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デジタル基盤の整備による成長戦略の推進

デジタル庁では、デジタル基盤の整備による成長戦略を推進します。

デジタル臨時行政調査会

デジタルのちからを解放する
人による目視や常駐・専任を求めるアナログな規制をまとめて見直し デジタル化の遅れを解消します。

1年の成果・進捗

アナログ規制を定める法令約1万条項の見直し工程表が確定
目視規制、定期検査・点検規制、常駐・専任規制等のアナログ規制を定める法令約1万条項の見直しについて、2022年12月に開催された第6回デジタル臨時行政調査会で「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」を決定しました。法令所管省庁とも連携し、2024年6月までを目途にアナログ規制を一掃していきます。この見直しの経済効果(GDP)は、約3.6兆円にのぼるものと推計しています。

見直しの決定した条項数9669条項、目視2927件、定期検査・点検1034件、実地監査74件、常任・専任1062件、書面掲示772件、対面講習217件、往訪閲覧・縦覧1446件、FD等記録媒体2095件、その他の規制42件

取組の背景

アナログ規制が我が国のデジタル化を妨げている実態の中、近年我が国の経済成長は諸外国と比べて停滞しています。また、少子高齢化等様々な業界において人手不足が顕著となっています。こうした問題を解消し、我が国が真の意味でのデジタル化を果たしていくため、アナログ規制を一掃していくことが求められています。

今後の展開(予定)

  • アナログ規制を定める通知・通達等2500条項について、2023年中を目途とした見直しを実施
  • AI時代の官民データ整備・制度対応 2023年度
  • 行政・民間分野における「デジタル完結」の加速化
  • 国・地方のデジタル関係の基盤の構築

参考:デジタル臨時行政調査会の取組

デジタル規制改革推進の一括法

デジタルがあたりまえの世界に
デジタル技術の効果的な活用に向け アナログ規制にかかる法令改正を推進します。

1年の成果・進捗

デジタル規制改革推進の一括法の制定 2023年6月16日公布
デジタル規制改革を国の基本方針として法定し、新しい法令のデジタル原則の適合性をチェックする「デジタル法制局」のプロセスやデジタル技術と規制の見直しの関係を整理した「テクノロジーマップ」の整備に関連する規定を盛り込んでいます。さらに、事業所等に掲示されている、許認可等を受けていることを示す紙の書類等をインターネットで閲覧できるようにする等、より利便性を高めるため、アナログ規制にかかる法律を改正することにしました。

デジタル技術の効果的な活用に向けアナログ規制にかかる法令改正を推進するイメージ図。「フロッピーディスク等記録媒体による申請等のオンライン化」に伴い、ロッピーディスク等の記録媒体による行政機関への申請等についてオンラインによる申請等が可能になる事例や、「書面掲示規制の見直し」に伴い、標識、利用料金等の掲示や公示送達について特定の場所において書面で掲示されていたものがインターネットで閲覧等が可能になりいつでもどこでも 必要な情報を確認できるようになる事例がある。

取組の背景

「デジタル臨時行政調査会」の発足以来取り組んできた、デジタル技術の効果的な活用に向け、アナログ規制の見直しを推進する取組の一環です。

今後の展開(予定)

  • デジタル法制局のプロセスの実施・強化 随時
  • 「テクノロジーマップ」の公表・活用 2023年9月以降公表予定
  • 標識、利用料金等の掲示のデジタル化 公布後1年以内
  • 公示送達のデジタル化 公布後3年以内

参考:

準公共(健康・医療・介護)

情報連携により最適な医療や福祉を提供
個人のニーズに沿った医療や福祉の提供を目指し 医療DXを推進します。

1年の成果・進捗

医療DXの早期の実現を目指して各種取組を推進
医療DXの早期実現を目指し、厚生労働省をはじめとする関係省庁と連携しつつ、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、各種取組を進めています。具体的に、公費負担医療や地方単独の医療費助成、予防接種、母子保健等に係るマイナンバーカードを利用した情報連携に関する実証事業等に取り組んでいます。

情報連携により最適な医療や福祉を提供するイメージ図。取組前は紙の受給証の持参が必要であり、情報登録の手間や誤登録のリスクがある。取組後は紙の受給者証の持参が不要になり、情報登録の手間や誤登録のリスク軽減できる

取組の背景

マイナンバーカードと健康保険証との一体化を進めていく中で、こどもの医療費等の医療費助成の受給者証がマイナンバーカードと一体化されるとより利便性が高まる、予防接種、妊婦健診、乳幼児健診の予診票や問診票等の書類を電子化してほしいとのご意見を多くいただいており、それらを実現する情報連携のためのシステム構築を目指しています。

今後の展開(予定)

  • 公費負担医療や地方単独の医療費助成、予防接種、母子保健等に係るマイナンバーカードを利用した情報連携の取組について、全国展開に先駆けて、2023年度中に希望する自治体で実施
  • 2024年度以降にシステム改善や自治体システムの標準化の取組の状況等を踏まえながら、順次、対象の自治体や医療機関を拡⼤し、全国展開をしていく

※ 上記の取組を含め、厚生労働省をはじめとする関係省庁と連携しつつ、医療DXの推進に関する工程表に基づき、各種取組を推進する。

参考:

準公共(教育)

いつでも、どこでも、自分らしく学ぶ
教育データの標準化や利活用を推進し 誰もが自分らしく学べる教育を実現します。

1年の成果・進捗

「学習eポータル」接続機能の強化を実施
こども一人ひとりが、自分の興味関心や得意・不得意に合わせて、好きなデジタル教材を選べるとともに、教員にとっての業務負担の軽減や働き方改革へとつなげることを目指し、学習の窓口である「学習eポータル」と、様々な学習アプリ及び校務支援システムをシームレスにつなげる実証事業をを⽂部科学省と連携して実施しました。それによって、「学習eポータル」の接続機能の強化をしました。

教育データ利活用ロードマップの図。2023年度は「教育データ連携に向けた実証の継続的な実施」、「教育データ連携により繋がるデジタル教材等の各種サービスの可視化に向けた教育サービスカタログの構築」。2024年度は「教育DXによる学びの成果の可視化に向けた検討」。2025年度は「教育データ利活用ロードマップのフォローアップ」。

取組の背景

デジタル庁は関係省庁とともに「教育データ利活用ロードマップ」を策定しました。 ロードマップの主なスコープである「ICTをフル活用して、学習者主体の教育への転換や教職員がこども達と向き合える環境」を創っていくためには、教育データを標準規格によって連携し、ソフトウェア間の相互運用性を確保する必要があります。

今後の展開(予定)

  • 教育データの相互運用性確保のためのアーキテクチャの検討 2025年度まで
  • 教育データ連携の実現に向けた実証

参考:

準公共(こども)

こどもを社会のまんなかへ
すべてのこどもが安全・安心に生活できる社会の実現に向けて 情報連携を推進します。

1年の成果・進捗

こども家庭庁設立を見据えたガイドラインの改訂
潜在的に支援が必要なこどもや家庭の発見、プッシュ型支援を行う際の検証をするとともに制度面・運用面での課題を検証するため、データ連携のユースケースに応じた実証事業を実施し、2022年4月に公表した実証事業ガイドラインの改訂を行いました。ガイドラインの更新等を目的とした更なる実証事業の実施を、2023年4月に設立されたこども家庭庁へ繋げました。

各行政機関・部局のデータを連携し、困難な状況にあるこどもを早期発見し支援につなげるイメージ図。取組前には、これまでは各行政機関・部局が 個別にアプローチしていた。取組後には、情報連携によってきめ細かい支援が行き届く体制を構築できる。

取組の背景

貧困や虐待をはじめとした困難な状況にあるこどもは、その実態の把握や支援が難しい状況です。能動的に支援を行うためには、こどもに関する情報の連携について検討する必要があります。

今後の展開(予定)

  • 2023年4月に設立されたこども家庭庁へ事業を移管
  • こども家庭庁が検証するガイドライン等の更なる深化に向けた連携協力を継続的に実施

参考:

準公共(防災)

防災のあらゆる場面でデジタル技術を活用
すべての人が災害時に適切な支援が受けられるように 必要なデータを連携する基盤の構築を進めます。

1年の成果・進捗

住民支援のための防災アプリ開発・利活用の促進に向けた体制等を整備
民間で開発された防災分野の優れたアプリやサービスの利活用を促進させるため、「防災DXサービスマップ・防災DXサービスカタログ(初版)」を公開しました。
また、デジタル庁の声がけにより民間事業者や地方公共団体等、計357者( 2023年8月末時点)の協議会会員による「防災DX官民共創協議会」が発足し、防災DXの実現に向けた議論が開始されています。

防災DXサービスマップ・防災DXサービスカタログ(初版)を公開。2023年8月22日時点の登録サービス件数は計141件。平時において防災学習9件、災害リスク5件。切迫時において情報通知26件、被災予測9件、計測・情報収集26件。応急対応(+72時間)において避難生活支援13件、物資支援3件。復旧復興において復旧支援10件。応急対応(+72時間)および復旧復興において被害情報の収集・共有31件。切迫時、応急対応(+72時間)および復旧復興において災害対策本部運営9件。

取組の背景

地方公共団体や住民が平時から災害への備えを徹底し、災害時には命を守る行動等がとれるよう、防災アプリ等を通じて個々の住民の状況に応じたきめ細かな支援を行うことが求められています。

今後の展開(予定)

  • 防災DX官民共創協議会と連携しながら防災DXの実現に向けた取組を実施
  • 優れたサービスを地方公共団体等が円滑に調達できるよう、モデル仕様書の作成、将来的なデジタル・マーケットプレイスとの連携・活用を検討 2023年度中
  • マイナンバーカードを活用した災害時の住民支援の実証実験を実施 2023年度中
  • データ連携基盤の構築検討 2023年から2025年 着手は2026年頃予定

参考:

準公共(モビリティ)

新たなデジタル交通社会の実現に向けて
デジタルを活用した新しいモビリティサービスで課題解決を行い 国民生活の向上へ繋げます。

1年の成果・進捗

自動運転等の社会実装に向けて「モビリティ・ロードマップ」の策定を開始
自動運転車やロボット、ドローン等、さまざまなサービスを提供するために、デジタル社会推進会議はモビリティワーキンググループを設置しました。このグループは、サービスの持続可能性を高めるために、地域の実情に合わせた運行管理や事業体制の構築に取り組んでいきます。具体的には、協調領域としての空間情報の共有、制御の在り方、そして社会的責任の分担等について検討を開始します。

各省横断的なモビリティ政策のフィールドを示すイメージ図。車両、ロボット、ドローンの各領域において、競争領域では社会実装を促すことで社会的インパクトの発現と新たな投資・需要を促す。協調領域ではデジタルライフライン全国総合整備計画等で全国へ展開する。公的役割では関係府省庁とロボット協調制御実証においてロードマップの再起動を行う。

取組の背景

2021年まで発行された「官民ITS構想・ロードマップ」を通じて、自動運転等を活用したサービスを提供するために必要となる基本的技術と、それを実現するための最低限の制度整備はすでに終了しているところ、持続可能なモビリティサービスの実現に向けて移動需要に対するモビリティ分野における新たな取組方向性の検討が必要となっていました。

今後の展開(予定)

  • モビリティWG開始 2023年秋頃
  • 「モビリティ・ロードマップ2024」策定 2023年度中

参考:

準公共(企業間取引)

データ連携により企業活動をなめらかに
金融分野等で多様な相手とのデータ連携を実現し 企業の成長を支援します。

1年の成果・進捗

受発注から、請求、決済にわたる企業間取引全体のデジタル化の推進
「企業間取引将来ビジョン検討会」を開催し、企業間の取引データが活用され、社会的課題の解決や産業の発展に繋がる将来像を具体化し、異なる複数の関連する情報処理システムが連携する仕組み(アーキテクチャ)を描く活動を行いました。また、全銀EDI(全国銀行協会が構築した金融Electronic Data Interchangeシステム)・金融GIF(Government Interoperability Framework)の利活用を通じた企業間取引のデジタル完結とデータ相互運用性の確保を目指した関係事業者による取組を行いました。

ビジネス・ユースケースにおける作成件数と「取引データの集約と経理事務の自動化」の例のイメージ図。作成件数は「早期支払の自動化」、「取引データの集約と経理業務の自動化」、「自動交渉」、「物流・検収と請求の連携」、「官公需における受発注・決済のデジタル化」、「GHG情報のデジタル化」、「需要予測」、「ダイナミックプライシング 」の8件。「取引データの集約と経理事務の自動化」の例として「契約・決済アーキテクチャ検討会」で検討された図がある。当該図において、現状では個別の取引先とのやりとりが煩雑、入金確認が面倒、将来像ではまとめて決済できる、資金繰りのアドバイスが受けられる。

取組の背景

世界中で進むサービスやものづくりの革新を中小企業をはじめ、我が国の企業がリードしていくためには、系列にとどまらない多様な相手に提案し受注できる取引のデジタル化が不可欠となります。受発注から、請求、決済にわたる企業間の取引全体をデジタル化しアーキテクチャに沿ったデータ連携を可能とすることで、グローバルにサプライチェーン全体を強靱化・最適化します。それにより中小企業やベンチャー企業の成長を支援し、持続可能な社会を構築していきます。

今後の展開(予定)

  • 金融GIFの策定及び公開 2023年度中
  • 官公需取引への導入計画 2023年度中
  • 産業用データ連携基盤の開発・実証 2023年から2025 年頃
  • 金融GIFの改善及び拡⼤検討 2024年から2025年頃 実証
  • ユースケース作成、ロールモデル展開 2024年から2025年頃

参考:

準公共(デジタルインボイス)

デジタル完結でバックオフィス業務を効率的に
デジタルインボイスの利活用で 事業者のバックオフィス業務の効率化・生産性向上 新たな成長を推進します。

1年の成果・進捗

インボイスの新たな国際標準仕様策定に貢献
Peppol e-invoiceを管理する「OpenPeppol」で行われた新たな国際標準仕様「PINT( ピント)」の策定に向けた活動に積極的に貢献し、2023年7月、PINTの正式公開を実現しました。そのPINTをベースに、日本のインボイスの標準仕様である「JP PINT」を策定・公開しました。また、G7デジタル技術展(高崎)において、デジタルインボイスの展示ブースを独自に出展し、国内外に日本の貢献を広くアピールしました。

Peppolのロゴ。

写真。
OpenPeppol expertとのPINT策定に向けた活動

写真。
公開されている「JP PINT」の各仕様

G7デジタル技術展(高崎)における展示ブースの写真。
G7デジタル技術展(高崎)における展示ブース

取組の背景

事業者のバックオフィス業務のデジタル化を通じた効率化・生産性向上だけでなく、Peppol e-invoice(デジタルインボイス)の利活用により、新たな付加価値と成長の恩恵を享受できることが重要になっています。

今後の展開(予定)

  • PINTへの対応を契機に国内のシステム・サービスベンダー等が国外の市場に積極的に進出できるよう、他国におけるPINTの展開・環境整備等

参考:JP PINT

Visit Japan Web

入国手続きをオンラインでスムーズに
入国審査と税関申告の手続きで利用可能なオンラインサービスを提供します。

1年の成果・進捗

水際対策の変更に合わせた対応と入国手続きの一元化
新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた水際対策の変更に合わせ、厚生労働省・入管庁・財務省等関係機関と連携しながら迅速にサービスの改修に取り組んできました。Visit Japan Webというデジタルサービスだけではなく、現場オペレーションとも連携しながらの取組で、利用者の皆様への情報の伝え方についても工夫を重ね、多くの方に使っていただけるサービスになりました。
この取組を通じ、利用者の利便性の向上やわかりやすさを実現するため、これまで複数存在していたサービス・アプリをVisit Japan Webに集約しました。また、いただいたお問い合わせやご意見を元にUI/UXを変更する等サービスの改善も実施しています。

アカウント登録者数約1,100万人(2023年7月末時点)

取組の背景

日本への入国に係る一連の手続き(検疫、入国審査、税関申告)について、水際対策の効率的な実施と利用者の利便性の向上を図る観点から、スマートフォン等の利用を通じたデジタル化を一層進める必要がありました。また、新型コロナウイルス感染症に伴う水際対策の変更に伴い、サービスの改修を実施していく必要がありました。

今後の展開(予定)

  • 利用者の声を反映したUI/UXの変更を含む機能の追加・改善等

参考:Visit Japan Webサービス