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デジタル庁の組織づくり

デジタル庁の組織づくりを示します。

今までの枠組みにとらわれないやわらかな組織へ

組織体制

設立以来デジタル領域に専門性を持つ民間人材を採用するため、これまでの行政のメンバーシップ型雇用とは異なるジョブ型の採用手法を確立し継続的に採用を実行。2022年は採用倍率は平均20倍以上、内定受諾率8割以上を達成しました。採用が順調に進捗し組織規模が大きくなる中で組織体制もアジャイルに変更を実施。民間専門人材の属する専門人材ユニットの細分化やデジタル監・デジタル審をサポートするため、直下に経営企画室を設置。経営企画室は経営戦略・広報戦略、プロジェクト・プロセス管理、人事・組織管理、財務・調達管理を有機的・効率的に行うために経営会議等の経営サイクル確立と、決定事項の透明な情報共有を実施。またR&Dを立ち上げ内製開発環境整備への着手を行いました。

  • 通年採用の継続​:民間専門人材の年間を通じたジョブ型雇用の継続と順調な採用進捗
  • 専門ユニットの細分化:戦略的な専門人材ユニットの体制整備
  • 経営企画機能の強化:経営機能が有機的・効率的に働くための仕組み整備
  • リスク管理体制の強化:広範なリスクを速やかに把握/共有し、対応できる体制の整備
  • プロジェクト管理の整備:プロジェクトの連携強化と効率的な推進のための体制整備

組織文化

人材のリボルビングドア(回転ドア)を掲げるデジタル庁においては、組織の新陳代謝が高く、かつ多様な価値観やバックグラウンドを有する人材が集まる組織のため、組織として⼀枚岩になるための共通の価値観や組織文化を構築するとともに継続的に浸透施策を実行する必要があります。設立当時に策定したミッション・ビジョン・バリューを体現するための施策を継続し形骸化しないように取組を続けています。

  • MVVアワード​​:MVP・ビジョン賞・バリュー賞等の表彰と行動模範の提⽰
  • オールハンズミーティング​:幹部との双方向の対話を実現する定期的な全庁ミーティング
  • 庁内勉強会​:技術や政策等多様な領域について職員が相互に学び合う機会の創出
  • バリューアンバサダー​:有志によるミッション・ビジョン・バリュー浸透の促進活動

働く環境

デジタル庁では新規採用者および行政官の異動等により定期的に大規模な人員の入れ替りが発生します。人材の入れ替えを組織の前提条件とし、幹部含めた新規入庁者向けのオンボーディングコンテンツの拡充による早期キャッチアップをサポートする仕組みを構築し、誰もが働きやすい業務環境の整備を進めています。それにより生産的・効率的なコミュニケーションを実現しています。

  • 情報共有ツールの導入・浸透:ツールの機能拡充や研修実施・マニュアルの整備による利用浸透
  • 庁内IT環境の整備:情報システム部門の設立による開発基盤やツール等の検討/整備
  • リモートワークの定着:オンライン上での会議や議論の定着による柔軟な働き方の推進
  • オンボーディングの拡充:新規入庁者・幹部向けオンボーディングの実施

経営企画とリスクマネジメントの強化

経営企画室の位置づけの体制図。大臣をトップに副大臣、政務官、デジタル監、デジタル審議官が続き、経営企画室が配置される。経営企画室の下に戦略・組織グループ、デジタル社会共通機能グループ、国民向けサービスグループ、省庁業務サービスグループの4つのグループが配置されている。リスクマネジメント体制図。大臣をトップに副大臣、政務官、デジタル監、デジタル審議官、戦略・組織グループ統括官が続き、個人情報保護総括、インシデント総括、セキュリティ総括の3つの総括が配置される。

経営企画室の設置

デジタル大臣・デジタル監・デジタル審議官の意思決定を支援するために、新たに経営企画室を設置しました。デジタル庁全体の戦略や方針の検討と合意形成、情報集約と関係者共有、グループ横断的な課題抽出と方向性の決定を進めることで、デジタル庁全体のガバナンスの強化、いわゆる官房機能の強化を目的としています。

リスクマネジメント体制の強化

デジタル庁では国民生活や行政に広範囲で関与するシステムの開発・運用しています。このため、セキュリティインシデントや個人情報漏洩事案等に加えて、サービスの瑕疵や法令違反の疑い等、広範なリスクを速やかに把握・共有し、対応できる体制を構築していきます。また、リスク事案が発生した場合の連絡先を設置し、関係者との情報共有を即時に行える仕組みも整備しています。

政府全体のデジタル改革と内部開発の推進に向けた組織拡大

採用数のグラフ。2022年9月1日民間専門人材採用106名、行政人材採用12名、2023年8月31日民間専門人材採用136名、行政人材採用33名。職員数推移のグラフ。2021年9月1日、571名、2022年7月1日、757名、2023年7月1日1013名。人材カテゴリの円グラフ。行政出身者44%、民間出身者43%、地方自治体出身者6%、その他事務補助等7%。専門ユニット数、2022年9月1日時点12ユニット、2023年8月1日20ユニット。8ユニットプラス。

多様な雇用形態による採用促進

政府全体のDXと内部開発の推進に向け、デジタル庁組織全体として2022年の約750名(7月1日時点)から約1,000名に増員しています。多様な雇用形態での採用を進め、この1年で新たに33名の行政人材と136名の民間専門人材が入庁しました。採用広報も積極的に実施し、行政人材ならびに民間専門人材の採用において多くの応募をいただいています。
※オファー承諾者及び指定期間に未入庁の方は含まない
※民間専門人材の採用数にデジタルサポートスタッフ/政策専門人材/政府DX推進員は除く

多様性と専門性を持つ組織へ

2023年7月時点で自治体含む行政出身職員が約50%、民間出身等職員が約50%となりました。様々なスキルやバックグラウンドを持つ職員が活躍し、今までの行政機関にない新たな価値を生み出せる組織を目指します。民間専門人材の提供サービスの整理とマネジメント体制の整備を行い、専門人材が所属する専門人材ユニットの体制を拡張しました。また、各府省庁でのDX推進を支援する専門チームの採用も強化し、政府全体のDX推進にも大きく貢献しています。

プロジェクトの連携強化と効率的な推進体制

効率的な推進体制の取組前後のイメージ図

組織的、効率的なプロジェクト推進

いままでのプロジェクト活動においては、100以上のプロジェクトが別々に目標や実行計画を立案してプロジェクトを推進している状況でした。この場合、最終的な目標達成におけるプロジェクト間の情報共有やプロジェクトの優先順位づけ等に時間がかかるという課題がありました。そこで、デジタル庁の3つの注⼒領域に紐づく13のプロジェクト群を定義し、関連するプロジェクト間の情報共有を効率的に行えるようにしました。また、プロジェクト群ごとに目標や計画を設定し、プロジェクトの意思決定や優先順位づけを合理的に実施できるようにしました。

プロジェクト管理プロセスの整備

プロジェクト管理と品質向上レビュー体制のイメージ図

全体戦略に基づくプロジェクト管理の実施

システムの整備・管理に関する全てのプロジェクトは、重点計画や定義されたプロジェクト群ごとの戦略・指標を踏まえたプロジェクト管理を実施しています。プロジェクト管理チームが定期的にレビューを実施し、プロジェクト計画や進捗情報を把握し、マネジメントや関係者への情報共有を行います。プロジェクト管理の仕組みを整備することにより、各プロジェクトで生じた課題やリスクに対して速やかに対応し、円滑なプロジェクト推進を目指します。

品質向上に向けレビューと支援体制を整備

サービスの提供は、タイミングだけではなく、提供するサービスそのものの品質も重要となります。デジタル庁では、質の高いサービスの提供のために、専門スキルを有する人材でプロジェクトをサポートするとともに、重要なサービスのリリースに当たっては、デジタル監、デジタル審議官、CxOs等によるリリース判定の仕組みをスタートしました。これにより、提供するサービスの品質の確保・向上を進めていきます。

目標を共有し、組織文化を醸成

組織活動の各指標。バリュー浸透度は2022年5月の3.4ポイントだったのが2202年11月の3.6ポイントになり、0.2ポイント増加した。オールハンズの参加者数は約580名。庁内勉強会の実施回数は56回。カテゴリセキュリティ22%、クラウド17%、データ13%、会計(予算・調達)8%、準公共、政策企画、自治体DX、品質管理6%、その他18%

ミッション・ビジョン・バリューの共有

ミッション・ビジョンといった共通の目指すべきゴールを定めて共有し、バリューとして職員としての行動指針を明らかにしています。これらの方針を組織内で共有する施策を継続的に実施。結果として組織サーベイにおけるバリュー浸透度は前回から0.2pt改善しています。「内容を理解している」「⼀部実践できている」「全て実践できている」回答者の割合が、85%から91%へと増加しました。

組織全体でのコミュニケーションづくり。相互に学び合う組織に

設立当時より実施している、職員全員が参加でき、政務や幹部と直接対話できるオールハンズミーティング(全庁会議)を月に⼀度のペースで継続的に実施しています。大臣含む政務の参加率も高く、チャットを活用した相互コミュニケーションが活発に行われフラットな関係性の組織文化を体現しています。また職員自らが専門性を活かし、相互に学び合い、立場を超えて直接質問して議論できる場として「自主勉強会」も頻繁に実施され”学びあう文化”がデジタル庁の中で醸成され始めています。成果への挑戦を応援する仕組みとして、不定期で公募も実施しています。AIプロジェクトやG7サポート等にも多くの職員がプロジェクトに参画しており、積極的に新たな取組を行っております。

組織の課題を把握し、継続的に改善

2022年5月と2022年11月の組織サーベイの比較。満足している職員は、51%から58%と7%プラスした。誇りを持っている職員は、63%から66%と3%プラスした。過去半年の間、組織として改善に前向きに取り組んでいる職員は、58%から62%と4%プラスした。

組織サーベイの実施

組織を継続的に改善していくために、組織の状態を定期的に診断しています。データや事実に基づいて課題の優先順位付けを行い、組織の改善に関する施策の効果検証と今後の施策の検討を行っています。 前回調査より、着実に職員満⾜度やバリューの理解、浸透、体現度が改善してきました。引き続き、定期的に診断を行い、組織の実態を真摯に⾒つめ、組織に必要な施策を丁寧に実行していきます。

職員満⾜度やエンゲージメントが改善

職員の満⾜度は、2022年5月から11月の半年間で7%改善。デジタル庁を誇りに思うかについても、3%改善しました。

直近/今後に向けた取組への前向きな評価

組織改革を行った結果、職員全体の約60% が「過去半年の間、組織として改善に前向きに取り組んでいる」と回答し、4%改善しました。

参考