指摘のありました、マイナポータルのやりとり履歴があまり国民に浸透していないというご指摘で、これはそもそもマイナポータルの情報提供等記録開示システムをつくるときからいろいろ悩んでいたところではございまして、これは万が一ご不安を感じられたときに確実にこれを確認できるというところが意義であると考えておりまして、必ずしもあまりアクセスが多くないということはネガティブな話だけではなくて、それだけ特に不安を感じていらっしゃらない方もいっぱいいらっしゃるという面もあるのかなと思うのですけれども、一方で、いざ不安を感じてこれを開いたときに分かりにくいということでは困ったことになってしまいますので、当然役所のページでございますので、表記の正確性であったり、法律との関係等も含めて、どこまで表現をやわらかくできるのかというのはかなり頑張って検討して、つくっていく過程でやわらかくしてもまだここまでしかできていないというところではございますけれども、デジタル庁の体制になって民間のメンバーも大分増えている中で、きちんと住民のユーザーの方の目線で見て内容が分かるページにどうつくり替えていくかということを今後も追求してまいりたいと思います。ありがとうございます。
木村参事官: ありがとうございました。
ここまでで一旦前半を区切らせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
続きまして、資料の後半に入らせていただきます。資料の後半の説明を楠統括官からさせていただきまして、その後、今のように構成員、特別構成員の方よりご意見をいただきたいと思います。
それでは、統括官、よろしくお願いいたします。
楠統括官: では、情報連携の手法についてお話をさせていただきます。
前半の話は下の緑色の真ん中の四角「制度上の保護措置」の話ですけれども、これからお話しさせていただくのは右下の青い四角「システム上の安全管理措置」を今後の公共サービスメッシュの設計においてどのように最新化していくかという点の話でございます。
もとより、2025年に向けて順次デジタル庁が整備するガバメントクラウド上へのシステムの移行を進めるということとしております。この中で、コスト削減と合わせてセキュリティ向上はしっかりと実現していき、最新かつ最高レベルのセキュリティが確保されたガバメントクラウドにおいて、これまで導入していなかったような新しいセキュリティ技術の活用も積極的に検討してまいりたいとしております。
この中で、10年ぐらい前に情報提供ネットワークシステムを設計した当時のことを振り返りますと、基本的にでき上がった各市区町村、都道府県等のシステムをどのようにつなげていくかという話でしたけれども、これら共通のインフラの上に乗っかってくる中でインフラの管理を自動化していく、また、そこでマネージドサービス等を利用していくことによって、これまでの統一基準群のセキュリティでこういうルールを守ってねということを自然言語のレベルではルールとして規定しておったわけですけれども、今後はきちんとインフラストラクチャーアズアコードと呼ばれているようないわゆるプログラムでもってポリシーを徹底して、それぞれのシステムがきちんと底上げされたレベルで十分安全に構成するということが可能になってまいります。
また、この上で動かすアプリケーションに関してもきちんとこういったロギングを行うということや、データ及び通信の暗号化、アクセス制御等について基準を定めて、それに従ったアプリケーションとしていく。また、今後、高機能暗号やコンフィデンシャルコンピューティングも含めた新しい技術も環境としては利用できるようなものとしておりますので、これらが実際に使えるのかどうか、技術検証等を通じながら積極的に検討することを考えております。
システムの安全管理措置に係る今後の検討ということで、変化をきちんと迅速に取り入れてシステムを柔軟に最新化できること。このためにできるだけシステムを柔軟かつ簡素な構成とする。さらに、安全管理措置を実現するための手法に関して、技術検証等を通じて最新化を図るということを考えております。
かねて分散管理をはじめとしてマイナンバー法をつくった当時から、様々な安全管理措置を行っているところですけれども、この中で一つ、番号を情報連携の手段として直接用いず、当該個人を特定するための連携基盤等及び保有機関のみで用いる符号を用いる。この当該符号が番号から推測できないような措置を講ずるという点が情報提供ネットワークシステム等で取り組んだ重要な安全措置の一つであります。
個人情報の一元管理を防止するための手法の最新化を検討しておりまして、これまで機関別の符号を使っていたわけですけれども、この中でガバメントクラウド上の情報連携の基盤においてどのようにこの手法を最新化できるかということを検討してまいりたいと考えております。
この中で幾つか条文を挙げておりますけれども、現状、番号と機関別符号との関係についてかなり細かく条文の中で規定して、容易に番号または符号から逆のものを推定できないようなつくりとしているわけですけれども、この条文の中で同様のことをきちんと実現していけるのか、あるいは何がしか条文そのものを見直す必要があるのか。今のところ、技術的な検討をしている中で、基本的にこういった仕組みを残しながら実現できるのではないかという見通しは持っているところでございます。
ここまでがご説明となります。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、資料の内容に関連して、皆様からご意見をいただきたいと思います。こちらも大変恐縮ですが、3分程度でお願いできればと思います。私から指名させていただきますので、挙手機能でその旨をお知らせいただければと思います。
それでは、庄司先生、お願いいたします。
庄司構成員: ありがとうございます。
今、ご説明いただいた情報連携の手法の最新化に係る検討ということですけれども、「公共サービスメッシュについては、2025年を主要な実装のターゲットとし」と一番上のところに書いてあります。システム上の安全措置の最新化ということは当然必要なことですし、重要なことだとは思いますが、実装のターゲットというのが、誰が何を終えることを意味するのかというところは丁寧に確認していく必要があるかなと思います。
以前から何度か少しずつ申し上げているのですけれども、今、自治体はまさにこの8月末までに仕様書が整って、標準化を2025年度末までに終えるぞいうことで動き出しているところです。そのことについてもいろいろ懸念やご指摘をいただいているところで、そちらもかなりこれからいろいろなことが起こるかなというところです。
また、今年度末までにマイナンバーカードが普及していけば、それに合わせていろいろなことをやっていく必要も出てきますでしょうし、自治体DXを自主的にいろいろ進めなくてはいけないということで、本当に自治体の現場はお忙しいところであります。
そこで、今動いている情報連携について仕組みを変更していくとなると、本当に丁寧にやらないと、自治体の現場にさらなる負荷がかかる可能性があるということを心配しています。
ですので、ぜひご配慮いただきたいということなのですけれども、そもそも例えば標準化について2025年、令和7年度末が絶対の目標である、公約であるということになっていますけれども、国と地方の連携においては、地方公共団体の意見を丁寧に聞きながら進めていきますということも非常に重要なこととして書き込まれていたと思うのですね。ある種の公約だったと思います。
ですので、自治体の声をよく聞いて、現場の進捗状況などをよく把握して、同時並行で走らせるのであれば、丁寧にやるということですね。自治体の声をよく聞くということについては、いやいや共創プラットフォームをやっていますよとか、各仕様書でも意見照会をやっていますよということもあるかもしれませんけれども、丁寧に聞くというのはそれだけだろうかと私は思っています。
例えば共創プラットフォームについても、参加していない方もたくさんいるわけですから、議論の状況を結果だけでもいいので公開していただきたいと思いますし、いろいろな工夫をして、いろいろな形で意見を聞いて情報連携の最新化も進めていただければと思います。
以上です。
木村参事官: ありがとうございます。
続けて、上原先生、お願いいたします。
上原特別構成員: 上原です。
私からは一つ、先ほど庄司先生からもありましたけれども、2025年というのをターゲットとして基盤を設計して実装するというのはかなり大変な仕事になるということは論を待たないので、丁寧に進めていただきたいと思う一方で、2025年にいろいろなシステムが乗ってくるときに、現状の実装をそのまま大きく引きずった格好で動き始めてしまうと、それこそ動かすこと自体が難しくなる、新しいシステムに引っ越すこと自体が難しくなるという点からしても、できることであれば2025年に新しい仕組みがきっちり動いている必要があるのかなということも思っております。
1つ確認をさせていただきたいのは、新しい連携の仕組みというものが、恐らく今の機関別符号に基づく仕組みというのは、正直なところあまり国民からは見えない仕組みなので、機能として同じであれば、どういう実装であれどもあまり大きな懸念はなく、同じような安全が保たれていればいいというふうに比較的合意が取りやすいと思うのですけれども、一番困るところは、今、利用があまり多くないというお話がありましたけれども、透明性の確保、つまり連携が行われたという事実を国民にどうやって返すかというお話がすごく重要な論点なので、これがうまく実装されるような実装にするということが一番大事だと思っておりますので、ぜひ早いうちにそのことも保証する格好で進めていきますというのを宣言していただきたいと思っています。
以上です。
木村参事官: ありがとうございます。
ここで一旦、楠統括官からお願いいたします。
楠統括官: ありがとうございます。
時期の問題はなかなか難しくて、これはまだ検討のタイミングでございますので、実際に法案が通って、予算措置等も含めてできないと、最終的にいつまでに何をやるということを決め切ってお答えできる段階ではないのですけれども、ご指摘にございますように、かねて2025年というのは自治体システム標準化の期限でもございますので、こういったものときちんと整合する計画である必要があると思います。
上原先生からお話がありましたように、結局国民から直接見える部分ではなく、システム間のインターフェースに近いところとなってまいりますので、やり方次第で既存の業務に大きな影響が出ない形で円滑に移行するという方法も考えられるのではないかとは思っておりますし、当然システム構築において、基盤の設計だけではなくてマイグレーションが重要となってくる。ただ、このとき、これだけ多くのシステムが既につながっている仕組みでございますから、一斉に全機関が移行するという話にもなかなかなりづらい中で、どのように移行計画を立てていくかというところは大変重要な論点でございますので、今後計画を具体化する中においてしっかりと検討し、ご指導いただければと考えております。
関連して、庄司先生から、自治体システム標準化について、国と地方の連携において自治体の声を丁寧に聞いていくということは共創プラットフォームだけではなくて、もっと様々なチャネルをという話がありました。
先般、政令市3市長と大臣との対話等もあったり、ベンダー等に対するヒアリングというのも非常に活発に行っているところでございますけれども、若干このマイナWGの直接の範囲から外れる部分もありますが、標準化基本方針をいよいよどうやって決めていくかというタイミングの中において、自治体もなかなか分からないことが結構多いと思うのですね。ベンダーがちゃんと札を入れてくれるかとか、そのタイミングで人繰りがどうなるのかということは、自治体との対話の話でもありますし、ベンダー等も含めて非常に多くのステークホルダーが全国でこの作業に関わっていかれる中で、丁寧にしっかりと状況を把握して、2025年への移行のバリアになるような課題を一個一個共に解決していく。
これは自治体との対話と同時に、ベンダー等も含めてしっかりと総務省とともにデジタル庁としても状況を把握して、必要な取組や支援等を行ってまいりたいと考えております。
木村参事官: では、後藤先生、よろしくお願いいたします。
後藤特別構成員: ありがとうございます。地域情報化研究所の後藤でございます。ご説明いただいたところについて2~3点申し上げたいと思います。
まず、資料の内容についてはおおむね理解はできますけれども、15ページの番号を直接用いない情報連携というのは、識別子が個人番号と関連があるということは事実ですので、その部分では制度とシステムをより複雑にし、実態を分かりにくくしているように見えるということもある。この辺りは従前から指摘されていると思っております。ぜひ考えていただきたい。
特に、効率性を求めるというのは、民間企業では至上命題になっていますけれども、自治体等では個人情報の過度な集中管理を避け、かつ、適切な個人情報保護を図った上で、効率的で利便性の高いシステムを目指さなければいけないということですので、かなり思想的にも異なる原則があるということについては十分に理解される必要があると思います。
その上で、個人番号については、現在、秘匿するべき情報ということで取り扱われておりますけれども、これが最高裁判決で言われているところの個人情報を一元的に管理することができる機関または主体が存在しないことを要件として充足するための設計ということと、個人番号を秘匿するべき情報として取り扱うということは、前提条件の関係にはなっていないのではないか。この辺りはもう少し議論をしてもいいのかなと思っています。
最後に、これは千葉県内自治体の友人から教えていただいたのですが、7年前の今日は自治体にとって重要なところの番号法の施行日で、ちょうど7年たったということでございます。
この間、システムにおいて個人番号に起因する情報漏えい等の事故が発生していないということ、運用状況についても適切に管理されている、あるいは先ほどご発言がありましたけれども、自己情報のアクセス状況についても確認ができるという点などは改善をしつつ、もう少し広く丁寧に説明をしていっても良いのではないかと思っております。
以上でございます。
木村参事官: ありがとうございました。すみません、施行日だということに気づいておりませんでした。重要な節目だなと思っております。
それでは、齋藤先生、よろしくお願いいたします。
齋藤構成員: 齋藤です。ご説明ありがとうございました。
楠さんからお話があったとおり、情報連携の在り方として機関別符号、中間サーバー、情報提供ネットワークシステムという形で制度設計をしたシステムで、技術革新といったものをベースにしながら手法を変えていくという方向性に関しては賛成でございます。そういったアーキテクチャを最新化していくという観点の中の一つとして、符号共通化の考え方、それをガバメントクラウド上の中で閉じた形でやっていくということは一つ現実的なアプローチではないかなと思っています。
その上で1点申し上げさせていただきたいのは、今の仕組みというのはある意味がちがちにオンプレミスで1,700の自治体の仕組みといろいろな団体を結びつけるための中間サーバーと情報提供ネットワークシステムという在り方がある中で、非常に高コストでかつスピード感が伴わないシステム連携の在り方となっておりまして、そこを今回、トータルデザインの中で公共サービスメッシュという形で、中間サーバーを必要としない、例えば標準化された自治体のシステムをAPIベースで連携していくという在り方に変えていこうということが大きな方向性だと思いますので、その方向性に乗った形でシステム連携の在り方も変えていければいいのではないかなと思いました。
もう一点は、今後、公共サービスメッシュを整理していく中において、当然ながら情報提供ネットワークシステムと両方を並行稼動していく期間とか、それを段階的に移行していくという考え方もございますので、まず国側のシステムの段階移行のプランニングと併せて、先ほど庄司先生からもお話があったような自治体側のシステムもどういうふうに移行していくのかということに関しても、ロードマップといいますか、おおよそのプランみたいなものを示せるといいのではないかなと思っています。
私としては、自治体のシステム、UIからデータベース、ビジネスロジックを含めて全てをワンショットで移行していくというのはなかなか大変な部分があると思いますので、まずは自治体のシステムの中に保有されているデータみたいなものを、中間サーバーのガバクラリフトという話との関連で出てくるかもしれませんけれども、まずはデータをガバクラ上に持っていって、それを有効活用していくみたいなアプローチも併せて考えていけると、2025年に向けたより実効性のあるアプローチみたいなものを整理できるのではないかなと思っております。
私から以上です。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、楠統括官、よろしくお願いいたします。
楠統括官: ありがとうございます。
後藤先生の施行日の話は節目ということで、ご指摘をありがとうございました。
番号を直接用いないといっても、符号も含めてマイナンバー法上では特定個人情報の番号に類するものと位置づけているということもありますし、なかなか制度とシステムが様々な要件を両立するために複雑になっている。これをどうやって丁寧に説明していくかということは、透明性の観点で非常に重要であると感じております。
今回、いわゆる12桁の番号を今後も秘匿するのかということは、あえて論点としては挙げさせていただいていないところで、ここは様々なご意見があるところは承知しているところではございますけれども、当面その連携をどのように円滑にしていくかというところを主眼に置いていて、そこまで見直すことには至っていないという状況ではございます。
ただ、符号の利用と番号の取得というのは一体的に論ずべきことかというと、必ずしもそうではないというのはご指摘のとおりだと考えておりまして、一方で、様々な脅威に対応していく中で、連携に直接番号を用いないことが安全管理措置として有効であるという考えも持っておりますので、ここは安全管理措置として引き続き番号を用いないで連携していったほうがよいのではないかということで、今回はこの内容での整理となっております。
結局のところ、各機関においては12桁の番号を持っているわけでもございますので、情報連携とその番号のハンドリングの関係等、様々な論点があるところでございますけれども、これは一個一個切り分けて議論をしていく必要があるのではないかと思います。
齋藤先生からご指摘のあった並行稼動期間、段階的な移行等を考えていく中で、自治体システムも一度にぽんと移行できる話でもない中で、ロードマップを示すべきというのは本当におっしゃるとおりでありまして、ただ、これも全体として法案が通って整備計画等を立てて、基盤をご提供できるタイミングの話と、併せて標準準拠システムを開発される様々な自治体ベンダーのご事情など、様々なものを踏まえて、対話をしながら実現可能な計画に落とし込んでいく必要があると思いますので、できるだけきちんと各ステークホルダーの方々が計画を立てやすいように情報をご提供していくという部分と、私ども自身も計画的にどのような移行を考えていくのかということを段階的にお示しできるようにしてまいりたいと考えております。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、ほかにご意見はございますでしょうか。
皆様にご協力いただいて大分早く終わりそうなのですけれども、何かございますか。
森信構成員: 森信ですが、時間が余っているのでよろしいでしょうか。
木村参事官: よろしくお願いします。
森信構成員: 1つ申し上げたいことがあるのですが、今の国民の番号に対する懸念を緩和するという観点から、システム上の安全措置等についてご苦労されているという話を聞きまして、それは重要なことだと思うのですが、一方で、例えば今回の公金受取口座登録制度につきまして私が見聞きしたところでは、公金受取口座を登録すると国に自分の預金口座が全部見られるのではないかというナイーブな懸念が、非常に知識の高い人にも複数人いました。これはこういう制度をポイント付与というインセンティブをつけて大々的にやっておられるわけなのですが、パンフレットなどにこれは年金や児童手当などを受け取るときに利便性の高いものであることに加えて、登録したからといって預金口座が国に見られてしまうということはないということをしっかりPRしないと、健康保険証のほうは7,500円でポイントをもらうけれども、こちらはやめるという方が結構でています。
もっとPRをすることが国民の懸念を少しでも払拭することにつながると思うのです。特にこれから預金口座登録の第二段階が始まるし、さらにその先には義務づけも構想されているわけですから、その辺をしっかりお願いしたいです。
ありがとうございました。
楠統括官: ご指摘のように、制度を正しく理解していただくというのは、口座2法に関しては、受取口座の登録と預金の付番の話というのは別々にあることもなかなか分かりにくいですし、期日も含めてより丁寧なご説明が必要なところだと思いますので、今後、啓発活動等につきましてもしっかりと続けてまいりたいと考えております。
おかげさまで、約1800万口座の登録が既に行われているところでございまして、マイナポータルはどうしても登録の画面で口座番号の入力をはじめとしてそれなりに負担があるので、いわゆる健康保険証の利用と比べるとかなり登録が落ちるのではないかと心配はしておったのですけれども、数%ぐらいしかドロップしない形でかなり堅調にご登録をいただいているところでございまして、このドロップしている理由の中にそういったご不安もあるのか、それとも入力等の煩雑さなのかとかもしっかりと分析をしてまいりながら不安を払拭して、安心して多くの方々にご登録いただけるものにしていく必要があると考えております。
木村参事官: 次に、庄司先生、お願いいたします。
庄司構成員: ありがとうございます。
先ほどコミュニケーションの話や目標の期限の話などを少ししたのですけれども、補足で申し上げたいと思います。
標準化だけではなくマイナンバーカードもそうですし、先ほどの公共サービスメッシュも目標期限の話がありましたけれども、ほぼ全ての方にマイナンバーカードを持っていただくとか、標準化をするのだという「何を実現するのか」という目標は変えてはいけないと思いますけれども、いつまでにとか、どのようにという部分は実情に応じて細かく見直しがあるべきだろうと思います。いつまでにという目標の設定は、得てして高い目標になりがちです。それこそ標準化の令和7年とかも、当時からそれは難しいだろうと言いながら設定したところがあります。
でも、そういう目標だから、やらなきゃと言って動き出した部分というのはあるので、あれは10年、20年かけてやりますではなくて5年でやりますでよかったとは思うのですけれども、期限を守ることにこだわり過ぎることによってシステムやアプリの質の低下をもたらすという問題は我々も経験してきたところですから、そこからも学ばなければいけないのだろうと思います。
ですから、丁寧にコミュニケーションをした結果、期限を大幅に全部見直すということではないかもしれないですけれども、この部分については変えましょうということはやっていいのではないかなと思います。
デジタル庁さんからそういうことは言い出しにくいと思うので、こちらのメンバーから言い出しておこうと思います。
以上です。
木村参事官: ありがとうございます。
続けて、後藤先生、大谷先生、よろしくお願いします。
後藤特別構成員: 後藤でございます。ありがとうございます。簡潔に申し上げます。
楠さんが民間等の情報とも連携しなければいけない様々な部分があるから、これはなかなか準備も大変だということをおっしゃったのは確かにそのとおりなのですが、一方で、自治体が窓口になる制度では自治体が持っている情報でほぼほぼサービスが完結する、手続が完結するというのは非常に割合としては高いので、その意味ではそこのところからきちんと取り組んでいくということも大変大事なのかなと思っています。
特に大事な点の一つは、国民の皆さんにこれは便利だというふうに実感をしていただくこと。その上でよりデジタル化に対応した形でのサービスになじんでいただく、ご理解いただくということが大切だと思っています。
最後に、先ほど構成員の齋藤先生が、情報連携の仕組みがなくても自治体が直接情報をオンラインで提供できるような仕組みにするということをおっしゃいました。これは確かに私自身も前から夢見ておりまして、理想形の一つだろうと思っているのですが、しかしながら、1,740余りの団体がそのようなシステムに切り換えていくということになると並大抵のことではないとも思ったりしております。その辺りも踏まえた上で、具体的にどこからどのように進めていけばその水平にたどり着けるのかということについて、より具体的に議論をこれから進めていただければと思っております。
以上でございます。
木村参事官: 大谷先生、お願いいたします。
大谷特別構成員: ありがとうございます。
少し基本的なところに戻ってしまうのですけれども、資料でご説明いただいた符号の位置づけについて確認をさせていただきたいと思っております。
現在のシステムでの符号については、情報保有機関が個別に持っていて、それを接続するための符号というのを用いられていたので、複数存在していたという認識だと思います。検討中の新しい仕組みは、その符号は使うものの、マイナンバーとユニークにひもづいている共通的なコードになってくる可能性があるのかなと思っておりましたけれども、それが間違いでないようでしたら、一言コメントしたいと思っております。
情報保有機関ごとの番号とひもづく符号というのを使ってきたということですと、それは一つの行政機関などが法律上定められている目的以外の個人情報を保有してしまうことがないように、分散管理を裏づける意味での技術的措置の意味合いを持っていたと思っております。
現在、いろいろご検討いただいている新たなセキュリティ手段が整えられていくことによって、今後、ガバメントクラウドの外部に不用意にデータが漏えいしていかないという対策で堅牢性が非常に高まっていくということで、期待しているところではありますけれども、内部での情報連携について用いられる符号というのがもしマイナンバーと一対一で対応して、マイナンバーに完全に代替するような位置づけの符号となった場合に、特定個人情報が一つの行政機関に集中してしまうことを防止することが可能になるような安全対策も併せて講じなければいけないと思っておりまして、その方法はもちろんいろいろ考えられると思いますので、現行のやり方だけが全てではないと思いますけれども、そこは幅広くご検討いただきたいと思っております。
私からは以上でございます。
木村参事官: ありがとうございました。
それでは、統括官、時間も迫っていますので手短に。
楠統括官: 承知いたしました。
まず、かなり具体的なご質問が大谷特別構成員からあった話からさせていただきますと、まさにいわゆる機関別符号がこれまで何を担保してきたかというところは、ご指摘のように分散管理を担保してきた部分もございますし、これが符号のようなものを作ったとして、マイナンバーの裏番号のように容易にほかの機関と連携できるものであってはならない。
一方で、現行の符号と電文のフォーマットのままでは、例えば世帯情報を円滑に連携することであったり、システムのバッチ処理等が困難であったりという課題もあるわけです。
そういったことで、そもそも今の制度において、そして現行の情報提供ネットワークシステムにおいて何を担保するためにこういったシステムとしてきたかというところの原点に立ち返って要件を分解していった中には、まさに大谷特別構成員からご指摘のあったようなところも重要な論点となってまいりますので、そういったご懸念を払拭できるような、しっかりと機関別の分散管理というものを担保できる連携の方法を検討してまいる必要があると思います。
識別子の議論というのは大変に難しくて、いわゆる電文においてどのように識別子を扱うかということと、それぞれのデータベースにおいてどのようにこれを二次記録装置に固定するかという話と、これをどこに置いてどのように変換するのかということもかなり技術的な論点になってまいりますので、本日の場には細かい方法まではお持ちしておりませんけれども、まさにご指摘いただいたような観点を重視して設計、検討等の作業に取り組んでおりますので、そこは追ってご説明の機会をいただければと考えております。
また、後藤構成員からお話のありました、自治体が持っている情報の中でサービスが完結するところも大きいというのはまさにそのとおりで、このマイナWGの前半で検討した自治体内情報連携をはじめとして、今回、まさにここは重視して取り組んでいるところでございますし、子育て支援の給付等においても特定公的給付によるプッシュ型の給付をはじめとして、既に実現できている部分もございますので、まさに今、自治体が持っている情報の中で何ができるのかというところは積極的に今後も追求してまいりたいと考えております。
最後に、庄司構成員から話のありました、目標は高く設定されがちであるけれども、きちんと丁寧にコミュニケーションした結果というものをフィードバックすべきであるという意見は、多分昔の議事録が残っているのでしゃべっていいと思うのですけれども、私もこのワーキングの有識者委員であったときには2030年と主張して、ただ、様々なプロセスの中で20業務を2025年までにやるということが一昨年に閣議決定されて、私が今こうやって問い詰められているのはなかなかつらいものがあるなと正直思うところではあるのですけれども、マイナンバー制度を始めたときを振り返ると、実際に制度を始めてから出てきたいろいろなご意見をいただいてこれまで直してきたということもありまして、この2年近く、標準化の作業において様々な自治体からご意見をいただいてきたつもりではございます。実際にこの8月に標準仕様ができたことによってまた多くのご意見もいただいたという中で、こうやって2025という旗を立てて、ここへ向かって取り組んでいく中で、より解像度高く本当にどこに問題があるのかということが明らかになっている面もあるかと思いますので、まずはこの旗を立てて丁寧に取り組んでいく中で解像度が上がっていくことによって具体的な課題が明らかになってまいりますので、これまでのやり方ありきということではなくて、この2025年を目指した中で本当の課題がどこにあるのかということをしっかりと見極めながら、自治体だけではなくてベンダーの声も幅広く聞いて、本当のボトルネックを一個一個つぶしていって、なお2025年に間に合わない部分というのはどういった部分が出てくるのか、ここをしっかりと耳を傾けて取り組んでいく中で、共に2025年の移行を目指して一つ一つの課題を解決してまいりたいと考えております。引き続きご指導のほど、よろしくお願いいたします。
木村参事官: ありがとうございました。
最後になりますが、本ワーキンググループの主査であります、赤石デジタル審議官からコメントをお願いできればと思います。
赤石デジタル審議官: 赤石です。今回、非常に突っ込んだ議論をしていただきまして、ありがとうございます。
目標については、年限を決めないと役人はさぼるのですね。逆に今年度内にマイナンバーカードをほぼ全国の国民にと言ったら、必死になってやらなくてはいけないだろうということで我々は尻を叩かれながらやっていて、おかげさまで申請ベースで7000万枚まで来ました。したがって、ポリティカルな意味でも、役員をエンカレッジする意味でも、ちょっと高めに設定しておくというのがいいのではないかなと思っております。
それから、マイナンバーの法改正のやり方について、非常にいい意見をいただきました。主体や業務だけではなくてガバナンスの関係、手続などをしっかりとするということが一つの解なのでしっかりと検討していきたいと思っています。
機関別符号の話は言われたとおりで、分散管理と効率性やバランスを取るということでいいと思います。最後に自治体の中のいい例ということでいきますと、デジタル田園都市国家構想というのを動かしていて、例えば北見市が自治体内の業務を簡潔にみんなで連携できる仕掛けをつくり、窓口が大変簡素化した、そういった例を全国展開しようというのをやっています。今回も70都市ぐらいがそれを横展開するような形になってくると思うのですね。
それをまたデジタル田園都市の支援金でも応援していこうということをやっています。今回の話と直接は関係ないのですが、自治体内での連携のいい例をどんどんと広げていきたいと思っております。
もうそろそろ法案作成に至る準備段階に入ってきています。皆様のご意見を踏まえてしっかりとやっていきたいと思います。
今日はありがとうございました。
木村参事官: 本日の議事は以上となります。
本ワーキンググループの資料と議事録につきましては、ホームページにて公開いたします。議事録につきまして、明日以降、事務局より皆様に確認させていただきます。よろしくお願いいたします。
また、本日会議終了後、事務局から本会議に関して記者ブリーフィングを実施させていただきます。
次回日程については、改めて事務局よりご連絡させていただきます。
以上をもちまして、第6回マイナWGを閉会とさせていただきます。皆様、ありがとうございました。