日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合の結果
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2024年4月30日、デジタル庁は総務省、経済産業省と共同で、日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合の第2回会合をベルギー・ブリュッセルで開催しました。同会合は、河野デジタル大臣、松本総務大臣、石井経済産業大臣政務官及びティエリー・ブルトン欧州委員(域内市場担当)が共同議長を務めました。同会合において、日本側の3省庁とEUとの議論の成果として、共同声明を発表しました。
閣僚級会合概要
日EUは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、デジタルトランスフォーメーションに向けた共通の価値観とビジョンを推進する上で、これまで以上に緊密な戦略的パートナーシップを構築することの重要性を再確認しました。また、日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合の第1回会合(2023年7月3日、東京)以降の進捗を確認し、共同声明を発表しました。
共同声明のポイントは以下のとおりです。
日・EUビジネスラウンドテーブルや日欧産業協力センターの取組を含む、ステークホルダーの関与の重要性を強調した。
- OECDでのDFFT専門家コミュニティの設立を含むパートナーシップのための制度的アレンジメント(the Institutional Arrangement for Partnership:IAP)の始動を歓迎する。OECD閣僚理事会(2024年5月2日、3日)での連携を含め、IAPの更なる強化に関して引き続き協力する。本パートナーシップの機会を捉え、河野デジタル大臣とブルトン欧州委員との間でデジタル・アイデンティティの協力推進に関する協力覚書に署名した。日本に対するEUの十分性認定の範囲を学術研究分野及び公的部門に拡大する議論を歓迎する。
- 双方の産業界を巻き込み、欧州データスペースと日本のデータスペース(DATA-EXやウラノス・エコシステムを含む)の間の相互運用性を促進するための協力を継続する。この協力は、この領域の標準化にも対応する。
- 双方は、半導体について、持続可能な製造、ヘテロジニアス・インテグレーション(※1)、最先端の製造プロセスを含む分野について、専門家チームの立ち上げに向けた可能性を探る。また、「公的支援透明性メカニズム」の準備を進める。
- 双方は、海底ケーブルの製造、敷設、運用及び維持管理を担う信頼できる主体と連携し、北極圏の接続性を含む、大洋横断海底ケーブルに関与する同志国と協力する。
- HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)に関する継続的な協力の重要性と、量子-HPC連携アプリケーション・ユースケースに関する二国間協力を確認した。量子に関しては、基礎研究の共同プロジェクトへ向けて連携テーマを探求すると決定した。
- 双方は、IoT等製品のセキュリティ適合性評価制度の互換性を促進するための取組を継続し、両制度の基準策定における専門家の連携強化等において協力する。さらに、日米欧が共催する「産業制御システムサイバーセキュリティウィーク」を通じたインド太平洋地域の能力構築における協力を強化する。
- 双方は、6Gに関する共同研究の2024年初頭の公募開始を歓迎する。また、オープンで安全、革新的かつ強靭なネットワークの価値を強調し、クラウドサービスを必要とする仮想化されたネットワークを含む、そのようなネットワークの開発における協力を強化することを強調した。
- 双方は、 EUのAIオフィスと日本のAISI(※2)の設立を歓迎するとともに、将来の行政上の取決めに基づく両組織間の将来的協力にコミットする。また、 OECD閣僚理事会の場を含め、G7を超えた広島AIプロセスの成果のアウトリーチを加速することにコミットする。さらに、双方は、広島AIプロセスに基づくAIガバナンス・フレームワークの相互運用性の向上に引き続き取り組む。
- 双方は、オンラインプラットフォームに係る規制と競争の分野における協力を深める。双方は、適切なレベルでの定期的な情報共有チャネルの確立を探求する。
- 次回の第3回閣僚級会合は、2025年に東京で実施する予定。
(※1)ヘテロジニアス・インテグレーション:異なる種類の半導体チップを、一つのパッケージに収めるための製造技術。
(※2)AISI(AIセーフティ・インスティテュート):安全、安心で信頼できるAIの実現に向けて、AIの安全性に関する評価手法や基準の検討・推進を行うため、内閣府をはじめとする関係省庁等の協力の下、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)に設置された機関。
添付文書
関連リンク
- 過去の掲載記事:日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合を開催しました(2023年7月)
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担当:中道参事官、矢端企画官
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