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令和5年(2023年)第3回政策評価・行政事業レビュー有識者会議【公開プロセス】

概要

資料

関連資料

公開プロセスにおける有識者からのコメントも踏まえて令和5年(2023年)政策評価・行政事業レビュー報告書(5ページから8ページ)を作成しています。
詳細は第4回政策評価・行政事業レビュー有識者会議をご確認ください。

会議動画

議事録

森参事官: それでは、令和5年度「デジタル庁政策評価・行政事業レビュー(公開プロセス)」を開催いたします。
本日の進行は、デジタル庁参事官の森が務めさせていただきます。
なお、本日はウェブ会議システムを用いて開催させていただいております。まずは開催に当たりまして、冨安デジタル庁戦略組織グループ統括官から御挨拶させていただきます。よろしくお願いいたします。

冨安統括官: デジタル庁の冨安でございます。
有識者の先生の皆様方にはいつも大変お世話になっております。本日も大変お忙しい中、御参加を賜りまして誠にありがとうございます。
本日の公開プロセスにおきましては、今年3月に有識者点検対象事業として選定させていただいた事業の中から、国民の方々も利用いただくという意味で非常に関心度の高い「政府共通ウェブサイト」について御議論いただくこととなっております。本事業は、これまで各省庁が個別で作成していたウェブサイトを、国民の視点に立ってより使いやすい、よりよいものにしていく、分かりやすいものにしていくという観点から立ち上げた事業となります。
そういう意味では政策効果が上がるということが非常に大事でございますので、有識者の先生方にはぜひともこの政策目的、あるいは目標の設定、アプローチ方法が適切か否かなどの視点から、本事業の質がいかにしたら上げられるかということにつきまして、活発な御議論を賜れたらありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
忌憚のない御議論をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

森参事官: ありがとうございました。
それでは、本日御出席の外部有識者の先生方を御紹介させていただきます。本日の公開プロセスには、デジタル庁専任の外部有識者2名、内閣官房行政改革推進本部事務局専任の外部有識者2名の合計4名の外部有識者の先生方に御出席いただいております。
最初に、こちらに私どもと一緒に御参加いただいております、デジタル庁の政策評価・行政レビュー有識者会議において座長もしていただいております、国立情報学研究所情報社会相関研究系教授の佐藤一郎先生です。佐藤先生には、座長として議論の進行、それから最後に御意見の取りまとめ役をお願いしております。
次に、外部の有識者の先生方からは、ウェブ会議システムでの御参加をいただいております。
まず、NPO法人国際CIO学会理事長の岩崎尚子先生。

岩崎委員: よろしくお願いいたします。
続きまして、株式会社YeeY共同創業者代表取締役の島田由香先生。

島田委員: よろしくお願いいたします。

森参事官: 最後になりますが、TMI総合法律事務所パートナー弁護士の水戸重之先生。

水戸委員: よろしくお願いします。

森参事官: 以上の4名の外部有識者の皆様、本日はよろしくお願いいたします。
続きまして、本日の進行について御説明をさせていただきます。まず、事業担当者から事業の説明をさせていただきます。その後、委員の皆様から当該事業に対する忌憚のない御意見、御質問等を頂戴したいと思います。その後、議論の終了5分前程度を目安にアナウンスさせていただきますので、各委員それぞれの最終コメントを述べていただくようお願いいたします。その後、委員を代表して佐藤座長にコメントを取りまとめていただきまして、委員の皆様に御承認をいただいた上で確定をさせていただきたいと思っております。
また、ノイズ防止のため、マイクは通常オフ設定にしていただきまして、御発言の際には軽く挙手、あるいはシステムの挙手ボタンを押していただきましたら、座長から指名させていただきますので、その際にマイクをオンにして発言いただければと思います。御発言が終わりましたら、マイクをオフに戻していただきますようお願い申し上げます。
それでは、ここからは外部の有識者の方々による議論となりますので、進行を佐藤座長にお願いさせていただきます。それでは、佐藤座長、お願いいたします。

佐藤座長: 国立情報学研究所の佐藤一郎でございます。今日はよろしくお願いいたします。
冒頭に少しだけ、今回は公開プロセスということなので、手短に背景を御説明させていただきたいと思います。
府省庁の評価は、内閣官房の行政改革推進本部事務局主導によるいわゆる行政事業レビューと、政策評価法に基づく各府省庁に設置された政策評価に関する有識者会議などの名称で設置された会議の2つがございます。ただ、2つの評価を行うということで、各府省庁の原課から見ると負担になっているということがあって、各府省庁ともどういうふうに負担を減らすかということをいろいろ試して試行錯誤しているところでございますけれども、デジタル庁では、行政事業レビューと政策評価に関する有識者会議というものを統合して実施するという形を取らせていただいていて、今年度に関しましては、今回が3回目となります。
今年度の過去2回は、いわゆる公表を行わず、今回のようないわゆるライブ配信ではなくて公表を行っていないのですけれども、議事録などにつきましては公表されておりますので、そちらを御覧いただければと思っております。
あと、審議の前にもう1つだけ付け加えさせていただきますと、対象となる事業の選考でございます。今回の選考に関しましては、今年の3月の前だったと思いますけれども、次のシステム更改、いわゆるシステムのリニューアルを迎える前の対象となるようなシステムを4つ選ばせていただいたものです。ですから、言い換えてみると、既に運用中のシステムなどに関しては、必ずしもここで指摘をしたところでそれが反映できるわけではないので、リニューアル前のものを対象としているということを申し上げておきます。4つ選ばせていただきまして、今日はその中の1つを中心に審議をさせていただくというものでございます。この後、担当から御説明をいただいた後に、各構成員から質問、コメントをいただくという流れで進めさせていただきたいと思います。
それでは、事業担当課の方、原課のほうは御準備できているのでしょうか。大丈夫ですか。
そうしましたら、早速説明をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

宮西参事官: デジタル庁の担当参事官の宮西でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料に沿って順次御説明させていただきます。
1ページおめくりいただいて、本日はこのような流れで御説明をさせていただきます。
次をお願いします。まず、政策の目的といたしまして、こちらに記載してございますが、各省庁は現在、ウェブサイトを整備しているところでございますが、こちらは利用者から見ますと、各省庁ごとにデザインが異なる、また、情報へのたどり着きやすさというものも異なっている。それに加えまして、様々な障害を持つ方々にとってのアクセスのしやすさも十分に考慮されていないものが存在するという状況がございます。
これに対しまして、システムを運用する各省庁の担当者につきましては、必ずしもこういったシステム開発・運用においてウェブサイトについての専門的知識を持っているわけではない。また、各省庁が独自に開発・運用を行っているということで、ノウハウが十分共有されないといった課題が存在してございます。
これまで、統一的なウェブサイトを作ることを視野にデジタル庁として実証実験を進めてきたところでございますが、目指す姿といたしまして、統合されたウェブサイトを作るよりも、障害を持った方々を含め、様々な利用者の方が必要な情報にたどり着けるという利便性の向上、それから、各省庁における必要な経費の削減、担当者の負担軽減のために必要な取組を行うというところが重要ではないかということで、現在、構成を少し変更しつつ業務を行っているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。目標設定でございます。各省庁のウェブサイトの現状といたしましては、ウェブサイトガイドブックなど、一定の基準に沿って各省庁がウェブサイトを構築しているところでございますが、スムーズに情報にアクセスできない、また、障害を持った方々などが必要な情報にアクセスできないという状況がございます。そういったところから、このウェブサイトガイドブックだけでは十分ではないのではないか。
そして、情報発信が正しく国民の皆様に対して行われていないとなりますと、今後のDXの観点からも十分な信頼性が確保できないということから、我々に何が求められているのかということについて検討を行い、まず、プロトタイプとしてのデジタル庁のウェブサイトを構築して、継続的に改善を行っていくことで使いやすさ、アクセスのしやすさといったノウハウを蓄積していく。これらを各省庁と共有することで、ウェブサイトの使いやすさを向上させ、運用負担を軽減させる取組を各省庁を巻き込んで実践すべきであるという考えに現在至っているところでございます。
次をお願いいたします。アプローチでございますが、これまでの進め方の概略でございますが、まず、誰もがアクセスしやすいタイポグラフィ、情報として視覚的に魅力的かつ読みやすいテキストが配置されているかとか、フォントといったものを定めたデザインシステムであったり、ウェブサイトの基幹部分でコンテンツを管理する機能であるCMSといったものについて、α版を構築するところから始め、その後、令和4年度にデジタル庁のウェブサイトの構築を行って、その効果の検証を行ってきたところでございます。
加えまして、構築いたしましたデジタル庁のCMSを活用することによって、新たに設置されたこども家庭庁ウェブサイトの構築、それからCIOポータルのアーカイブ化といったものを行ったところでございます。それを踏まえて、今後の展開手法の見極めという段階に現在至っているというところでございます。
次をお願いいたします。標準化・統一化の展開につきましては、例えばシステムの展開については、インフラ、CMS、開発運用の全てをデジタル庁で行うということも考えられました。また、プラクティスの展開といたしましては、ガイドブック、パーツ、事例の共有といったことを行うということが考えられたところでございます。
次のスライドをお願いいたします。まず、デジタル庁のウェブサイトにおいてどのようなことを行ったかでございます。
次をお願いします。まず、先ほど申し上げたとおり、デジタル庁のウェブサイトで実証実験を行ったところでございますが、コストの面なども含めていろいろございますが、アクセシビリティー、デザインシステム、それからユーザビリティの向上といった観点からの取組を行っておりますので、次から順次御説明をいたします。
次をお願いいたします。まず、データの再利用性・汎用性の確保の観点でございます。ウェブサイトのコンテンツでありますデータそのものを分離させることによってデータの再利用性を高める、また、オープンソースのソフトウエアを使用することで複数に展開する場合のコストを削減するという観点から試行を行ったところでございます。
次をお願いいたします。アクセシビリティーの担保でございます。アクセシビリティーの観点では、色覚特性への対応や音声読み上げソフトへの対応といった、障害をお持ちの方にとっても情報にたどり着きやすいことをいかに実現するかという観点でウェブサイトの構築を進めてございます。これはデジタル庁のほかのチームで行っているものでございますが、デザインやアクセシビリティーといった検討の成果を活用したものでございます。
次をお願いいたします。例えばアクセシビリティーの取組についてはこのような形でございます。
次をお願いいたします。デザインシステムにつきましても、先ほどのものと同様に、デジタル庁として公開しつつ、対応を進めているところでございます。
次をお願いいたします。このような形で、様々知見を取りまとめたものについてはデジタル庁としても公開をしておりますが、こういったものをデジタル庁のウェブサイトとしても活用するということで取り組んできたところでございます。
次をお願いいたします。ユーザビリティの向上の関係の取組でございます。まず、アクセス解析機能を導入することによりまして、利用者のウェブサイト内での行動を分析いたしました。そして、それに基づいて改善につなげ、改善後も新たな利用者の動向をさらに踏まえて改善をするというサイクルを回すという取組を行ってございます。
例えばアクセス解析の結果、デジタル庁のウェブサイトはパソコンからのアクセスよりもスマートフォンからのアクセスが圧倒的に多いという状況、加えまして、スマートフォンからのアクセスでは、デジタル庁のウェブサイトにアクセスした後にサイト内を探索するのではなく、外部の検索サイトを使ってキーワード検索を行い、その結果からリンクでたどり着いた該当するページで必要な情報を閲覧した後に離脱するということが多いことが判明しております。
さらに、例えば行政機関の職員であったり、自治体職員が頻繁に閲覧するページの場合は、平日の昼間にパソコンからアクセスされていることが多く、個人が多く訪れるページの場合は、土日も含め、比較的均等にスマートフォンからアクセスされているということが判明しております。このような傾向を基にいたしまして、トップページに利用者別のメニューを設けるという改善を行ったところでございます。
次をお願いいたします。その他の取組でございます。先ほども御説明いたしましたこども家庭庁のウェブサイトの構築では、デジタル庁のCMSをこども家庭庁に適用して構築するという形で取組を行いました。この結果、開発コストの削減や、調達で次に必要なリソースの削減を実現してございます。ただ、課題として挙げておりますとおり、必ずしも簡単にできるものではなかったというところでございます。
次をお願いいたします。古いデータのアーカイブ化の取組といたしまして、CIOポータルサイトのコンテンツのアーカイブ化を進めております。これは、CMS上にございましたウェブサイトを静的なHTMLの集合体といたしまして生成し直し、これまでと同じURLで公開することで、ユーザー側からはこれまで同様にアクセスが可能であり、また、運用にかかるコストも軽減することができたものでございます。
次をお願いいたします。このような取組の結果の課題でございますが、まず、ウェブサイトへのアクセス方法というものは変化しており、こういった状況を踏まえたウェブサイトの構築といったところを進めていく必要があること。それから、デジタル庁が他省庁のウェブサイトの構築に関与するためには一定のリソースが必要であり、省庁ウェブサイトに求められる要件は様々でございますが、そういった中での実現性というのは必ずしも高くはないということが課題として判明してございます。
次をお願いいたします。今後の取組でございますが、今後、令和5年度におきましては、デジタル庁のウェブサイトの改善などから得られましたプラクティスの展開を業務の中心として行っていく必要があるという結論に至ってございます。
具体的には、ユーザーにとって使いやすいだけではなく、各省庁の職員にとっても使いやすいウェブサイトはどうしたらよいのか。コミュニティーを構築することで、政府全体としてアクセスがしやすいウェブサイトの構築手法や政府の情報が必要な人にきちんと届くアクセスのしやすさといったものをどのように実現するかという手法を共有するような課題解決につなげる取組を行うこととしております。
次をお願いいたします。こちらは先ほどのスライドと同じでございますが、右上の「令和5年度」に記載しておりますとおり、プラクティスの展開を今後の事業の中心として取り組んでいきたいと考えてございます。御指導等をいただければと思います。
以上でございます。

佐藤座長: 宮西参事官、丁寧な御説明をどうもありがとうございます。
本件は、この会議体で過去2回、我々が議論をさせていただいたところでございます。この案件の残りの3件もそうだったのですけれども、デジタル庁の各事業の担当者の方から大変御丁寧に御説明いただきまして、また、我々構成員側からの質問、コメントにも非常に的確かつ丁寧にお答えいただいたところで、我々もかなり理解が進んできているところだと思います。
ただ、今回は公開プロセスということもありますので、やや前回の議論と重複するところがあっても致し方ないと申しましょうか、今日、ライブ配信で聞かれている方からすると前の議論が見えていないところもあるかと思いますので、多少重複を許すような形で御議論させていただければと思っております。
議論の流れなのですけれども、前回、前々回と同様に審議のフレームワークというものを御用意させていただいていて、政策目的、目標設定、アプローチ、ステークホルダー、体制などに関して、それぞれについて御議論いただければと思っております。ただ、それぞれが相互に関わるところでございますので、必ずしもこれに沿ってということではございませんので、皆さんから忌憚のない御意見をいただいたほうがいいのかなと思っております。
それでは、政策目的のところから、各構成員からの御意見などを承ればと思っておりますけれども、皆様、いかがでしょうか。
島田構成員、お願いいたします。

島田委員: ありがとうございます。御説明もありがとうございました。
今回、5つの論点を整理いただいていて、もしかすると私の質問やコメントが政策目的に限らなかったとしたら、また必要なところで教えていただければと思うのですけれども、1点、伺っていて改めての確認というか、自分の中でも整理したいと思ったのが、今回立ててくださっている政府共通ウェブサイトというのを構築していくということは、本当に何のためにやるのかということだけがきちんとシェアされて、やらなきゃやらなきゃということが目的にならないようにというところを改めてリマインドさせていただきたいと思いました。
全ての省庁のウェブサイトが使う人にとってより使いやすくなるようにというこの取組は、一国民としても非常に必要なことだと思いますし、大事な事業だと思います。だからこそ、何がどうなったらこの事業は大成功なのかというところが私たちにもより分かると、こんなことに向けてやっていらっしゃるのだなということがより見えると思います。
よくあるのが、できないことに意識が向いてしまってそのままになってしまうこともあるので、そうではなくて、こんなすばらしいことをしているのだから、こうしたらできるよね、ああしたらやれるよねというのをぜひ省庁をまたいで、共通の理解や目的を持ってやっていただけたらと思いました。まず、これを一つの意見として伝えさせていただければと思います。ですので、政策目的のところは非常によく分かりました。ありがとうございます。
以上になります。

佐藤座長: それでは、宮西様に御回答をお願いしたいので、その前に私から補足をさせていただきますと、我々が1回目、2回目でいろいろ御指摘をさせていただいて、そこで非常に明らかになってきたこととして、政府で統一のウェブサイトを作るというのは本質的なのかどうかというところもかなり議論になりまして、どちらかといいますと、各府省庁のウェブサイトごとにいろいろ改善を支援するという形で政策の方向性が変わったというところがございます。
その背景というのは、各府省庁によって提供する情報も違いますし、利用される方々も違うところがあるので、必ずしも統一する必要はないということを前提で議論をここまでさせていただいております。それも含めまして、担当の宮西参事官から今の島田構成員からの御指摘に何か御意見がありますでしょうか。

宮西参事官: ありがとうございます。
まず、今回の施策の概要に「統一」という言葉がございますが、デジタル庁といたしましても、一つのウェブサイト、同じものを作ることによって利用者からアクセスがしやすいということになるのかについて、この場での議論などもいただきながら検討を進めたところでございますが、やはり各省庁のウェブサイトで扱っております情報が異なる、それから利用されている方も異なるということで、それぞれの省庁のウェブサイトにおいて見やすさといったものを実現する必要があるのではないかということで、今回御指摘いただいた点も踏まえまして、本年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で、これまでの政府ウェブサイトの標準化・統一化という方向性から、政府ウェブサイトの発信力の向上支援という形に取組の重点をシフトいたしまして、まさに御指摘いただいたような情報が違うとか、利用者が違うという中でもいかに多くの方にとって見やすいものになるのか、例えばアクセシビリティーといった形で障害者にとっていろいろなアクセスがしやすいということなどもございますので、そういったところを全省庁でしっかり取り組めるような取組を進めていきたいということで、現在、進めているところでございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
島田構成員、何か追加の質問などはございますでしょうか。大丈夫でしょうか。

島田委員: 大丈夫です。ありがとうございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
そうしましたら、ほかの構成員の方で政策目的のところで何か御質問などはございますでしょうか。
岩崎先生、お願いいたします。

岩崎委員: ありがとうございます。また、御説明いただきましてありがとうございました。
まず、政策目的につきまして、特に私から異論はございません。
感想を申し上げたいと思います。
まず、実証実験等を通しまして課題を把握されて、目指すべき姿や成果も明確になっていると思います。ウェブサイトの統一化や標準化をすることによってコストやリソースの負担になるというのであれば、行政事業レビューとしても見直される必要があると思うのですが、この件に関しては、結論として単一ウェブサイトの構築の検討は必ずしもよいゴールではなかったということが明示されたという点が、仮説の検証としても有意義だったと拝察しております。この点に関して、行政の無謬性にとらわれずに、アジャイルの成果があったと評価したいと思います。
大事な点は、いかにユーザー目線や国民目線、また、職員の皆様方の使い勝手も含めてウェブサイトを構築していくのか、ユーザビリティ、アクセシビリティの質を高めていくのか、属性別・世代別に見て使いやすさや分かりやすさ、見やすさに配慮していくのかという点です。
さらに、高齢者、あるいは障害がある方をはじめ、デジタル弱者に対応したウェブサイトがどうあるべきなのかという点も、誰も取り残されない社会を目指していくためのサービスの一環として非常に重要な観点だと考えます。
今後はこうした評価を継続的に行っていくということで、アクセシビリティ、ユーザビリティ等がどう改善されていくのかというところを継続的に御評価いただくということが大事だと思っていまして、課題が見えてきた段階で都度改善を繰り返していく、そのためのデータを収集されて、データドリブンでPDCAを回していただきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
かなり補足的なことを今おっしゃっていただいたので、宮西参事官からこれに関して追加することがあるかどうか分からないのですけれども、もし何かあれば。よろしいですか、大丈夫ですか。

宮西参事官: 宮西でございます。
まさに御指摘いただいた点が現在取り組んでいる方向性の中で中心となっていくところでございます。デジタル庁の中でも専門のチームもございますので、そういったところのインプットを入れながらやるということと、各省庁との連携もしっかり行った上で、御指摘のデータドリブンのPDCAサイクルを回すという点についても、どのように実現していくかも含めてしっかり取り組んでいきたいと思います。

佐藤座長: ありがとうございます。
それでは、次の論点に行きたいと思っております。先ほど島田構成員からも御指摘がありましたけれども、一応論点を分けましたけれども、それぞれ密に関わっておりますので、多少のオーバーラップは構いませんので、御自由に御発言いただければと思っております。
2つ目が、目標設定でございます。これに関しまして、各構成員の御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
島田構成員、お願いいたします。

島田委員: ありがとうございます。
佐藤座長にちょっとオーバーラップしても大丈夫と言っていただけてよかったです。ありがとうございます。重なってしまっていたらすみません。
この目標設定は、先ほど見せていただいた内容を見ると、各省庁の方も巻き込みながらやっていかれるというところの中で、巻き込むというか、コラボレーションしていきながらということなのだと思っております。それによって重複してしまうようなところを減らしていくとか、それは見るほうからしても、同じようなことが載っているなではなく、必ずしも統一したものはないということでいいのではないかとなっていますけれども、今回、これにデジタル庁さんが関わるということで、やはり全体感が出るとか、それから各省庁の役割がより見えるようになるとか、すごくよいことがあるのではないかと思うのですね。
なので、重複点やコストは下げていきながら、利便性を上げていくということになっていくときに、先ほどコミュニティーという言葉が出てきまして、省庁の皆さんと一緒にやっていく場をコミュニティーと呼んでいらっしゃるのかなと思ったのですが、まずその理解が正しいかということと、もしそうなのであれば、コミュニティーの構築というところでどんなことを大事にされながらこの点をやっていかれようとしているのか、ここをぜひ教えていただきたいと思いました。これがまず私の1つ目になります。
2つ目が、使いやすさ、利便性というのを一番大事に考えてということであると思うのと同時に、見た目というか、UIという点も私は大切だと思っていて、見た瞬間に、ちょっと言葉が悪かったらごめんなさい、あまりにつまらなかったりだとか、わくわくしなかったりだとか、もっとあれ、こんなこともあるんだ、ちょっと覗いてみようといった興味を湧かせる、好奇心を抱かせるような見た目や構造というのも大切だと思っているので、こんなところに対してどのようにこのコミュニティーを活用しながら取り組んでいかれるのか、この辺りでもし何かいただけるインプットがあれば、お願いできればと思います。
以上です。ありがとうございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
今の島田構成員のコメントに対しまして、宮西参事官、何かございますでしょうか。

宮西参事官: 御説明いたします。
コミュニティーにつきましてでございますが、まず御指摘いただいたとおり、各省庁のこういったウェブサイトの担当者によるコミュニティーをつくることを考えてございます。これは説明の中でも少し触れましたが、各省庁にとりまして、ウェブサイトはいいものを作らないといけないという思いはあるものの、必ずしも専門的な人材がそろっているというわけではないということで、デジタル庁には一定のそういった人材もいる中で、相互に補完しながら取り組んでいけるといったところでコミュニティーが役に立つのではないかと考えてございます。
その中で、コストの話もございましたが、共通的に実現できるものについては共通的に実現することによって、それぞれが個別にやる時間的、または費用的な負担を減らすというところもございますし、また、利便性の観点からもこういった形で利便性が高いサービスがある、また、利用の仕方があるといったものについてうまく共有することによって、使いやすさという観点で同じ方向に進めるのではないかと思ってございます。
それから、各省庁で利用者の方々が異なるということで、こういう形にすることによって必要なターゲットに情報が届くようにしたいのだというそれぞれ違う思いをお持ちであるということも、いろいろインタビューをする中で見えてきておりますので、そういったところからも、もちろん各省庁のウェブサイトによって違うと思いますが、どういう方向性に進めばよいのかということを検討できると考えてございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
島田構成員、今の宮西参事官からの御回答に何か追加の御意見などはございますでしょうか。大丈夫でしょうか。

島田委員: ありがとうございます。
1個だけもう少し教えてほしいのが、具体的に専門人材をデジタル庁の方が必要に応じて補完されながら各省庁の御担当の方となったときに、それもグループウェアでつながりながらやっていくとか、もちろんハイブリッドでリアルと合わせながらとか、どんな頻度でとか、どのようにある程度のスピード感を持ってやっていかれるのかとか、何か今の時点で分かっているつながり方、進め方というところで聞いてもいいことがあったら教えてください。ありがとうございます。
すみません、追加になりました。

佐藤座長: 宮西参事官、何かございますでしょうか。

宮西参事官: まず、開催頻度については、まだこれから各省庁の意見なども聞きながら、物理的またはオンラインで会うミーティングの場をどれぐらいの頻度で設定するかというところは検討していきたいと思ってございますが、まず、ツールを使って常時やり取りができるといった環境はぜひともつくりたいと考えてございまして、例えば集まるまでもなくこういったところでよい事例がないかということがあれば、特にデジタル庁としての経験を基に発信ができると考えてございますし、また、デジタル庁の側からも、これまでデジタル庁のウェブサイト、それからこども家庭庁のウェブサイトの構築によって得られた知見というのは我々のほうからの発信という意味でもそういった媒体を使って常時参照できるような形でのコミュニティーの運営をしたいと考えてございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
ほかの構成員から何か御意見はございますでしょうか。
水戸先生、お願いいたします。

水戸委員: 水戸でございます。
今のコミュニティーの関連で伺いたいのですが、レビューシートによりますと、アウトプットのところにコミュニティーの参加省庁数で5と書いてあるのは、5省庁という理解でよろしいですかね。これはデジタル庁自身も入っている数なのかと、できましたら、どこの省庁か、あるいは目標なのかどうか、教えていただきたいと思いました。

佐藤座長: 宮西参事官、今の水戸先生からの質問にお答えできますか。

宮西参事官: まず、コミュニティーへの参加の省庁の数を表してございまして、これはデジタル庁を含んでいない形で、デジタル庁以外の省庁にコミュニティーに参加していただく目標ということで定めてございます。現時点ではどの省庁というところは明示的に固まっておりませんが、一定程度省庁のウェブサイトの更新のタイミングといったところでニーズが高まってくると考えてございますので、そういったところにぜひ入っていただいて、よりよいウェブサイトを順次作れるという形で進められればと思いますし、そういった結果、出来上がったウェブサイトをさらに継続的によくするためにも、このコミュニティーをうまく使っていただくという意味で順次増やしていければと考えてございます。

水戸委員: 伺っていて、このコミュニティーの位置づけはすごく大事かなと思っていまして、一番大事なのはデジタル庁御自身がどういうサイトを作られるかで範を示すというのも大事だし、ただ、他の省庁さんでどんな課題を持っているかのサンプリングですね、たくさん省庁がある中での5つを選ばれて意見交換されるというのはすごくいい取組だと思うので、すぐ答えられなくてもいいのですけれども、どういう基準で選んでいくのかとか、進んでいるところを中心に選ぶのか、遅れている省庁をわざとピックアップして入ってもらうのかとか、その辺の方針をこれから詰めていただければなと期待しております。

佐藤座長: ありがとうございます。
ほかはよろしいでしょうか。
1点、私からも補足をさせていただきますと、いわゆる国、または公共機関におけるウェブサイトというのは、なかなか民間と違う要件もあって、今回、宮西参事官から資料の説明で、22ページだったと思いますけれども、古いデータのアーカイブ化の話もお話しいただきました。こういった公的なウェブサイトの場合、ある意味そのサイトから出ている情報というのはいわゆる公文書にかなり準ずるものとなるので、そうしたもののアーカイブというのは民間とはかなり違う要件というのがあるかと思いますので、先ほど島田構成員からわくわくという言葉が出ていましたけれども、国の場合、ある程度残すことを考えるとかなり静的なコンテンツも含めなくてはいけないところもあって、その辺りは各府省庁のいろいろな情報であったり、利用者のというのがありますので、そういうところのバランスを取って、最終的にはアーカイブ化をしていかなければいけないのですけれども、うまく利用者にとって魅力がありつつ、ちゃんとアーカイブができるというところを進めていただけるとよいのかなと思っております。
それでは、まだほかにもあるかと思いますけれども、次の論点に行きたいと思います。3番目の論点が、アプローチ(政策手段)とございます。こちらに関しまして、構成員の御意見を承ればと思っております。よろしくお願いいたします。
少し補足をしておきますと、当初、いわゆる政府で統一のウェブサイトを作るということだったわけですけれども、現状はむしろ各府省庁のウェブサイトを支援する、また、そのアクセシビリティーに関して必ずしも国のウェブサイトが進んでいるとは言えない状況かと思うと、そういったところに関してはかなり共通的に御支援するという、各省庁向けにこれからかなり取り組まれていくと思います。その中でこの取組がどういうアプローチであるべきかということに関しまして御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
島田構成員、お願いいたします。

島田委員: ありがとうございます。
私は全くこういったところが専門的ではない中、お話を伺っていてぜひもうちょっと教えてほしいなと思っていたのが、実証実験の中でデザインシステムというのを適用していったよと。見た目の違いというのは見せていただいているのですけれども、具体的にどんなデザインシステムの適用によってよい点があったのか、または、ユーザビリティに関しても、実証実験の中で進化させていったと理解しています。
聞きたいことは、これらの実証実験の中で行ったことで見えてきた効果、何かほかに私たちが知っていたらいいのではないかということがあったら、教えていただければと思います。よろしくお願いします。

佐藤座長: 宮西参事官、よろしくお願いします。

宮西参事官: お答えいたします。
アクセシビリティーの観点では、例えばウェブサイトにどのフォントの種類を使うか、またはどの文字の大きさを選ぶか、または文字と文字の間とか、一つのパーツパーツの間といったものについて、それから色のコントラストの比較も、いろいろ色覚特性を持った方がいらっしゃいますが、そういった方にとって見やすい色の対比はどうしたらよいのかというものをデザインシステムということで定めてございまして、それを実際にデジタル庁のウェブサイトの中で実現して使っていただいているということがございます。
利用者の方からの声の中には、デジタル庁のウェブサイトにまだ機能が足りないとか、いろいろな指摘もいただいてございますが、その中でデザインシステムについては使いやすいとか、見やすいといった声もいただいておりまして、これからもいろいろな利用者の方の声を聞きながら、よりよいものにしていかないといけないと考えてございます。

佐藤座長: 島田構成員、今の回答に何か補足することなどがあれば、どうぞ。
島田委員: 大丈夫です。
佐藤座長: 大丈夫ですか。
ほかの構成員、いかがでしょうか。
では、水戸先生、お願いします。

水戸委員: ここで質問するべきなのかちょっと分からないのですけれども、先ほどからデジタル庁のホームページをスマートフォンで見ながらいろいろキーワードを入れたりしているのですが、申し訳ないですけれども、やはりちょっと分かりにくいかなと思っています。
我々が一般的に使っている検索エンジンなどに入れると、かなりかゆいところに手が届くようなページがばーっと出てくるところがあると思うのですが、そこまでは残念ながらまだ行っていないのかな。キーワードは入れられるのですが、見出し方式というか、ある程度知っている人だと大項目、中項目、小項目とたどっていけるのかもしれませんが、一発で関連のありそうな見出しがぱっと並ぶという大手検索サイトのようなところまでは残念ながら行けていないのかなと思うのですが、これは実証実験を経ても現状このくらいまでですというのか、役所としてはこれが理想形と考えておりますというのか、少し御説明いただきたいと思います。

佐藤座長: 宮西参事官、いかがでしょうか。

宮西参事官: 御指摘の検索の部分についてですが、こちらは昨年末にデジタル庁のウェブサイトに新たに入れたものでございまして、例えば民間の検索エンジンを使って検索できるという機能の入れ方も考えられたのですが、独自で外部に検索キーワードを出さない形で内部で検索できるようにするにはどうしたらいいかという形で実現したものでございます。
 御指摘いただいたとおり、民間の検索エンジンと比べますと、曖昧検索のような機能がないとか、検索したときに、例えば日付順に現れたほうがよいのではないかといったところもまだ改善する点があると我々も認識しておりますので、引き続きこちらの改善についても取り組んでいきたいと考えてございます。

佐藤座長: 水戸先生、今の回答で大丈夫でしょうか。

水戸委員: はい。事前勉強会でも出ていたAISASでしたか、サーチして、アクションを起こして、シェアするという国民の消費者行動というのは、役所に対するアプローチも全く同じだと思いますし、抽象的にユーザビリティとか、障害のある方へというキーワードは出てくるのですが、どこに現れるかというと、やはり探すときの優しさであるとか、アクセシビリティーなのだと思うので。
(通信不良)

佐藤座長: 水戸先生、途中で音が切れてしまっているのですけれども。

水戸委員: ごめんなさい、どの辺りだったかな。

佐藤座長: 後半のほうです。

水戸委員: 分かりました。
勉強会でも出ていたAISASという国民の消費者行動・消費行動は、役所に対する情報のアクセスについても全く同じかなと思いましたので、ぜひ進めていただきたい。ユーザビリティという抽象的な言葉ではなくて、具体的にいじってみるとすごく違いが分かるのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

佐藤座長: ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
私から補足をさせていただきますと、検索を使って目的のページにたどり着くということは、もちろん民間でもあるし、多分公的機関でもあるところで、一番よくないのは、情報があるのにその情報にたどり着けないという状況で、そこは検索で使われる利用者もそれなりにいるということを前提にしてキーワードなり、インデクシングといったものを工夫していただくということもありますし、もう一つは、ここ数か月で幾つかの公共系のウェブサイトで、ウェブの構造を変えたがために過去の情報にリーチできなくなってしまっているという事例も出てきているところなので、そうしたところも我々は対策を考えていかなければいけないですし、デジタル庁としては、ほかの府省庁に対してそういった部分も御指導いただけると、国民の方から見ると必要な情報にちゃんと継続的にアクセスできるというところに貢献するのかなと思っておりましたので、水戸先生の御意見も含めて、日々改善をしていただかないといけないところなので、適宜いろいろな工夫をしていただくとよいのかなと思っております。
それでは、時間も限られているところでございますので、審議のフレームワーク的に言いますと、あとステークホルダーと体制と2つあるのですけれども、まとめて御意見をいただいておきたいと思います。なので、今出ているステークホルダーともう一つ先にある体制の2つに関して、各構成員の御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
では、水戸構成員、お願いいたします。

水戸委員: 今、自分でしゃべったこととも関連するので、続けて質問させていただきたいのですが、デジ庁さんのホームページを見ると、一般と役所内の関係者のそれぞれについて分けて見られるようにされているというのは大変いいことかなと思います。
同時に、一般の方が入っていくときと役所の方が入っていくときでは、理解度のレベルや前提知識に大きな差があるので、それぞれの構築に当たっては差があってしかるべきかなと思います。その辺はいかがでしょうか。

佐藤座長: 宮西参事官、いかがでしょうか。

宮西参事官: まず、今回、入り口で一般の方向けなどを分けた背景といたしましては、見る方によってよく見られる場所が違うという観点から、バックグラウンドに応じてよく見られるサイトを分かりやすく並べるという方向でやったところでございます。御指摘のとおり、よく分かっている方が見られる、それからそうでない方が見られるという違いはございますので、そういったところは引き続き我々のウェブサイトの中でもいろいろ検証を行いながら取り組んでいきたいと思います。

佐藤座長: ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
私から1点補足をさせていただきますと、この事業ですけれども、当初は政府の統一のウェブサイトを構築するというところから、各府省庁のウェブサイトを改善するための仕組みなり支援を提供するというものになりました。そうなると、デジタル庁側は各府省庁からの質問や悩みを伺っていろいろサジェスチョンをするといったときに、現状の体制でいいのかというところがあります。
私の知る限りだと、本当に数人しかいらっしゃらないと伺っていて、そういった各府省庁の支援となったときに、体制をもう少し増強したほうがいいのか、いろいろ考え方はあるのだと思うのですけれども、その点を一応指摘させていただきます。多分これを宮西参事官に振ってもお答えのしようがないところだと思うので、振りはしませんけれども、一応座長の立場でその1点を付け加えておきます。
ほかにございますでしょうか。例えばステークホルダーに関しても、現状、先ほどのコミュニティーという言葉があって、各不省庁のウェブ担当者というものがコミュニティーになっているわけですけれども、そこもいろいろ考え方があると思います。
では、岩崎構成員、お願いいたします。

岩崎委員: ありがとうございます。岩崎です。
まず、体制につきまして、佐藤座長がおっしゃられたことに全く同意でして、本件に関してはある一定のリソースが必要だろうと考えております。政府共通ウェブサイトは電子政府、デジタル政府の骨格をなすものだと私も思っておりますので、必要なリソースを確保するということと、先ほどコミュニティーという話もありましたけれども、省庁間の連携でそういったコミュニティーをしっかり確保するための人材も各省庁に置かれるべきだと思っております。ですので、機関ごとに十分な体制が求められるだろうと判断しております。
あと、先ほど申しそびれてしまったのですけれども、ウェブサイトの接続性について少しコメントさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

佐藤座長: お願いいたします。
岩崎委員: この点、接続性や継続性についてなのですけれども、これも先ほど座長が御指摘されていた公文書のアーカイブ化にも通じる件だと思うのですけれども、ウェブサイトにアクセスするユーザーの目線で情報を分かりやすく継続的に開示されるということと、アーカイブ化したデータも継続して使えるような状況にしておくというところが大事だと思っておりますので、その点、先ほどもお話がございました政府CIOポータルも、これまでかなり費用がかかっていたという点が改善されたという点は評価できると思います。
あと一点、早稲田大学電子政府・自治体研究所では、毎年、デジタル先進国を対象に世界の電子政府ランキングを分析して公表していますが、10のベンチマークにポータルサイトがあります。これは検索や学び機能、双方向性、インターフェース、技術的な利便性も含めて情報データの正確性、過去データでも情報公開が不可欠なドキュメントの公開について評価をしています。こちらに関してはオープンデータにも寄与する観点かと思います。
以上、コメントとさせていただきます。ありがとうございます。

佐藤座長: ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。

森参事官: 失礼します。御議論の途中ではございますけれども、そろそろ委員の皆様におかれましては、質疑や議論を踏まえまして、最終的な御意見を頂戴したいと思います。当初に示しました5つの論点を踏まえて簡潔にコメントをいただいて、佐藤座長のほうで取りまとめをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤座長: そうしましたら、順番を勝手に決めさせていただいていいですか。いつも僕は岩崎先生を先にしてしまって申し訳ないのですけれども、岩崎先生、次に島田先生、水戸先生の順でお願いできればと思っております。よろしくお願いいたします。

岩崎委員: ありがとうございます。では、手短にコメントを申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、この政府共通ウェブサイトは電子政府の骨格になると申し上げました。いろいろな実証実験を既にデジタル庁様が取り組まれていて、そのベストプラクティスをさらに各省庁で横展開させていくというところですので、その点は継続的に進めていただきたいというところと、あとは、非常に尽力されておられる高齢者、あるいは障害のある方など、幅広い様々なユーザーがいるということを前提に、こういった点を視野に入れながらウェブサイトを構築されているというところを評価したいと思っておりまして、これこそがSDGのコンセプト「誰も取り残されない社会」第一歩だと思っておりますので、ぜひ継続的にこの事業を進めていただきたいと思います。その結果をもちまして、また別の場で御報告いただければと思っております。
以上、簡単ですが、コメントとさせていただきます。ありがとうございます。

佐藤座長: 島田構成員、お願いできますでしょうか。

島田委員: ありがとうございます。本日はありがとうございました。
私からは3点、最後のコメントとさせていただければと思います。
実証実験も既にやられていらっしゃるので、そこからの学びを具体的に生かすということが大事なのではないかと思います。どの声を大事にするのか、何を大切にするのか。
そして2点目は、これはデジタル庁さんが関わってやられるというところに意味や意義があると思うので、その価値を最大化するということ。ということは、全ての人があらゆる人の声を聞き始めてしまうと、聞くことも大切なのだけれども、その価値が出しにくくなることもあると思うので、デジタル庁さんとして大事にしていることが何なのかをすごく大切にしてほしい。
最後になります。今日の議論でも使うユーザーの視点からのコメントがとても多かったと思いますが、同時に、これは毎日毎日関わってアップデートされて、持続的に情報を提供してくださる各省庁の御担当の皆さんの視点というのも大切なので、その方たちの使いやすさ、アップデートのしやすさというのも大切にしたいなと感じております。
以上になります。今日はありがとうございました。

佐藤座長: ありがとうございます。
そうしましたら、最後に水戸先生、お願いいたします。

水戸委員: 今日はありがとうございました。3点ほど手短に申し上げます。
この政策は具体が大事だなと思っていまして、そのためにはデジタル庁御自身がどうサイトを作られるか、それをどう横展開するかということが肝かなと思います。その中では、先ほどの繰り返しになりますが、デジ庁の検索エンジンの使い勝手についてはもうちょっと検討いただければなと。まだまだ見出し方式、ツリー方式は、体系を理解されている方にとっては使いやすいでしょうけれども、一般国民のアクセシビリティーというところでは工夫が必要かなと感じました。
2番目は、コミュニティーをつくって、そこで横展開の準備をしたいというお話だったのですけれども、このコミュニティーも大変大事な機能を果たすかなと思いますので、どういうところで5省庁を選ばれるのかにも注目していきたいと思います。
最後に、ユーザーを分けて一般と行政・事業者と報道機関の3つにデジ庁のサイトでは分けられていますが、これも大変いい取組かなと思っています。ただ、先ほど申し上げましたとおり、内容的にはそれぞれ違ったスタイルだったり、内容になるはずだなというのを思いました。
あと、こういったユーザーごとに分けるというのは他省庁さんの理解を得られそうかどうかというのもちょっと気になっておりまして、私は得られるようにしていただきたいと考えているほうなのですけれども、その辺にも課題がもしかしたら出てくるかなというのを御指摘させていただきます。
以上です。

佐藤座長: ありがとうございます。
それでは、各構成員から今日いただいた貴重な御意見をベースにして、僕はこれを取りまとめるということをしなければいけないのですけれども、司会をしながら御意見を伺っていたのでちょっと抜けがあるかもしれませんけれども、それは後日また御連絡をいただければと思っておりますので、簡単に私のほうから皆さんの御意見をまとめさせていただきます。
今、各審議のフレームワークと、あともう一つ、3名の各構成員の方から御意見をいただいて、岩崎構成員と島田構成員から、実証実験をちゃんと生かしてくださいというコメントをいただきました。また、岩崎構成員と水戸構成員から、島田構成員もございましたけれども、いわゆるアクセシビリティーといいましょうか、公共系のウェブサイトはいろいろな方が利用されていて、それぞれ何らかの御都合を抱えていらっしゃる方も多いかと思いますので、そうしたところというのは必ずしも民間も十分に手当てができているところではないのですが、デジタル庁が国のデジタルを進めていく機関として率先してアクセシビリティーに関して指導をしていただき、さらにそれを各府省庁に横展開していただくことが大切なのかなと思っております。
あと、水戸先生からデジタル庁の検索に関してはまだまだ不十分という御意見をいただいて、なかなかそれはそうだよねと思いつつも、ここは不十分ですというよりは、今後、いろいろ御努力をいただいて改善していただくことが大切なのかなと思っております。
あと、コミュニティーという観点で言いますと、水戸先生からもコミュニティーという言葉を使っていただいていて、島田構成員からも、ユーザー視点も重要なのですけれども、同時に各府省庁の担当者がある意味仕事がしやすいというところも御指摘をいただいたところで、コミュニティーというものをいかにつくっていくのか。特に今回、政策がある種シフトして、各府省庁のものを支援するということになったので、コミュニティーをいかにつくっていくのかというのが結果的にいい仕事になるかどうかの鍵になるのかなと思っておりますので、その点も強く述べておきます。
あと、審議のフレームワークに関しましては、かなり重複するところでございますけれども、政策目的に関しましては、政府の統一のウェブサイトを構築するというものから、各府省庁のウェブサイトを改善するための仕組みであったり、支援をするというところで、いわゆる仕組みとしてはデザインシステム的なものを御提供されたり、また、支援に関しては、かなり個別で御相談対応されるようなところも多分視野に入れていらっしゃると思うので、そこをどんどん進めていただければということです。
あと、先ほど申し上げたように、アクセシビリティーに関してはなかなか民間も十分でないところもあるので、より大胆にという言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、よりいろいろな形を挑戦していただいて、すぐに正解があるというわけではないと思うので、いろいろ試していただきながら改善していただくことが重要かなと思っております。
目標設定のところに関しましても、コミュニティーとは何ですかという質問から始まって、最終的にコミュニティーは大切ですよねという御指摘をいただいたところで、そこを進めていただければというところです。
あと、実証実験と言っていいのかどうか分かりませんけれども、デジタル庁ではいわゆるこども家庭庁のウェブサイトの構築にいろいろ御支援、御尽力をされていて、その中でいろいろな知見を既に得られているかと思いますので、そうしたものも、もちろん府省庁によって事情がございますので全てが横展開できるものではありませんけれども、その横展開できるものをより横展開していただくようなところのハブになっていただくというのも大切かなと思っています。
アプローチに関しては、ウェブ検索のところがかなり水戸先生から苦言をされてしまったのではないかと思うのですけれども、ここも先ほど言ったように改善していただくことが重要だと思います。
あと、岩崎先生から御指摘いただきまして、私もちょっと言ってしまったところがあるのですけれども、アーカイブのところでございます。こういう国の機関が作るウェブサイトというのは、公文書に近い位置づけを持っているとすると、ある意味恒久的に残していかなければいけないというものになります。なので、そのためには、体制と関わってくるのですけれども、極めて長期に情報を過去の情報も含めて提供することのできる体制というものをちゃんと構築していかなければいけないというところは強調しておいたほうがいいのかなと思っております。
ステークホルダーのところは、あまり明に御意見をいただかなかったのですけれども、先ほどの各構成員の個別の御意見のところでは、各府省庁の担当者のことも考えましょうとか、ユーザーを分けるというところを水戸先生から御指摘いただいたところがあって、現状、一般の方であるとか、そうでない方、メディアの方も含めて分ける形を取られていて、それも一つの考え方で、これもまずは進めていただいて、いろいろ問題があれば軌道修正をしていただければよいのかなと思っております。
大体これで今日各構成員からいただいた御意見はまとめたつもりになっているのですけれども、何か抜けがあれば、御指摘いただければと思っております。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、これでざっくりと取りまとめをさせていただきましたので、今後、今日の各構成員の御意見などを反映して、よりよい施策を進めていただければ幸いなのかなと思っております。
よろしいでしょうか。何か付け加えることなどがあれば、言っていただいて。大丈夫ですか。
では、私の役目はこれで終わったということで、この後の司会を事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いいたします。

森参事官: ありがとうございます。
各委員の皆様方、活発な御議論を本当にありがとうございました。
なお、本日取りまとめていただきました御意見は、後日、デジタル庁のウェブサイトにて公表させていただくことにしております。
それでは、最後に冨安デジタル庁戦略組織グループ統括官から御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

冨安統括官: 本日は佐藤座長をはじめ、皆様、本当にありがとうございました。
そもそも本日の御議論もそうですし、3月ぐらいの議論で、この施策の大きなところ、要するに統一ウェブサイトを構築するのか、あるいはもともとの成果目標は利便性の向上だったり負担の軽減だったりする中で、各省のウェブをどうやってうまくやっていくのかという支援のほうに重点を置いていくということで、我々だけではなかなか政策の変更というのは基本的にやりにくいところがあるのですけれども、そういう御指示、御意見をいただきまして、我々も大変背中を押していただいていると思っております。
そういう意味では、ここを出発点としてさらにこれをブラッシュアップしていくということになるのですけれども、今日の御指摘につきましても、まさに我々に欠けている点が多数あったと思いますので、コミュニティーへの各省の巻き込み方、それから各省の担当者にとってもいい話、その前提として実証実験を生かして自分たちがそういうモデルになるようにする、あるいは先生御指摘の検索エンジンそのものの使い勝手といったことも考える。また、各省に共通する課題であるアーカイブとの関係、一方で使いやすくしなくてはいけないということの関係など、我々自身もいろいろやらなければいけない部分があると思いますけれども、本日いただいた意見を踏まえまして、しっかりとよりよい事業にしてまいりたいと思いますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございました。

森参事官: ありがとうございました。
それでは、令和5年度「デジタル庁政策評価・行政事業レビュー(公開プロセス)」を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

以上