デジタル庁における災害対応の取組
実際に発生した災害において、デジタル庁が行った支援を掲載しています。支援を通じて得られた経験・知見や課題を踏まえ、今後の災害に備えた防災DXの実現に向けた取組を進めていきます。
「災害派遣デジタル支援チーム(仮称)」の創設に向けた検討
令和6年(2024年)能登半島地震では、発災直後から防災DX官民共創協議会などの民間のデジタル人材が被災地に入り、石川県のニーズに応じてデータベースやシステムをその場で構築するなど、災害対応をデジタル面から支援しました。この支援では、通信確保、避難所データの整理、被災者情報データベース構築など、多岐にわたる被災地支援をプロボノ活動として実施し成果を上げた一方、民間のみの活動の難しさや長期にわたるプロボノ活動の負担などの課題も明らかになりました。
防災DX官民共創協議会からデジタル庁に対し、民間の活動をより効果的にするための制度化の要望を受け、デジタル庁は防災DX官民共創協議会と連携し、「災害派遣デジタル支援チーム」の制度創設に向けた検討を開始しました。
2024年12月18日、「防災DX官民共創協議会 2024年第2回シンポジウム」において、デジタル庁における「災害派遣デジタル支援チーム」創設に向けたこれまでの取組と今後の検討事項などを発表しました。詳細は以下の資料をご覧ください。
令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取組について
令和6年(2024年)1月に能登半島地震が発生し、デジタル庁としても支援を行ってまいりました。そこで得られた経験・知見や課題を踏まえ、今後の災害に備えた防災DXの実現に向けた取組を進めていきます。
今後の具体的な取組としては、以下の5点で考えているところであり、施策の実現に向けて迅速に取り組むとともに、必要な予算措置につなげていきたいと考えています。
内容を取りまとめた資料は令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取組についての詳細資料をご確認ください。
今後の取組について
- 被災者マスターデータベースの構築
- 被災者のニーズに応じたきめ細かな支援を展開するため、発災直後から市町村の区域を越えて被災者情報を集約・共有するためのマスターデータベースを構築します。デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)TYPESを活用して整備し、その全国展開を進めていきます。
- 内閣官房デジタル行政改革会議事務局がデジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)TYPESの広域被災者データベース・システム構築の公募を行い、石川県が受託しました。現在、石川県にて広域被災者データベース・システムの構築について取り組み実施中です。デジタル庁と内閣府防災担当が関係省庁として参画しています。
- マイナンバーカードを用いた避難者支援の充実
- 平時からマイナンバーカードの携行率向上、スマホ搭載等に取り組むとともに、マイナンバーカードを用いてオンライン申請の拡充を図ります。
- 今回、Suicaを用いて緊急的に構築・運用した避難者状況把握の仕組みの成果を改めて検証し、次に備え、予備のカードや読取機の整備を行います。
※Suicaを活用した避難者情報把握のソリューションについての詳細は、令和6年能登半島地震の対応におけるデジタル技術を活用した被災者情報の把握の取組についてをご確認ください。 - 避難所管理システムの普及に取り組みます。
- 防災システム・アプリ間でのデータ連携基盤の整備
- 民間が構築した様々な防災システム・アプリを、現場で有効に活用していくため、平時から、異なるシステム・アプリ間のデータ連携を図る基盤の整備を進めます。
- 災害派遣デジタル支援チーム制度の創設
- 今回の能登半島地震での経験を踏まえ、防災DX官民共創協議会などとも連携しつつ、大規模災害の発生時に、民間のデジタル人材等を派遣する仕組みの導入を進めます。
- GSSの導入促進
- 能登半島地震での経験により、省庁共通のネットワーク環境として導入中のGSSが、平時の情報共有はもちろん、災害時の現地本部等での対応に際しても業務継続やコミュニケーション円滑化の観点から有効であることがわかったため、各省庁への更なる導入促進に取り組みます。
令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取組についての詳細資料
- 令和6年能登半島地震を踏まえた今後の取組について
令和6年能登半島地震の対応におけるデジタル技術を活用した被災者情報の把握の取組について
能登半島地震の被災地では、1次避難所から、1.5次・2次避難所への移動や、避難所以外での生活(県内外の親戚宅やご自宅、車中泊等)の開始など、被災者がより広域に移動される機会が増えています。この過程で、その居場所や個々の避難所の利用状況等の把握が難しくなってきており、改めて、被災者の方の所在や行動の適切な把握が課題となっています。
このため、デジタル庁と防災DX官民共創協議会は、石川県からの要請を受け、東日本旅客鉄道株式会社の協力を得て、Suicaを活用した避難者情報把握のソリューションを提案し、以下資料のとおり実施します。