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「デジタル基盤の整備による成長戦略の推進」成果と進捗

デジタル臨時行政調査会の推進

デジタルのちからを解放する。
人による目視や常駐・専任を求めるアナログな規制をまとめて見直し、デジタル化の遅れを解消します

1年の成果

アナログ規制約4,000条項の見直し方針を確定

アナログ規制見直し数の説明図。目視1617件、定期検査・点検877件、実地監査57件、常駐・船員260件、書面刑事339件、対面講習91件、応報閲覧・縦覧652件で合計約4000件の条項の見直しが決定した

デジタル臨時行政調査会において「構造改革のためのデジタル原則」を策定した上で、この原則に沿って「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」を策定。今後3年間の集中改革期間における政府の取組方針を決定しました。

取組の背景

我が国の官民を通じたデジタル化の遅れは深刻です。既存の規制や行政組織などの構造は維持されたままで、デジタル化につながっていません。これらをデジタルに対応したものに早急に更新するため、デジタル改革、規制改革、行政改革を一体的に進める必要があります。

今後の展開

  • 法令などの横断的な点検・見直しを通じた「集中改革期間」におけるアナログ規制の一掃を目指す(2025年6月まで)
  • 規制とその見直しに活用可能なデジタル技術との対応関係を「テクノロジーマップ」として整理
  • 法令などのデジタル原則適合性を確認するためのプロセスの詳細設計(2022年度内)

参考

データ戦略

誰もがデータの恩恵を受けるように。
デジタル社会の要となるデータを、官民が共に効果的に活用できるようにします

1年の成果

データの取扱いルールを策定し、社会の基盤となるデータを整備・公開

データ基盤整理のロードマップの成果を示した図。85モデルで社会のデータの雛形設計図であるデータモデルの整備を実施し、2プロジェクトで新たに整備した社会の基本データであるベース・レジストリ整備を行い、4分野・1プロジェクトで応用活用への展開が始まった分野とプロジェクトがある。

データの取扱いルールを定めた「プラットフォームにおけるデータ取扱いルールの実装ガイダンスVer.1.0」、参照すべきデータモデルなどを定めた「政府相互運用性フレームワーク(GIF)」を公表しました。さらに、公的なデータの基盤を整理した「レジストリカタログ」及び「アドレス・ベース・レジストリのパイロットシステム」や、支援制度の検索を可能とした「マイ制度ナビ」を公開しました。

取組の背景

仮想空間と現実空間を高度に融合させた人間中心の社会を作るとしたSociety 5.0のビジョンが提唱された一方で、新型コロナウイルス感染症対応を契機に、行政におけるデータの生成・流通・活用のための、ルール策定や行政情報や地理空間情報など社会全体の基盤となるデータ整備が不十分であることが明らかになりました。

今後の展開

  • アドレス・ベース・レジストリを、パイロットから本格運用に展開(2025年度まで)
  • 法人ベース・レジストリを、ワンスオンリーサービス視点で促進
  • マイ制度ナビの制度情報の拡充を図り、政府内、自治体の利用を拡大
  • GIFの教育、防災、スマートシティ等での利用を拡大し、導入手順をガイドブック化
  • オープンデータ・カタログのリニューアル(2022年度末)
  • ベース・レジストリの考え方の再整理

参考

医療DXの推進

医療や福祉の手続きを円滑に。
個人の医療や福祉に関する情報の確認や利用を円滑にします

1年の成果

マイナンバーカードの健康保険証利用を本格開始。マイナポータルで薬剤情報などが閲覧できるように

マイナポータルのスマホとパソコンそれぞれのスクリーンキャプチャ。スマホの画面にはマイナンバーカードが健康保険証として登録できるお知らせが表示されていて、パソコンの画面には医療費通知情報が表示されている。

厚生労働省とともに、マイナンバ-カードを健康保険証として利用するオンライン資格確認の本格運用を開始。これにより薬剤情報、特定健診情報がマイナポータルで閲覧できるように。またこの情報を、本人の同意に基づいて、医療機関や薬局で医師や薬剤師が閲覧できるようになりました。

取組の背景

国民一人ひとりが健康に日常生活を送るため、その要である医療福祉分野において資源の効率的な活用とサービス向上の実現を図る必要があります。

今後の展開

「医療DX推進本部(仮称)」のもと、以下の取組みを進める。

  • 全国医療情報プラットフォームの創設
  • 電磁カルテ情報の標準化
  • 診療報酬改定DXの取組み

参考

教育分野のデジタル化

いつでも、どこからでも、自分らしく学ぶ。
教育データの標準化や利活用を推進し、誰もが、自分らしく学べる教育を実現します

1年の成果

教育データ利活用のための標準化を支援。ロードマップを策定

教育データ利活用ロードマップ。2020年に学校コード、学習指導要領コードの整備を行い、2021年に児童生徒、学校、教職員の主体情報の教育データを標準化し、2022年に内容情報、活動上のの教育データ標準化を行った

GIGAスクール構想の下で教育データの利活用を促すために文科省が進める教育データの標準化作業を支援し、データ標準の公表に貢献。同構想のための教育関係者及び生徒向けのアンケート結果をとりまとめたほか、関係4省庁による教育データ利活用ロードマップの取りまとめも実施しました。

取組の背景

こどもたちが社会を生き抜く力を育み可能性を広げる場所である学校では、現代のスタンダードであるICT活用が必須です。他方で現在、校内のデータの連携が進まないなどICT普及定着に向けた様々な課題が顕在化しており、これらへ関係省庁とともに取り組む必要があります。

今後の展開

  • 教育データの相互運用性のためのデータ標準化/アーキテクチャの検討(2025年度まで)
  • データ相互運用性実証(2025年度まで)

参考

こどものデータ基盤整備

データを活用して、こどもを守る。
こどもに関するデータを活用し、支援が必要なこどもを早期に発見し支援につなげます

1年の成果

こどもの情報やデータ連携に関する今後の論点をとりまとめ
関係府省庁とともにプロジェクトチームを立ち上げて、4回にわたって検討。その結果などを取りまとめた論点整理を2022年6月に公表。また、それ以降7つの団体において順次実証事業も始めており、実証事業を進めるにあたり留意すべき項目や体制をまとめたガイドラインを策定し、公表しました。

こどもに関する情報・データ連携で想定されるユースケース

  1. 情報収集・連携(連携に必要なデータの事前準備)
  2. 分析・判定(デジタルデータを用いて、困難な状況にあるこどもを分析・判定)
  3. 人によるアセスメント(個々のこどもについて、情報(気づきなどアナログ情報を含む。)を人の手によって精査し、対応の必要性を判断)
  4. 個々の対応策の検討(個々のこどもの状況に合わせ、対応策を検討)
  5. 支援への接続(関係機関と連携し、対象のこども、家庭を支援。支援策の有効性を評価)

取組の背景

貧困や虐待をはじめとした困難な状況にあるこどもは、その実態の把握や支援が難しい状況です。能動的に支援を行うためには、こどもに関する情報の連携について検討する必要があります。

今後の展開

  • 実証事業の取組を踏まえた、課題の検証・改善と取組の更なる深化(2022年度)

参考

デジタルインボイスの普及定着

事業者のバックオフィス業務をデジタルで完結。
デジタルインボイスの利活用で、事業者のバックオフィス業務の効率化・生産性向上を実現します

1年の成果

日本のデジタルインボイスの標準仕様を策定・公表

デジタルインボイスのシステム概念図。業界のEDI、企業の期間・会計システム、政府機関の調達システムがアクセスポイントを通じてPePoolネットワークにアクセスしている。PePoolネットワークには「JP PINT」と名付けられた日本のデジタルインボイスの標準仕様が入っている。

電子インボイスの国際標準仕様であるPeppolをベースに、日本のデジタルインボイスの標準仕様である「JP PINT」を策定し、公表しました。

取組の背景

事業者のバックオフィス業務のデジタル化の遅れが効率化・生産性向上を阻害している実態があると言われており、特にシステムの違いによるデータ連携の分断が、紙とデジタルが交錯する非効率な状態を引き起こしています。

今後の展開

  • 民間の会計ソフト・業務システムベンダーによる、「JP PINT」に対応したサービス・プロダクトの提供開始

参考

デジタル田園都市国家構想の推進

魅力と利便性を備える豊かな地域へ。
地方のデジタル実装を進め、地域の豊かさをそのままに、利便性を備えた、魅力溢れる新たな地域をつくります

1年の成果

各地域へ、データ仲介機能や地域幸福度指標の計測ツールを提供

データ連携基盤を2022年度末見込みで、65自治体が導入している。地理・空間・公共データがデータ連携基盤を通じて、行政手続・金融・交通や物流、社会福祉、教育等の様々なサービスに役立てられる。

地方におけるデジタル実装を進めるため、住民の生活や地域の経済活動を支える様々なサービス間でのデータ連携の中核を担う、データ仲介機能(ブローカー)を無償提供。その活用の助言も行うことで、各地域におけるデータ連携基盤の導入に貢献しました。また、地域幸福度指標(Well-Being指標)の計測を行うツールも提供し、全国でその活用を進めています。

取組の背景

現在地方には「人口減少・少子高齢化」「過疎化・東京圏への一極集中」「地域産業の空洞化等の社会課題の進展」といった社会課題が顕在化しています。デジタルはこれらを解決し、持続可能な経済社会の実現や新たな成長を実現できる可能性があります。

今後の展開

  • 既存の交付金の「デジタル田園都市国家構想交付金」への統合
  • 「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の策定(2022年内)

参考

デジタル改革共創プラットフォームの活用

地方自治体と府省庁の連携強化。
日本全体でのデジタル社会実現のため、自治体職員と府省庁職員の連携を強化します

1年の成果

全国の地方自治体職員や府省庁職員との連携を強化し、意見交換を実施

連携強化の概要図。デジタル共創プラットフォームには、自治体から1100市町村、府省庁から17機関、3500人の自治体職員が参加している。

自治体職員の他、総務省、内閣官房などの政府機関職員もデジタル改革共創プラットフォームに参加しました。プラットフォームは、ガバメントクラウド、マイナンバーカード、デジタル田園都市国家構想などの幅広いデジタル施策について、活発な意見交換が行われる議論の場になっています。

取組の背景

デジタル社会で一人ひとりの多様な幸せを実現するためには、様々な関係者を巻き込むことが重要です。特に国と地方自治体は双方に緊密な連携を行う必要がありますが、対等に議論できる場が存在しませんでした。

今後の展開

  • 自治体システムから直接アクセスを可能とするシステム改修(2022年度中)
  • 関係府省庁との連携強化

参考

デジタルの日の推進

社会全体でデジタル化を進める
社会全体でデジタルについて定期的に振り返り、体験し、見直す機会を提供します

1年の成果

日本社会全体でデジタルのことを考える「デジタルの日」を実施

2021年に開催された「デジタルの日」オンラインイベントの映像から、いくつかのシーンがタイル状に配置されている。

デジタル関連の技術・サービスを利用した様々な取組を実施し、社会のデジタル化に向けた機運を向上しました(2021年10月10・11日)。

取組の背景

「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」のためには、社会全体としてデジタル化への機運を高める必要があります。

今後の展開

  • 「デジタルの日」(2022年10月2・3日)
  • 「デジタル月間」での賛同企業・団体による取組(2022年10月)

参考