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組織づくり

1. 組織改革の実施

組織体制、組織文化、働く環境をつくる。

組織体制

デジタル領域に専門性を持つ民間人材を採用するため、これまでの行政のメンバーシップ型雇用とは異なるジョブ型の採用手法を確立。採用倍率は平均20倍以上、内定受諾率9割以上を達成しました。またプロジェクトの優先順位変更に応じて機動的に人員を配置でき、個々人のパフォーマンスが十分発揮されるための組織体制とリソースマネジメント体制を構築しています。

  • 通年採用(民間専門人材の年間を通じたジョブ型雇用の実現)
  • 採用広報(オウンドメディアやイベントを通じた対外発信)
  • マトリックス組織(プロジェクト制とユニット制の導入)
  • リソースマネジメント体制(機動的な人員配置のための仕組み構築)

組織文化

多様な人材が集まるデジタル庁においては、全員が一丸となって目標へ向かうために通底する組織文化の構築が必要です。このためミッション・ビジョンといった共通の目指すべきゴールを定めて共有し、バリューとして職員としての行動指針を明らかにしています。またこれらが形骸化しないよう、人事評価制度や、1on1ミーティング、職員表彰などの施策を実施。出身や立場を問わず、様々な人材がオープンでフラットに働きやすい文化の構築と浸透を目指しています。

  • バリューアンバサダー(有志によるミッション・ビジョン・バリュー浸透の促進活動)
  • MVVアワード(MVP・ビジョン賞・バリュー賞などの表彰と行動模範の提示)
  • 360度レビュー(バリューに基づいた多面的な人事評価の導入)
  • 1on1ミーティング(上司部下が信頼関係構築するための定期ミーティング制度の導入)
  • バディ制度(官民が二人組で相互に学び合う仕組みの構築)
  • オールハンズミーティング(幹部との双方向の対話を実現する定期的な全庁ミーティング実施)
  • 勉強会(技術や政策など多様な領域について学ぶ機会の創出)

働く環境

多様なスキル・経験を持つ人材の良さを引き出すには、成果を発揮しやすい環境を整えることが不可欠です。デジタル庁ではITツールの導入などのハード面だけでなく、庁内の情報共有やコミュニケーション手法などについてポリシーを定めるなどソフト面での取組みも進めてきました。こうすることで、いつでもどこからでも、生産的に働ける環境を目指しています。

  • オンボーディング(入庁後にすぐ活躍できる環境の整備)
  • 人事SaaSの導入(人事情報や組織構造の可視化と手続きのワンストップ化)
  • リモート環境(オンラインで会議や議論ができる環境の構築)
  • チャットツール(チャットを用いたコミュニケーションの導入浸透)
  • コミュニケーションポリシー(情報共有やコミュニケーション手法のガイドライン化)

2. 組織体制

プロジェクト制度とユニット制度を導入。

格子状に複数の線が描かれた模式図。縦の線は様々なプロジェクト、横の線は様々なユニットを示している。各プロジェクト、各ユニットにはそれぞれリーダーがおり、プロジェクトごとに各ユニットから人材が配置されている。

プロジェクト制度

デジタル庁の組織は、「戦略・組織グループ」「デジタル社会共通機能グループ」「国民向けサービスグループ」「省庁業務サービスグループ」の4グループから構成されます。戦略・組織グループ以外のグループについては、プロジェクトを中心としたチームを組成しており、一人ひとりの人材の専門性(スキル)に応じて、最適なプロジェクトへの配属を機動的に行っています。

ユニット制度

民間人材はリソースユニットに所属し、プロジェクトの要望に応じて配属される体制を導入しています。リソースユニットは専門領域ごとに組成され、それぞれにユニット長とユニット長補佐が置かれています。

3. 組織改革の結果

霞が関の働きかたの先進事例に。

デジタル庁の人員構成と働き方に関する数字を示した図。デジタル庁は250人が民間出身者、500人が行政出身者ほかで構成されている。デジタル庁のバリューに対する理解度は85%。テレワーク率は39%。オンライン全庁ミーティングには、500人がライブ参加している。

効率的な働きかた

これまでの霞が関では、メール、対面での打合せ、紙での国会対応など、従来の慣例に従う働きかたが一般的でした。デジタル庁では、柔軟で効率的な働きかたができるような環境や仕組みを整え、国会対応業務などもチャットツールや文書の共同編集機能を活用し、政務や幹部も含めて打合せはリモートで行っています。

自由がある働きかた

霞が関には一定のルール、決められた設備などがあり、働きかたを選ぶことが難しい状況でした。デジタル庁では、リモートワーク環境整備やフリーアドレス導入、政務、幹部や職員皆が参加するオンライン全庁ミーティングを月次で開催するなど、柔軟で自由な働きかたを推し進めています。

業務で学ぶ働きかた

デジタル庁は、民間や行政の出身を問わず、多様なバックグラウンドや専門性をもった人材が働いています。民間出身者と行政出身者がそれぞれ、自分の専門分野を超えて業務を通して同一のミッションを遂行し、互いの専門外の知識を業務を通じて習得することができています。さらに、チームを超えてデジタル庁全体に知識を共有する勉強会を随時実施。働きながら学ぶ環境が整ってきています。

組織サーベイ

組織の課題を把握し、継続的に改善。

組織サーベイの実施

創設からまもない組織を成り立たせるため、満足度やエンゲージメント、バリューの浸透や体現度を計測する「組織サーベイ(調査)」を実施しました。アンケート結果を基に、組織改革(人事改善・コミュニケーション・予算要求等プロセス)を行い、約半年で職員満足度やバリュー浸透・体現度が改善してきました。成果を上げる組織であるために、今後も定期的に調査を実施し、改善を重ねていきます。

職員満足度やエンゲージメントが改善

職員の満足度は、2021年11月から2022年5月の約半年で8%改善。デジタル庁を誇りに思うかについても、9%と大きく改善しました。

2021年11月と2022年5月実施の組織サーベイを比較する棒グラフ。9%多い63%の職員がデジタル庁に誇りを持っている。職員満足度は8%改善して51%が満足している。

直近/今後に向けた取組への前向きな評価

組織改革を行った結果、職員全体の約60%が「過去半年の間、組織として改善に前向きに取り組んでいる」と回答しました。